vol.61 「薬と毒」 by 藤田庸司
7月のテーマ:酒
ビールの美味しい季節になった。暑い暑いとぼやきながらも、冷たいビールをゴクリ! おかげで、毎年なんとか猛暑を乗り切れている。お酒は人を勇気づけてくれたり、なぐさめてくれたり、ときに人間関係を円滑にしてくれたりする唯一無二の不思議な存在だ。"百薬の長"とも言われ、人間の生活や文化に深く関わってもいるが、付き合い方を間違えると毒にもなりかねない。そう、お酒好きなら一度は経験するであろう、あの忌々しい悪夢、二日酔いである。翌朝「また、やってしまった」と、ズキズキ痛む頭を抱えながら、昨夜の自分を恨む。タバコをやめて10年が経つが、お酒は一度もやめようと思ったことがない僕も、例外なく"やってしまった派"だ。我ながら、ホントに懲りないヤツと呆れつつ、最近はバカなりに対策を講じている。効果絶大とまではいかないが、多少は体が楽なので、お酒好きの方はご参考までに。
①すきっ腹で飲まない。
お腹が空っぽの状態で飲むと、胃腸がアルコールを一気に吸収し急激に酔いが回る。かといって満腹では美味しく飲めないので、軽めに何か食べておく。僕はよくバナナを1本食べる。
②しじみ汁
以前テレビ番組で紹介していたが、しじみには肝臓の働きを助ける"必須アミノ酸"なるものが豊富に含まれているそうだ。半信半疑で試したが、意外に効果がある。二日酔いにはもちろん、お酒を飲む前に飲むのも◎。
③ウコン
最近ハマっている。錠剤やドリンクなど多種ある。
お酒を飲む前に飲むとなかなか酔わず、逆に酒を飲みすぎてしまうので、
寝る前に飲むのがおススメ(ただし、酔いつぶれて寝てしまっては元も子もない)。近頃は居酒屋などで、ウコンハイなるものをよく目にする。
以上だが、それぞれを実行しても大量に飲んでしまえば焼け石に水。最大の策は"ほどほどに切り上げる"である。酒は飲んでも飲まれるな。お酒は楽しく適量を。できれば苦労しないのだが...。
話は変わるが最近、古代エジプトのピラミッドは、いわゆる奴隷たちが建設したのではなく、農民たちが公共事業の一環として建設したという説が聞かれる。なにやら、石灰石でできた出勤簿なるものが発掘され、そこには欠勤理由が書かれているそうだ。理由の一つに、なんと「二日酔いで休む」というものがあるから驚きだ。これだけITが発達し、月にだって行ける現代になっても、人間自体はまったく進化してない気がして、実に面白いと思った。いつしかタイムマシーンができたら、是非、何千年前の"やってしまった派"と杯を交わしたいものである。