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第7回:意外に多い!? ベジタリアンレストラン
2013年09月20日

【written by 馬場容子(ばば・ようこ)】東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
【最近の私】ものづくりをしている人が多いチェンマイ。友達から教わりながらバナナ編みコースターを作ったけれど、不器用な自分を再発見。
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 観光以外でチェンマイに来る外国人の多くが、マッサージの勉強やヨガ、リトリートの体験を目的にやって来ます。そうした彼らの多くはベジタリアン。実は、チェンマイにはたくさんのベジタリアンレストランがあって、それもまた魅力の1つだという声をよく耳にします。

■じぇじぇじぇ! "ジェー"とは!?

タイ語ではベジタリアンのことを"ジェー"と呼び、さらに分けると、完全なベジタリアンである"ジェー"と、卵や乳製品は食べる"マンサウィラット"という2つのタイプがあります。

確かにタイでは、宗教上の理由からベジタリアンの人が身近によくいるし、また、毎年10月には肉や魚を食べないで体を清める期間として「ベジタリアン週間」があり、その時期だけベジタリアンになる人もいます。そのため、お寺の近くにたくさんのジェー食堂が集まっているのです。

今では想像もつきませんが、近代以前の日本にも肉食を禁じていた時代があったとか。タイでは歴史的、宗教的な意味合いから今日もベジタリアンであるという価値観が根強く残っているのです。つまり今も仏教を強く信じる国民という証しなのでしょう。

Photo1. 赤と黄色が目印、ジェーのサイン.JPG
ジェーの看板は赤と黄色、「齋」の文字が目印(写真1

ベジタリアン週間には、ジェーのシンボルである赤と黄色の"齋"という文字の旗や看板がいつも以上に街のあちこちに出現し(写真1)、ジェーの屋台が街の所々に出店します。しかも、肉や魚を扱う食堂のなかには休業するお店があったりします。

国民の精神修行の一貫であり、宗教的意味を持つジェーであるためか、いくつかのジェー食堂では、「一品目は無料」「玄米や生野菜は無料」といったサービスを行っています。

ジェー食堂や屋台のメニューは、見た目は普通のタイ料理ですが、もちろん素材は豆腐やきのこ、野菜が中心。お味はと言うと、油もしっかり使っているし、味付けがしっかりしていて大変食べやすいのです。日本の精進料理とはかなり印象が違います。(写真2.)(写真3)


       Photo2.ジェーの屋台料理を選ぶお客さん.JPGのサムネール画像               
ジェーの店先、ソムタム(パパイヤサラダ)などをその場で作ってくれます。.JPGのサムネール画像
                     ジェーの屋台。                         ェーの店先。ソムタム(パパイヤサラダ)などを
お気に入りの料理を選ぶお客さん(写真2)          注文するとその場で作ってくれる(写真3)

■続々登場! おしゃれなベジレストラン

一方、宗教的理由というより、ヘルシー思考やニューエイジ的な食のありかたを求める人々のニーズを汲んで生まれたベジタリアンレストランも増えています。こちらは西洋人が多く、タイの伝統的なジェーとは少しカラーが違います。

ベジタリアンでもマクロビオティックやローフード、サラダ中心など様々なコンセプトを掲げた店があり、どこも外国人で賑わっています。こうしたブームを受けて、最近では、「Go Green チェンマイマップ」というベジタリアンレストランやヨガ・スクールなどを中心に載せているマップが出現。街で無料で(あちこちまではいかないため削除)設置されています。(写真4)

Photo3. 緑色文字がジェーの屋台やレストラン.JPGのサムネール画像
「Onグリーンマップ」。緑色の表示がジェーの屋台やレストラン(写真4)

チェンマイでは、静かに広がり定着しつつあるベジタリアンの流れと、もともとあるジェーの流れがだんだんと織り混ざってきているのです。ばっちり肉食派の私の彼にはどちらも少々物足りないようですが、ヘルシー志向の女性達にとっては毎日の食生活の嬉しいチョイスとなっています。

そういえば、縫製の仕事をしていた熱心な仏教徒の友人が、4年前に心機一転、ジェー屋台を開業しました。フィッシュボール(魚のすり身を団子状にした練り物)の替わりに、ジェーバージョン椎茸ボール入りクイッティアオ(米麺を使ったタイ風ラーメン)が今や大人気!久しぶりに食べに行こう!