【written by 扇原 篤子（おぎはら・あつこ）】人が大好き。大勢人が集まる市場や食堂も大好き。人間臭い魅力に溢れる場所をこれからどんどん紹介していきたいと思っています。"人間ばんざい！"当ブログマガジン「Chewing Over」で「やさしいHAWAI'I」連載中。
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イーモウ監督の2000年ベルリン映画祭 銀熊賞を受賞した「初恋のきた道」は、心にいつまでも残る初恋の切なさをしみじみと謳い上げている。この映画の舞台は、冬は一面雪に包まれる厳寒の中国北部。美しい自然を背景に、小さな村で繰り広げられる初恋の物語だ。可憐で初々しいヒロイン・ディを演じているのはチャン･ツィイー。都会から来た若い教師に恋し、その思いを伝えようと一生懸命料理を作る。ある日その若い教師が突然町に帰ることになった。それを知ったディは、思いを込めて作った蒸し餃子を青花が描かれたどんぶりに入れ、教師が乗っている馬車を必死に追いかけていく。中国の広大な大地に果てしなく続く１本道を泣きながら走るディが転んだ瞬間、地面に落ちて割れた瀬戸のどんぶりから、餃子が転げ出す。
「味坊」の餃子は、そんなディの餃子を思い出させる。ＪＲ神田駅から秋葉原方面に向かい、ガード沿いに歩いていく。神田ふれあい商店街と称する、高架下に立ち並ぶ店の中に「味坊」はある。中国東北地方の家庭料理を専門とするこの店の料理は、どれも質素だが味わいがある。「水餃子」のほかに、一般的な焼きビーフンや酢豚もあるが、「じゃがいもの家庭風炒め」、「干し豆腐の冷菜」「餅細切りと野菜炒め」など、干しあわびやふかひれなどとは縁がないような、家庭の惣菜料理がメニューに並んでいる。店内は１階は厨房のほか10席ほど。２階はおよそ20名くらいは入れるだろうか。決して自己主張しない、ひっそりとたたずむ店だが、物静かに片言の日本語を操る店員とのやりとりには、家庭の温かさを感じる人肌のぬくもりがあった。
★お店情報★
店名：味坊
ジャンル：中国東北地方の料理がメイン
電話番号：０３－５２９６－３３８６
住所：千代田区鍛冶町２－１１－２０ １Ｆと２Ｆ
交通手段：ＪＲ神田駅徒歩３分
営業時間： [月～金]11:00～14:30 17:00～23:00 土曜は11:00～14:30のみ
定休日：日曜 祝日
【written by 富辺 英子（とんべ・えいこ）】目指すは、オシャレ女子的カラダに優しい食生活。しかし一番の好物は子供の頃から変わらず'鶏のから揚げ'という嗜好だけに、不惑の日はまだ遠い。
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月９ドラマに台湾人女優リン･チーリンが出演していましたね。そんな彼女がCMに起用されている旅行ブランドの発表会で、勉強中だという日本語でインタビューに挑戦していました。言葉を選びながら丁寧に受け答えする姿にとても好感が持て、久しぶりに上質なものを見たなぁという気分です。やっぱり中国とか韓国の女優さんは、雰囲気があってキレイですね。言葉や文化の違いが、美しいベールのような役割を果たすのでしょうか。ただ同じ異文化でもハリウッド女優にはベールの存在を感じないんですよね。ハリウッド仕込みの変幻自在のダイエット術と地獄のエクササイズがどうしても見え隠れしてしまうのです。そういうド迫力な美しさへの追求ではなく、｢身体を温めてくれる○○を食べてます｣みたいな東洋的美容法がやっぱりしっくりくるというかホッとします。
ＪR神田駅から徒歩７分のところにある｢吉祥 ～チャイニーズ ダイニング～」は美肌効果のあるフカヒレが自慢の店。手っ取り早く美味しく美肌の素･コラーゲンがチャージできます。『ぐるなび』ホームページによるとフカヒレのほかに、北京ダックVS鉄鍋餃子の２強対決を謳っています。この対決は、
『チューボーですよ』で"街の巨匠のお店"として水餃子が紹介されたり、名物の鉄鍋餃子で『どっちの料理ショー』にも出演したという経歴からでしょうか。それにしても北京ダックといえばいわゆる高級中華。対するのが庶民の味方のギョーザ、とは対決として少々不利なようにも思えます。そこであえてこの対決を軍勢数十万対五万ともいわれた"赤壁の戦い"に例えてみることにしました。
リン･チーリンの代表作でもある、ジョン･ウー監督作品の『レッドクリフ』。三国志のなかでも歴史に名高い"赤壁の戦い"を映画化したものです。"赤壁の戦い"は巨大な帝国の支配者である曹操VS劉備･孫権の対決。敗戦続きの劉備と経験の浅い孫権がタッグを組み大物に挑みます。軍勢の数に大差があり、条件上は曹操が間違いなく勝てる戦でした。にもかかわらず天才軍師や忠誠心の厚い将軍の活躍により、劉備･孫権軍が勝利するのです。これで北京ダックVS鉄鍋餃子の勝負の行方もわからないというものです(笑)。ちなみにギョーザ的扱いをするわけではないですが、劉備も庶民に愛された君主だそうです。
★お店情報★
店名：吉祥 ～チャイニーズ ダイニング～
ジャンル：中華
住所：千代田区神田須田町1-2-1 第二萩野ビル1Ｆ
電話番号：03-3252-2260
交通手段：地下鉄丸ノ内線淡路町／都営新宿小川町駅 徒歩1分
ＪＲ神田駅 徒歩7分
営業時間：ランチ 11:00～15:30／ディナー 17:00～23:30(L.O.23:00)
定休日：土曜
【written by 松澤友子（まつざわ・ともこ）】旅行と食べることが好きで、色々な国で現地の料理を食べてきました。危険を顧みずに様々な料理に挑戦し、痛い
目に遭ったことも数知れず...。それでも、未知なる味を求めて、食への探求心が尽きることはありません。
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本日ご紹介するお店は、台湾気分が満喫できる、「神田台湾屋台 海老寿」です。台湾は東京から飛行機で約4時間、大阪からなら約3時間（東京・大阪→台北）。訪れたことがある人も多いでしょう。
台湾には宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」（2001年公開）にインスピレーションを与えたと言われる場所があるのをご存じですか？ 九份（きゅうふん）と呼ばれる山間の街で、階段や坂道の両側に所狭しとお店が並び、軒先からは赤い提灯が下がり、懐かしい雰囲気が漂っています。そのイメージが活かされているのが、千尋の家族がトンネルを通り、迷い込んでしまった不思議な世界。千尋の両親は、その世界にある店の料理があまりにも美味しそうだったため、勝手に食べてしまいます。
「神田台湾屋台 海老寿」は、神田駅から徒歩5分程度の
オフィス街にあります。赤を基調としたお店には提灯が飾られ、雰囲気は台湾そのもの。1階にはテーブル席があり、時期によっては屋外でも食事が出来るため、屋台気分が味わえます。また、大人数での宴会には2階がおすすめ。大きな円卓もあり、個室として2階を貸し切りにすることもできます。メニューも豊富で、どれもシンプルな台湾料理ばかり。定番の空芯菜の炒め物や大根もち、熱々の石焼きマーボー豆腐など、おすすめ料理がたくさんあります。お店の方は一見無口そうに見えますが、料理の説明を丁寧にしてくださり、とてもフレンドリーです。お酒好きな方には、中国ビールや台湾ビールを始めとして、果実酒や紹興酒も充実していますよ。
台湾に行ったことがある方もそうでない方も、神田で本場台湾の味と雰囲気を満喫してみませんか？
★お店情報★
店名：神田 台湾屋台 海老寿
ジャンル：中華
電話番号：03-3254-9229/ 03-3254-2902
住所：千代田区神田多町2-5
交通手段：ＪＲ神田駅 西口 徒歩3分
地下鉄銀座線神田駅/地下鉄丸ノ内線淡路町駅
地下鉄都営新宿線小川町駅 いずれも徒歩3分
営業時間：ランチ 11:30～14:00/ ディナー 17:00～23:30(L.O.22:30)
定休日：日・祝 （年末年始・夏期盆休）
【written by 鈴木純一（すずき・じゅんいち）】 映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
また、日本映像翻訳アカデミーのサイトでコラム「気ままに映画評」を書いています。
http://www.jvtacademy.com/blog/kimama/-----------------------------------------------------------------------------------------
地下鉄の神保町駅から出てすぐのところに「さぼうる」は
ある。山小屋のような、ほんのりと暗くて隠れ家のようなお店だ。「さぼうる」は"サボる"の意味ではない。スペイン語で"味"という意味だ。店名の「さぼうる」と「さぼうる2」の二店舗が隣接して建っている。お茶だけ飲むなら「さぼうる」に、食事もする場合は「さぼうる2」に行くようになっているらしい。今回は食事もしたかったので、「2」に行ってみた。
「さぼうる」のほうは映画『東京日和』で、竹中直人と松たか子が会話をするシーンで登場したお店である。映画では、たしか松たか子がクリームソーダを飲んでいたので、自分もクリームソーダを頼む。食事は何を頼もうと思ってメニューを見ると、"ナポリタン"という文字が。ナポリタンなんて久しく食べていないなと思い、「ナポリタンください」と頼んだ。まずクリームソーダが来る。最後にクリームソーダを飲んだのはいつだったかなと考えていたら、キッチンからスパゲティを"ジューッ"と炒める、おいしそうな音がしてくる。そしてナポリタンが運ばれてきた。ナポリタンは皿に山がそびえるような盛りである。その山を崩さぬように、フォークでそっと食べ始める。ケチャップがよく絡んだ細めのスパゲティはもっちりと柔らかく、マッシュルームと玉ネギ、ベーコンという定番の具が入っている。おいしい。でもナポリタンの山はなかなか減らない。途中でパルメザンチーズを投入して味に変化をつけ、
そして最後にタバスコも参入させてナポリタン山を制覇した。そして、ナポリタンに気を取られていてクリームソーダの存在を忘れていたのだった...。ナポリタンはこのボリュームで650円とお得。ちなみにクリームソーダは580円である。ナポリタンはこの店の人気メニューらしく、周りのお客さんでもナポリタンを頼んでいる人が多かった。
神保町は古本屋が並ぶ街でもあり、岩波ホールも近くにある。古本屋をのぞいたり、映画を観たついでに訪れるのにオススメのお店だ。
★お店情報★
店名：「さぼうる」 ジャンル：喫茶、軽食
電話番号：03-3291-8404
住所：千代田区神田神保町1-11
交通手段：地下鉄神保町駅 徒歩１分
営業時間：9：00～23：00
定休日：日曜日
店名：「さぼうる2」
電話番号：03-3291-8405
住所：千代田区神田神保町1-11
営業時間：8：30～23：00
