9月のテーマ:○○フェチ
学生時代はよく友人と集まってはくだらない話に花を咲かせたもので、例えば"好みの異性のタイプ"なんていうのは格好のテーマでした。(きっとこれを読んでいる皆さんもそうですよね?)ある友人が「眼鏡をかけた色白ソフトマッチョがいい」と言えば、別の友人は「筋肉質な腕に浮き上がる血管がたまらない」と言う。そして横にいた私は、友人たちの口から出る具体的で細かい描写に、みんなすごいな~と心の中で感心しながら話に参加していたものです。
今もその頃と変わらず、"○○フェチ"というほど特定の人や物に対する強いこだわりはないタイプですが、そんな私が海外へ旅をするたびに密かにこだわって試していることがあります。それは「いかに旅人扱いされずに現地に溶け込むか」ということ。見た目からしてバレバレでしょ?と言われるかもしれませんが、そんなの関係ありません。"フェチ"は言うまでもありませんが、こういう類のこだわりは所詮、自己満足なのですから。
旅の目的というのは人によって違うと思いますが、私の場合は「その土地の生活を感じる」というのが第一テーマです。そのためにはやはり現地の人と交流するのが一番。ここ数年は香港にはまっているので、外見的にはまずクリア。一時期は言葉も少し習っていたので、行くたびに現地の人々を相手に新しいフレーズを試すのが楽しみになっています。
街中でティッシュを配られたら「イリマセン」とか。マーケットで「コレ欲しいんですけど、マケテクダサイヨ」とか。ちょっとした会話でも通じるとかなり嬉しい!特に向こうから広東語でまくし立ててきたりなんかすると、「私、うまく溶け込んじゃってる!?」と一気にテンションが上がります。
広東語はかなり発音が難しい言語なのですが、現地の友人たちに唯一褒められたのが「トイレはどこですか?」。調子に乗って使いまくったのはよいけれど、あまりに発音が完ぺきだったのか「あそこの角を左に曲がって、2つめの道を進むと左手に...」など細かい説明をされてしまい、にんまりうなずいて分かったフリをするしかないことも(笑)。
つい先日も連休を利用して香港に行ってきたのですが、1人で洋服を見ていたところ、しきりに広東語で話しかけてくるお店の女の子が。笑顔で交わしつつ店内を回っていたのですが、待ち合わせていた香港人の友人と英語で話す私を見て、彼女は目を丸くして言いました。「香港人だと思ってた!広東語話せるの?」。「少々(シウシウ)」と一言答えると「発音がうまい!」とベタ褒め。言葉を発さずとも現地人の空気を醸し出す域にまで達したか...と、私の旅フェチ心が満たされたのは言うまでもありません。
次はどんなシチュエーションで試そうか、今から次の旅が楽しみです。