ミクスチャー食堂2

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第5回:バラエティ番組を「生」で見よう!
2010年06月24日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】最近魅了されているもの:「聖☆おにいさん」「大奥(よしながふみの漫画)」そして、オシムさんと通訳の千田善さんのコンビネーション。全てすばらしい。
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「お笑いは劇場に行き、生のライブを見たほうが面白い」と言う人がいます。実はテレビのバラエティ番組も、「生」で見るといつもと違う面白さが発見できるのをご存知でしょうか。ここで言う「生」は生放送という意味ではなく、収録の様子をスタジオに行って生で見る「番組観覧」のことです。

私は今までに深夜の人気番組『アメトーーク!』(テレビ朝日)など、いくつかのバラエティ番組の観覧に行ったことがありますが、その面白さのひとつは、収録が始まるまでどんな企画で誰がゲストか分からないところでしょう。観覧募集をする時点で詳しい内容やゲストを明かさない番組は意外と多く、前述の『アメトーーク!』では、番組サイトに「第×回プレゼン大会採用企画!!」「売れっ子大集合SP」といったヒントだけを掲載して募集をします。

これは、まるで「次はアノ人が登場!?」というテロップと共にモザイクをかけられた「アノ人」を見せる予告編のようなもの。情報としてはわずかですが、思わせぶりなヒントが出されることで、逆に期待が高まります。実際にスタジオで収録が始まるのを待つ間には、あちこちから企画や出演者の予想が聞こえてきて、それがいっそう気持ちを盛り上げます。

そしていよいよカメラが回り、MCの雨上がり決死隊に続いてゲストが登場すると、客席は興奮のるつぼ。もちろん私も冷静さを失い、あろうことかゲストに手を振る始末(笑)。後になって、「あの姿がテレビに映ったら...」と心配にもなりますが、それほどまでに興奮し、楽しめるのは、ほとんど情報がない状態で見る観覧ならではでしょう。

もうひとつの面白さは、テレビで放送されない部分が見られることです。「テレビで放送されない部分」には、オンエアで惜しくもカットになったシーンというのもありますが、私の場合は、番組を作るスタッフの方々のプロの仕事ぶりについ目がいってしまいます。

カットがかかった途端、今までどこに隠れていたのかと思うぐらい大勢の人たちが現れてひな壇が取り払われ、すばやくキッチンのセットを準備する様子に感心したり、要領を得なかったのか、若いアシスタントさんが怒られている姿にこちらまで緊張したり、MCやゲストに意外と細かくカンペが出されることに驚いたり。こういうたくさんのスタッフがいて、それぞれが細やかな気配りをすることで本当の笑いが生まれるのでしょう。そう思うと、ちょっとした社会科見学気分で観覧を楽しむことができます。

ちなみに、『アメトーーク!』では、客席に何人か番組特製のキャップをかぶっているお客さんがいます。気になる方も多いようですが、あのキャップは観覧者全員に配られるおみやげではありません。その場でスタッフの人が適当に決めた何人かに渡し、番組が終わると回収されます。これもまた、「テレビで放送されない部分」のひとつ。皆さんもテレビだけでは分からない、番組の裏側を見に行ってみませんか?