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We are not alone.
謎に包まれた夏の大作『SUPER 8/スーパーエイト』の予告編!

2011年06月02日

【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】自分のオススメの映画を人に言うと、「それって怖いの?」と聞かれます。別に怖い映画ばかり観ているわけではないのに...。最近観た映画でオススメなのは『ブラック・スワン』。これは面白い!そして怖かった! ...え、何か?
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毎年夏になると、大作映画が数多く公開される。今年の夏の映画で注目したいのは『SUPER8/スーパーエイト』。だって映画の巨人スティーヴン・スピルバーグが製作、人気テレビドラマ『LOST』(2004~2010年)や『FRINGE/フリンジ』(2008年~)のクリエーターであるJ・J・エイブラムスが監督を務めるのだ。この2人がタッグを組むのだから期待するなという方が無理というもの。しかし『スーパーエイト』はストーリーなどの情報はごく少なく、まだ全貌が明かされていない。判明しているのは、この作品がスピルバーグの初期の監督作品『未知との遭遇』(1977年)と『E.T.』(1982年)へのオマージュを込めているということ。そして、タイトルの"エイト"が8ミリフィルムを意味しているということ。今回は、そんな秘密のベールに包まれた『スーパーエイト』の予告編を紹介したい。

舞台は1979年。予告編は少年ジョーが自転車をこぐ場面から始まる。
ジョーは友達のチャールズたちと8ミリカメラで映画を撮っているが、ジョーの父親は息子に言う。
「お前の友達はいい連中だ。だがあの頃とはもう違うんだ」
ここでジョーの母親らしき女性を撮ったフィルムが登場するが、おそらく今の彼に母親はいない。『E.T.』の主人公はシングルマザーの家庭だったが、どうやら『スーパーエイト』は逆の設定らしい。また、ジョーの姿は、少年時代に8ミリカメラで映画を撮り始めたというスピルバーグを連想させる。

「アクション!」映画の撮影が始まろうとするその時...撮影現場の近くを走る貨物列車が爆発し、炎上。ジョーたちは逃げ出すが、彼らの8ミリカメラはその事故の原因となる何かを捕らえていた。しかし、この事故についてテレビのニュースは「列車が何を積んでいたかは不明」と報道。不穏な空気を感じたジョーたちは、事故を目撃したことを口外しない約束をする。...そういえば、『未知との遭遇』では模型の列車が衝突して脱線するシーンがある。『スーパーエイト』の列車事故はその場面を想起させる...というのは考えすぎか。

そして、平和だった町に軍隊が大挙して現れ、不穏な雰囲気がいっそう高まる。真相を知りたい市民に対し、軍隊は「知る必要はない」の一点張り。謎はさらに深まるのだが、このシーンで思い出すのは、J・J・エイブラムスが製作した『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008年)だ。『クローバーフィールド』は、突然ニューヨークに現れた怪物から逃げる人々の姿を描いた映画である。この映画では怪物が現れた理由などは明かされなかったが、軍や政府は理由を知っていても、一般市民には明かされない事実は多いのかもしれない。なので映画で政府や軍隊の偉い人が「知る必要はない」と言う時は、何か隠している可能性が高いので注意しましょう。

さて、『スーパーエイト』の予告編では、さらに奇妙な出来事が続く。町中の犬が逃げ出し、さらに9人の住民が行方不明になるのだ。そして、何かを見たと訴える男も登場。彼の話は誰にも信じてもらえないが、ジョーだけは「僕は信じるよ」と答える。『E.T.』でも主人公の少年の勇気と信じる心が描かれていたので、このセリフも共通点だと言える。

予告編はチャールズの「何だこれは!?」で終わるのだが、観ているこっちも「何だこれは!?」と言いたくなるぐらいの謎だらけ。それでも内容を想像するに、『スーパーエイト』は『未知との遭遇』と『E.T.』のような地球外生物との交流、そして『クローバーフィールド』のスペクタクル、そして子供たちの青春物語として『スタンド・バイ・ミー』(1986年)のノスタルジーを加えた作品になっているのではないか、と思う。

『未知との遭遇』公開時の宣伝コピーは「We are not alone(我々は独りではない)」だった。この宇宙には、人類以外のものが存在するという意味だ。7月に公開されるスピルバーグ製作総指揮の『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011年)の予告編でも、「We are not alone」というセリフが登場していた。数々のSF映画で人間以外の存在が描かれており、我々は独りではないのだ。『スーパーエイト』も今までに観たことのない、"未知なる映画との遭遇"が出来るのではと期待が高まる。

秘密のベールに包まれた『スーパーエイト』の公開を楽しみに待っている。

今回注目した予告編


★『SUPER 8/スーパーエイト』
監督:J・J・エイブラムス
製作:スティーヴン・スピルバーグ
出演:カイル・チャンドラー、エル・ファニング、ロン・エルダード、ノア・エメリッヒ
2011年6月24日より公開
公式サイト:http://www.super8-movie.jp/