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2007年8月 アーカイブ

Vol.13 『サスペリア』 by 藤田 庸司


8月のテーマ:涼

こんにちは。藤田ヨージです。先日フジロックに行きました。
雨男にも関わらず、天気は上々。苗場の自然と豪華アーティストたちの音楽、
少しばかり(ウソ)の美酒を満喫しました。クライアントの方や翻訳者さんも
結構行かれたとか。失態を見られていないか、ちょっぴり心配です。(笑)

『サスペリア』

先日イケメン通訳として売り出し中(笑)のセンタースタッフ石井が、とあるホラー映画監督の通訳を担当した。雑誌社の人たちとの質疑応答の際、監督は今日紹介するホラー映画の魅力について、熱く語ったそうである。

『サスペリア』。この1977年に公開されたダリオ・アルジェント監督のイタリアン・ホラー映画は、アメリカン・ホラーとは明らかに違う独特の作品トーンと過激さ故、30年経った今も多くのホラー映画ファンに愛され続けている。

テーマは魔女伝説。凝ったストーリーもさながら、原色を強調した美しい絵画のような映像は"恐怖"の中にも"美"を生み出し、全編を流れるイタリアン・プログレッシブ・ロックの雄、ゴブリンが奏でる悪魔的サウンドと絡み合うことで、見る者をより深い恐怖の世界に引き込む。
公開当時、子供だった僕は、この映画を映画館で見ることはなく、数年後の夏休み、昼下がりにテレビで放映されていた「恐怖映画名作劇場」なるもので見たのだが、公開時に一世を風靡した次の宣伝コピーには震え上がった思い出がある。

「決して1人では見ないでください...」
最強のホラー映画にふさわしい、最恐のコピーである。


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『サスペリア』
出演: ジェシカ・ハーパー、アリダ・ヴァリほか
監督: ダリオ・アルジェント
製作年: 1977年
製作国: イタリア
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Vol.14 『スタンド・バイ・ミー』 by 潮地 愛子


8月のテーマ:涼

今年は例年になく猛暑で、セミの声も一段と大きく聞こえたような気がします。ここにきてようやく暑さもやわらぎつつあり、セミの声も静かになってきました。彼らは地上での一週間を満喫できたのでしょうか。

夕方の空を見上げるともうすぐ秋が駆け足でやってくる気配すら感じる今日この頃、みなさんはいかがお過ごしですか?

私は、この夏、動物を扱った書籍編集に携わっていたのですが、その中にとても感動的な一文がありました。「ホッキョクギツネの子どもは、夏のあいだにおとなになる。」他のどの季節でもなく、ひと夏に、というところにぐっときます。そして、ぐっとさせちゃう魅力が夏にはあったりするわけです。


前置きが長くなりました。私が今回取り上げたい映画は、『スタンド・バイ・ミー』です。少年4人が、ひと夏の冒険をとおして成長していく物語。オススメするまでもなく、この映画はほとんどの人が見たことがあるのではないでしょうか。だから、内容をどうこういうのはやめます。もちろん、心に残るシーンはたくさんあります。でも、冒険にでかけた少年4人がともに時間を共有できたのは、恐らくあの夏だけ。何より、そのことに私は心惹かれるのです。彼ら4人は個性も家庭環境もさまざまで、別々の道を歩むことになります。ずっと一緒にはいられない。大人になるということは、さまざまな変化を体験していくということでもあるのかもしれません。そして、変化していかざるを得ないからこそ、あの、ひと夏の出来事が光輝くのでしょう。

はかなさゆえに、ひと夏は魅力的なのです。あんなに太陽がじりじりと照りつけていたのに、いったん涼しくなり始めると、まるでそんなことが幻だったかのようにすら感じます。でも、ふと自分の腕に目をやれば、図らずも日焼けしたあとに、確かに夏をすごした証が残っていたりして...。
『スタンド・バイ・ミー』を初めて見てから、いくつもの夏が過ぎ、私も世間的には大人と言われるようになりました。そして今年の夏も、もう過ぎ去ろうとしています。ここであらためて、ビール片手に今年の夏の出来事に思いを馳せながら、『スタンド・バイ・ミー』を追体験しようかと思っています。みなさんも、ぜひ。

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『スタンド・バイ・ミー』
出演: ウィル・ウィートン、 リヴァー・フェニックス コリー・フェルドマン、 ジェリー・オコンネル 他
監督: ロブ・ライナー
製作年: 1987年
製作国: アメリカ
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