※2022年度の明星大学特別上映会は終了しました。
特別上映会について
『地中海のライフガードたち』は実話を基にした長編映画です。スペインでライフガードをしていた主人公オスカルは、ある衝撃的な1枚の写真を目にしたことをきっかけに、自ら国境を越え、仲間と共にギリシャのレスボス島へ向かいます。時に周囲と衝突しながらも、海に生きる人間として目の前で困っている人を救いたいという一心でシリア難民の救出に奮闘するオスカルと仲間たちの姿を描いたドラマ作品です。
この作品の日本語字幕は、明星大学人文学科国際コミュニケーション学科の学生が「映像翻訳」という授業の中で、プロの映像翻訳者である講師陣の指導を受けながら力を合わせて作り上げたものです。夏休みの集中講義期間に25名の学生一人ひとりが担当することになった翻訳部分を完成させました。12月3日に開催する特別上映会の企画や運営も学生が担当しています。
上映作品 |
『地中海のライフガードたち』 |
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開催日時 |
2022年12月3日(土) |
上映時間 |
13時~15時30分(予定) |
会場 |
明星大学 日野キャンパス(東京都日野市) |
参加料 |
無料(定員あり・要事前申し込み) |
ゲスト |
今城 大輔さん(国境なき医師団(MSF)日本 アドミニストレーター) |
プログラム予定 |
1. 履修生発表 |
主催 |
明星大学 人文学部 国際コミュニケーション学科「映像翻訳」 |
後援 |
国連UNHCR協会 |
参加申し込み方法 |
申し込み受付は終了しました |
ゲストプロフィール
今城 大輔さん(国境なき医師団(MSF)日本 アドミニストレーター)
1973年生まれ、東京都出身。1997年、慶應義塾大学総合政策学部卒業。1999年から国境なき医師団(MSF)日本の事務局職員として入職後、アドミニストレーター(財務・人事担当)として現地プロジェクトに従事。2007年に日本の映画配給会社勤務を経て2009年から2017年まで難民映画祭を担当。2017年よりMSFに広報部員として復職。
作品について
『地中海のライフガードたち』
スペインのバルセロナの海岸でライフガードの仕事をしている主人公オスカル。2015年の秋、オスカルはある衝撃的なニュースを耳にする。地中海を渡ろうとして溺死した難民の子どもの写真がマスコミを通して世界中に拡散されたのだ。居てもたってもいられなくなったオスカルは、仲間のジェラルドと共にギリシャのレスボス島へ向かう。武力抗争から逃れるため、不安定なボートで海を渡り日々押し寄せる何千人ものシリア難民たち。しかし当局を含め誰も手を差し伸べようとしない。想像を超える現実に圧倒されながらも、オスカルとジェラルドはスペインから駆けつけた仲間と共に彼らを救うため行動し続ける。非協力的な当局や法律の壁とぶつかる中で、オスカルたちはどのように難民を救助していくのか―。
2022年11月19日~12月14日 「第17回難民映画祭」にて公開
2021年/スペイン、ギリシャ/スペイン語、ギリシャ語、英語、カタルーニャ語、アラビア語/109分
監督 |
マルセル・バレーナ |
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レスボス島について
レスボス島はエーゲ海の北東部、トルコ沿岸に位置するギリシャ領の島であり、トルコとは狭い海峡で隔てられている。面積は1630平方キロメートル。クレタ島・エヴィア島に次いで、ギリシャで3番目に大きい島である。エーゲ海の東の端で、大きく口を開けたようなトルコに「今にも食べられそう」に見えるのが特徴だ。
レスボス島はトルコとの国境に位置し、地中海の温暖な気候の下でオリーブの木が生い茂る。面積の40%がオリーブ畑で、オリーブの島とも呼ばれる。オリーブの品種はレスボス島周辺にだけ生息する希少なコロヴィ種。ポリフェノールを大変多く含み、フレッシュでバランスの良い香りと、適度な辛さがある。
レスボス島の東海岸、かつては砦だった丘に囲まれたような美しい街がミティリニ市。南港に面した海岸通りは町並みに独特な味わいを添えている。船で海から港に近づくと、かつての領主達の古い館と現代的な建物との対比が目にとまる。さらに海岸通りでは、市立劇場や市役所など、綺麗に修復され、手入れの行き届いた「新古典派様式」の建築物がたたずむ。素敵な新古典派の香りのする建物をそこら中で目にすることができるのだ。
ヨーロッパの難民発生の背景
2015年、多くの難民がヨーロッパ諸国へと押し寄せ混乱を招いた「欧州難民危機」。当時ニュースで取り上げられていたのは、ほとんどがシリア難民だった。しかし実際はシリア難民だけではなくアフリカ難民も押し寄せたことで事態がさらに大きくなり混乱を招いた。
アフリカは、現在も内戦や紛争が多いが、そこから逃れるために多くの国内避難民・難民が発生してきた。国内避難民は、国内で移動しながら逃げ延び、難民は、国を出て近隣諸国へと避難していた。
しかし、近隣諸国の受け入れ体制が整っていない、その国自体が貧困状態にあり難民を受け入れることができないなどの理由から、さらに移動を強いられる人々も発生し、彼らが目指したのが、国としても安定した地域が多くあるヨーロッパだった。
シリア難民にアフリカ難民など、多くの人々がボートいっぱいに乗り込み地中海を渡る、あるいは陸続きに移動し押し寄せ、「欧州難民危機」と呼ばれるほどの事態に発展してしまったのだ。
やむを得ず難民たちは地中海を渡っていたが、地中海はかなり広く、非常に危険な移動となってしまう。そのため、海を渡っている途中で命を落とす人も多くいた。劇中で浜辺に打ち上げられた少年がいたのもこれが原因だ。それだけでなく、ヨーロッパ側の上陸場所であったギリシャのように、大勢の難民が流れ込んでくることを避けるために強制送還の措置などを取るようになった。
難民問題は現在も続く。問題は、入国できないということだけではない。無事に辿り着いて国に入ることができたとしても、難民申請の対応が追い付かず就労ができない状態に陥ってしまう人、それによって住むことも食べることもできない人、病気になっても一切の治療を受けられない人なども多くいる。そして、大人に限らず小さい子供までもがこのような状況に陥ってしまっているのだ。
コンタクト
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明星大学国際コミュニケーション学科「映像翻訳」講師/
日本映像翻訳アカデミー 学校教育部門
桜井徹二(さくらい てつじ)
tetsuji.sakuraih.meisei-u.ac.jp
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