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修了生・浅野藤子さんが語る震災映画特集in マドリード 開催準備編
 イベント企画のきっかけと上映までのハプニングとは?
3月7日より、スペインのマドリードにて国際交流基金が主催する震災映画を特集する上映会が開催されています。このイベントには、JVTAの修了生(2010年10月期実践コース修了)の浅野(武山)藤子さんが携わっています。日本で長年映画祭のお仕事をされてきた浅野さん。2012年1月からは、マドリード市内にある、スペイン語教授法で有名な私立大学にてスペイン語とスペイン映画を学んでいます。今回は浅野さんが初日の会場の写真を交え、上映会を開催するまでの経緯やハプニングなどについて現場のスタッフならではのレポートを寄せてくれました。

マドリードの天候は、朝晩は氷点下ですが、日中は太陽が出ると20度近くまであがったりと、さすが太陽の国スペイン。Tシャツ1枚でも平気です。最近は陽が昇るのが早くなり、春を感じさせる陽気が続いています。

3月7日から開催されている国際交流基金マドリード日本文化センター主催の震災映画特集をお手伝いしています。いくつかプログラムが分かれており、私は「(1) ドキュメンタリー映画上映:被災地に寄り添って」の5作品を担当しました。

この企画は、まだ私が日本にいた11月末ごろに、マドリード日本文化センター所長に提案したことから始まりました。マドリードにいて映画の上映に全く携わらないのはどうなのかと貧乏虫がうずき、震災から1年目となる3月なら、少しは現地の生活に慣れた頃だと考えたのです。


所長はすぐにこの企画に同意してくださり、作品集めや選考を頼まれました。年末年始や勉強の合間をぬって作品を観る中で気づいたのは、それぞれが震災を体験し、それぞれのストーリーが映画になっていることでした。このイベントでは、マスコミ等から報じられるステレオタイプな映像(瓦礫にまみれた町並み、白い防護服の人々、苦しみ涙する人々)だけではない、それぞれのストーリー、幅広い作群をスペイン語字幕で紹介したいと思いました。素材の取り寄せやゲスト交渉などは、これまで通りの仕事と同様なので順調に段取りができ、加えて優秀な基金のスタッフのお蔭もあり、かなりスムーズに進んでいました。

ところが、開催3日前になり、「緊急」のメールが入りました。日本から取り寄せた某作品(ブルーレイ)に、制作会社がスペイン語字幕をミックスさせようとプレイしたところ、違う作品だったという、“字幕制作上おかしてはならぬミス”。この事態にはさすがに「この作品は2週間近く前から渡していたのに、何を今更!チェックしなかったの?」と憤慨してしまいました。作品を間違えて手配した提供者にも問題はありますが、受理したディスクをすぐに確認しなかったこちらも不手際があったと思い、「3日前かよ…」と、心のなかでつぶやきました。

すぐに提供者へ電話して、ブルーレイを再送してもらうと同時に、Quicktimeでデータを手配してもらうことに。10年前であれば、ディスクの到着を待つことしかできませんが、文明の利器の発達によりデジタル素材をダウンロード。時間は結構かかりましたが、送付するよりは2日ほど短縮できるこのすごさ! 連絡を受けてから、素材が無事にダウンロードできて内容を確認するまでの2日間は、気が気では無く、それは他のスタッフも同様でした。特に字幕制作会社の担当者は、スペイン人には珍しく真面目な青年で、自身が映画祭を運営していることもあり、心の痛みと気がかりが倍増していたよう。素材が届かない夢を見て、うなされたと漏らしていました。「まっ、”Festival”だから色々あるよね」と言うと、彼も私もニヤリ。国を超えた映画祭の修羅場をくぐり抜けた者だけが判る言葉でした。
(写真は無事に行われた初日のセレモニーです)

公式サイト
http://fundacionjapon.es/Arte.sca?id=10#/Idioma.sca?lang=jp

★浅野さんの担当作品

●『相馬看花 奪われた土地の記憶』 監督:松林要樹
●『3.11 A Sense of Home Films』
監督:ビクトル・エリセ、河瀬直美、ジャ・ジャンクー含め21名
●『トーキョードリフター』 監督:松江哲明
●『雪海』 監督:大竹暁
●『なみのおと』 監督:濱口竜介、酒井耕
※濱口竜介監督の『親密さ』が、3月16日から開催される第16回映像翻訳コンテストの英語字幕部門の課題作品に選ばれました!欧州最大の日本映画祭ニッポンコネクション出品された話題作です。

コンテストの詳細はこちらをチェック!
http://www.alc.co.jp/jimaku/

第2弾のレポートでは、松林要樹監督を迎えたトークセッションの様子をお伝えします。

詳細はこちら
http://www.jvtacademy.com/news/?id=583


Text by浅野藤子
1999年より山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局で、インターナショナル・コンペティション選考員、同プログラムコーディネーターなどを担当。2008年から東京国際映画祭の日本映画のリサーチ、および日本映画・ある視点部門を担当する傍ら、ユニジャパンにて日本映画を海外に紹介するための様々な業務に携わる。2012年1月よりスペインで留学中。
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