11月のテーマ:幸福
今月のテーマは幸福。幸せって何だろうと改めて考えてみると、何かをやり遂げた時に感じることが多い気がする。例えば最近ランニングブームに乗り遅れつつも皇居の周りを走り始めた私は、毎回ゴールの瞬間にちょっと幸せな気分を味わっている。
そんな小さな幸せのために思わぬ困難に直面するのが、今回ご紹介する「Harold & Kumar Go to White Castle」の主人公ハロルドとクマールだ。韓国系とインド系のアメリカ人でルームメートの彼らは、どうしても"ホワイト・キャッスル"のハンバーガーが食べたい!と夜中に思い立つ(ちなみにホワイト・キャッスルはアメリカに実在する小さな四角いハンバーガーで有名なファーストフード店です)。意気揚々と家を出発した2人だったが、アライグマに噛みつかれて病院行きになったり車を盗まれたりとあり得ないトラブルに次々と見舞われ、なかなか目的地にたどり着くことができない。これでもかと襲いかかる試練にくじけそうになっても、"I want that feeling. The feeling that comes over a man when he gets exactly what he desires. I need that feeling!"と宣言してモチベーションを上げるハロルドとクマール。そのうちに"This is about the pursuit of happiness."と、ハンバーガーについて話しているとは思えないようなセリフまで飛び出し、軽い気持ちで始めたことが絶対に達成しなければならない目標になっていく。
さまざまな困難を乗り越えた2人がようやくホワイト・キャッスルにたどり着き、白目をむきながら小さなハンバーガーにかぶりつく幸せそうな表情を見ていると思わずハッピーな気分になることうけあいだ。
アメリカならではの人種差別ネタや下ネタが満載ですごく楽しめるコメディなのだけれど、どんなに小さな目標でもゴールに向かってがむしゃらに突き進み、それを達成した時には大きな幸せを感じられる、そんなことを教えてくれる作品だと思う。
続編もいくつか出ているし、本国では人気シリーズのはずなのに日本で公開されていないのは残念だが、いつか日本に上陸したらぜひ観ていただきたい1本だ。
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『Harold & Kumar Go to White Castle』
監督:ダニー・レイナー
出演者:ジョン・チョー、カル・ペン
製作国:アメリカ
公開:2004年
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