『オール・ザ・キングスメン』 by 石井 清猛
1920年代アメリカに実在した政治家をモデルにした同名小説の2度目の映画化作品。叩き上げの州知事ウィリー・スタークと、彼の情熱に心引かれ、密着取材を始める記者ジャック・バーデン。価値観も階級も異なる2人の男の関係は、ダイナミックな政治の世界で果たしてどう変わっていくのか。
出演がショーン・ペン、ジュード・ロウ 、ケイト・ウィンスレット、そしてアンソニー・ホプキンスとくれば、彼らをスクリーンで見るためだけに劇場へ足を運ぶ気になるというもの。薦められなくても観にいくよと言われてしまいそうです。当然、見どころも満載。
ここであえて1つだけこの映画の魅力を挙げるなら、それはジュード・ロウの"闇"です。絶対に光が差し込むことのない、深く濁りきった心の闇。スクリーンの上で、目に見える暗さとして現れるこの闇は、ショーン・ペンの破滅的な情熱と好対照をなしていました。もちろん、それでも美しいのがジュード・ロウなのですが。
「悪は、善からも生まれる」のかもしれません...。
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『オール・ザ・キングスメン』
出演:ショーン・ペン 、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット
監督/脚本/制作: スティーヴン・ゼイリアン
製作年: 2006年
製作国: アメリカ
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