4月のテーマ:テレビ
「最近はまってるテレビってなに?」っていう会話を、まったくしてない気がする。子供の頃学校では、かなりメジャーなトピックとして日々君臨していたのに。堕ちたものだ。私は今でもテレビをよく観る。何とか時間を作ってできるだけ観るようにしている。
最近のテレビ事情についてだれも聞いてくれないので、自分からアナウンスしている。今日も言ってしまおう。
「魔法少女まどか☆マギカが熱いっ!!」と。
シャフト制作によるテレビアニメ作品。2011年1月から毎日放送 (MBS) ほかで放送された。全12話。4月21日深夜に最終回までの3話が一挙放映された。当日の読売新聞の朝刊一面にも広告が出ていた。地方のファンは鑑賞ツアーを組んでリアルタイムでの放送を堪能した。放映される地区では有給申請をしたものが多くいた。放送は終了したが、私にとってはまだまだブームだ。
この時点で言っておくが、ちなみに今日のコラムは「今週の一本」ではない。「キラリ」だ。
各ストーリー展開、カット割の意図、引用されていた独語など多言語文献の意味、最終回のさらにエンドロール後の映像をどう解釈するか、などを巡る考察が国内外のファンにより活発に行われている。これらを読んでいると、ファンたちがいかに作り手の意図やコンテクストを読み解こうとしているのかがよくわかる。この姿勢は、映像コンテンツに関わるものとして、時として尊敬に値する。ストーリーに関してはネタバレになってしまうから発言を控える。是非観てほしい。
「ネタバレ?え?全然興味ないから別にいいんだけど」とか、いわないでほしい。きーーーっ。この作品は既に、海外にも相当広まっている。あらゆる言語に翻訳されて。その方法については、あえて言わない。
さて。ここまである一部のファン(アニメ)をとりこにするのは、このTV放映されたコンテンツが極めてアニメを見慣れたファンを満足させるほどの専門性がありクオリティの高いものだったからだと思う。
ネットがこれだけ普及して、youtube、ニコ動、ustrea、オンデマンド配信などありとあらゆる形で動画を楽しむことが出来るようになりおびただしい数の選択肢が増えてしまった昨今、テレビは厳しい現実を突きつけられている。いわゆる見たいものだけ見る時代。世間一般において世代や立場を超えて共有できる価値観や概念が著しく減ってきている。
みんなが「8時だよ!全員集合」や「ひょうきん族」をみていたり、プロ野球のTV中継が高視聴率をたたき出していたあの頃とは違うのだ。
職場において
「この難局をどう乗り切っていくかは、2アウトでほら、満塁策をとって...(あーだこーだ)」
など上司に言われたところで、野球のルールすら知らない部下は、「はぁ?(ぽかん)」の時代だ。
2011年7月24日アナログ放送終了を期に、「この際テレビなんて買う必要ないかな。」などと思っている人が世の中にはたくさんいるらしく、一般の、それも特に若者層のテレビ離れに拍車をかけるらしい。
でも、最近テレビの可能性を感じることがある。
それは専門性のある質の高いコンテンツの出現。
先に書いたアニメのほかにも、最近ちょくちょくみられるバラエティ番組のスタイルがそうだ。「タモリ倶楽部」的な番組がNHKでも作られ始めた。また、AKB48や、EXILEがメインで出演するレギュラー番組などは、そのファンだけは確実に見たくなるようなマニア向け内容になっている。いわゆる幅広いターゲットが楽しめる高視聴率番組を作っていくよりも、それがニッチな層であっても確実にコンテンツを受け取ってくれる人に届けることが重要になってきているのではないか。予算をきっちりかけながら、ネット番組では実現できないような、ちょっと振り切れちゃってる内容は、面白くなる可能性が高い。この傾向はより強まっていくんじゃないかと思う。
最後に。携帯電話ショップとかで、白くて赤い目をしたミンクみたいな動物の手書きポップを見たら、それは、「まどか☆マギガ」に出てくるキャラ、「キュゥべえ」だ。
「僕と契約しなよ」と、契約者獲得に一役買っている。