映像翻訳の技術の習得や英語力の向上を心に誓ったものの、今の仕事が忙し過ぎてなかなか集中できない...。そんな不安の声を、少なからぬ受講生・修了生から耳にします。
その気持ちはとてもよくわかります。課題に全力を注げなかったり、時間的にどうしても講義に出席できなかったりすると悔しいですし、めげそうになりますよね。私も同じような気持ちになった経験が何度もあります。
でも、「今の職場でよく働いている人や仕事を任されている人ほど独立起業に向いている」という法則があるのも、一つの事実です。
そこで、近い将来、本気で独立を考える人にぜひこんなアドバイスをしたいと思います。
目の前の仕事に専念する日々の中にあっても、「常に新しい職能について考えている、イメージしている」ということを心掛けて下さい。
継続こそ力なのです。それは、本業に支障があるほど強く、大胆である必要もなく、かといって、気晴らしや現実逃避ではなく、頭の一部分ででもいいのでゆっくりと、ロジカルに、自分を信じて、根気強く継続するのがコツです。決して無理をしたり、今の境遇にストレスを感じてはいけません。
そのようにして映像翻訳という職能に向き合い、学校との関わりを保ち続けてくれた修了生がデビューしていく姿を見ると、私はこの仕事を選んでほんとうによかったと思えるのです。
忙しい人、応援します。(了)
※このコラムは、2003年9月の「Tipping Point'Vol.9」に加筆修正を加えたものです。