Text by 日本映像翻訳アカデミー編集部
9月19日(月・祝)、浅草公会堂にて第4回したまちコメディ映画祭のクロージングとして特別招待作品『モンスター上司』のジャパンプレミア上映が行われた。当日は、映画祭の最終日ということもあり、大勢の来客でにぎわった。映画の上映前には本映画祭のチーフディレクター大場しょう太氏ら関係者4名が登壇。『モンスター上司』という映画にちなんで、自分だったらどういう上司が嫌いか、という話に及んだ際には「ずっと仕切っていたくせに、事業がうまくいかなくなると、部下に責任を押し付ける上司」などと話して、会場を沸かせていた。
また、来場者プレゼントとして、ジェニファー・アニストンと部下役の主演3名のサイン入りポスターが提供され、じゃんけん大会が急遽行われることに。接戦の末、コリン・ファレルが好きだという女性が見事獲得し、歓喜の表情を見せていた。
映画の内容はまさにタイトル通り。ニック、カート、デイルの3人は、パワハラ、セクハラ、バカハラ上司と、それぞれ耐えがたい上司の下でうんざりする日々を送っていた。自ら会社を辞めるつもりはない3人は少しでも仕事をマシにするため、バーで知り合った見るからにムショ帰りの強面の助言を受け「上司殺害計画」を練る。ところが、いざ計画を実行に移そうとすると、そこには大きな落とし穴が待っていた......。
見所はなんと言ってもニック、カート、デイルのおバカ3人による連携の取れたコメディだが、同じくおバカな3人の上司も見逃してはならない。自身の権力を誇示したいがために、部下にめちゃくちゃな要求を浴びせるパワハラ上司に、毎日息をつかせぬほど部下にワイセツ行為を働くセクハラ女上司。そして、先代の社長の急死により社長の座につくことになった放蕩息子のバカハラ上司。それぞれ、絵にかいたようなとんでもない上司だ。
特に注目したいのは、ドラマ『フレンズ』のレイチェル役でもお馴染の人気女優ジェニファー・アニストン演じるセクハラ上司だ。歯科医師である彼女のセクハラぶりは、とにかくぶっ飛んでいる。突然、部下を呼び出し、裸にエプロンならぬ裸に白衣で迫ったり(しかも遠隔操作で部屋に鍵をかけて部下を逃げられなくする。一体、どんな病院だ・笑)、麻酔薬を悪用して悪戯したりと「ジェニファー、本当にそこまでやっちゃっていいの!?」と思わず心配してしまうが、コメディの女王の貫録を堂々と見せつけている。ある意味、ジェニファーファンにとっては嬉しい映画かもしれない。
作中に登場する3タイプのダメ上司は三者三様だが、その中にきっと誰もが「私の職場にもいる!こういう人」と、あなたの身近なダメ上司の姿を見つけられることだろう。
本作は10月29日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて全国ロードショーになるため、ぜひ映画館に足を運んで自身の目で確かめてみてほしい。