ミクスチャー食堂2

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第19回:笑い飯・哲夫先生に仏教を学ぼう!
2011年06月10日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】4月スタートのドラマが佳境を迎える時期。今回は珍しくあちこちつまみ食いしながら見ています。ちなみに日曜夜は『JIN -仁-』ではなく、『マルモのおきて』チョイス派です。
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19-1.jpg『アメトーーク!』(テレビ朝日)の「家電芸人」に代表されるように、テレビや舞台などで芸人さんが自分の得意分野について語る機会がよくあります。最近はオリエンタルラジオの藤森さんが早稲田大学の恋愛学講座にゲストで招かれるなど、大学の講義で芸人さんが話すこともあるようですが、先日行われた東京大学の学園祭「五月祭」には笑い飯の哲夫さんが登場。イベント『笑い飯 哲夫のおもしろ仏教講座』で仏教にまつわる知識を披露しました。
当日はあいにくの雨模様にもかかわらず、会場は現役東大生を含む約550人で満員。立見も出るほどの盛況ぶりでした。

幼い頃から般若心経を写経し、いつしかスラスラ書けるようになっていたという哲夫さん。今でもネタ作りをしているとき、アイデアに詰まると、とりあえず手だけでも動かしておこうと写経を始めるのだそう。Wボケが持ち味の漫才とは正反対の行動だったため、芸人仲間にはたびたびイジられることになってしまいましたが、これで哲夫さんが仏教に詳しいことが知られるようになり、『えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経』(ヨシモトブックス)、『見たら必ず行きたくなる 笑い飯哲夫のお寺案内DVD~修学旅行でなかなか行けない奈良のお寺編~』(よしもとアール・アンド・シー)と、仏教関連の本とDVDを手がけることへとつながりました。

19-2.jpg今回の東大の講義は、それらの中で登場する話も含めたいわば「仏教入門編」といった内容。仏像にはランクがあるという話や、ブッダに乳がゆを作った女性の名はスジャータといい、コーヒーフレッシュでお馴染みの商品と同じ名前とか、五重塔は実はブッダのお墓であるといったエピソードを分かりやすく解説してくれました。途中には、何をされても動じないことの例えに鼻フックが出てきたり、普通よりサイズが長めの黒板消しを気に入ってムダに使ってみたりと、芸人さんらしく笑いも交えながら話してくれましたが、約1時間の講義は一切よどむことなく進行。その様子はまさに「立て板に水」でした。

ちなみに哲夫さんは、7月15日にEテレ(NHK教育テレビ)で放送予定の特別番組『コレヤバっ』に出演し、中学生の質問や悩みに答えるのだとか(https://www.nhk.or.jp/koreyaba/)。番組の告知の中では「お笑い芸人きっての仏教哲学者、笑い飯・哲夫さん」と紹介されているので、仏教的な考え方をベースに話を進めるのかもしれません。

東大の講義でも「哲夫先生」という、普段聞きなれない呼ばれ方をされていましたが、Eテレでは「仏教哲学者」!仏像はランクが上がると煩悩の数が少なくなるそうですが、哲夫さんの場合はどんなに偉そうな敬称をつけられても変わらずボケを挟みこみ、煩悩全開でふざけてくれそうな気がします。そんなふうに敷居が低ければ、仏教にあまり興味がなくても、「ちょっとのぞいてみようかな...」という気持ちになれるはず。みなさんも哲夫先生の下でサラリと仏教を学んでみませんか。