5月のテーマ:休日
もともと出不精で人ごみが苦手ときたから、ゴールデンウィークも家でゴロゴロとDVDを見たり、読書をしたりして過ごした。つくづく目覚まし時計をセットせずに心行くまで眠れることは、絶えず納期に追われる職業の翻訳者にとって、何よりの贅沢だと実感する。
出かけたといえば、近所の公園だ。公園といってもあなどることなかれ、森などもある、かなり大きく、立派な公園である。春は川沿いの桜が見事に咲き、中心部の池には魚や水鳥、カメなどが生息する。また、驚くことにカワセミやモズなどの野鳥が現れたり、雨が降れば大きなヒキガエル、夏にはヘビの姿も見受けられる。都会のど真ん中に、これほどまでに自然が溢れる場所はなかなかないと訪れるたびに感動し、田舎育ちの僕はノスタルジックな気分に浸るのだ。
みなさんも経験あると思うが、翻訳作業中、素材の世界、作品の世界へはまり込んでしまい、煮詰まることが多々ある。頭がパンパンに張って、言葉や表現が思うように浮かばない。そんな時、お気に入りの音楽をヘッドホンから流しながら、緑の香りを嗅ぎに近場の公園へ足を運んでみてはいかがだろう。テンパっていた頭はリフレッシュされ、不思議と今まで見えなかった角度から作品を見ることができたり、思いがけないアイデアがキラリ☆とひらめいたりする。公園は都会に暮らす野鳥やヘビにとってのオアシスであることはもちろん、僕にとっても生活に欠かせない癒しのスポットである。