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第24回:『IPPONグランプリ』だけじゃない!大喜利には『ダイナマイト関西』がある!!
2011年10月28日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】近の私:今回の『IPPONグランプリ』、影のMVPは、観覧ゲストの渡部豪太さんでしょうね。やたら真面目な感想を言おうとするその様子は面白くもあり、好感も持てました。アジダス~!
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週末に放送された『IPPONグランプリ』(フジテレビ)。決勝にはネプチューンの堀内健さんと「世界のナベアツ」改め桂三度さんが残り、堀内さんが一方的な戦いで「珍味対決」を制するという思いがけない結果になりましたが、今回も千原ジュニアさんの「景観をそこねる?オレがか!」(お題:写真で一言)、有吉弘行さんの「こういうんじゃないんだよな」など、記憶に残る回答、名言が飛び出す見ごたえのある大会でした。

こういう「大喜利」はライブでよく行われており、人気のイベントになっているものもあります。その最たるものは『ダイナマイト関西』でしょう。『キングオブコント2008』の覇者、バッファロー吾郎が主宰するイベントで、もともとは2人の「おもろいから売れるのか?売れたからおもろいのか?」という疑問から始まったと言います。芸人さんは面白いからこそ売れるはずなのに、必ずしもそうとは限らない。それなら自分たちで最強の芸人さんを決め、その人が売れればしっくり来るはず、ということで『ダイナマイト関西』はスタートしました。

第1回大会が行われたのが99年。大阪のライブハウスで始まったイベントは、今では収容人数2000人規模の会場で行われる大会に。出場者も当初は吉本の芸人さんだけでしたが、ほかの事務所に所属する芸人さん、そしてライター、漫画家、俳優、さらにはプロレスラーなど、他ジャンルからも参加する大会となっています。

先日の『IPPONグランプリ』に出場していた、チュートリアル・徳井さんも『ダイナマイト関西』にたびたび出ており、「祇園の若旦那」というキャッチフレーズにふさわしい、ちょっと切なかったり、余韻が残ったりするような回答が特徴です。今回の「どのみち勢いで始めた仕事だから...」(お題:中村吉男さんが番台を引退する理由は?)「あの子なりに楽しんでいるんです」(お題:カルタの読み札)も私としては相当好きでした。それから、S的な答えが持ち味(笑)のバナナマン・設楽さんも、相方の日村さんと共に『ダイナマイト関西』に出場した経験があります。そのときは2人とも勝ち進み、準決勝ではバナナマン対決になりました(結果は日村さんの勝利)。

しかし、『ダイナマイト関西』で忘れてならないのは、やはりケンドーコバヤシさんでしょう。持ち前のバリトンボイスと得意の絵をまじえて数々のホームランを放ち、優勝経験もあるコバヤシさんですが、一方で危うく自滅しかけるという過去も。2006年の『ダイナマイト関西2006~オープントーナメント大会~開幕戦』では、麒麟・川島さんを相手に勝利を目前にしながら自らの下ネタでポイントを失い(笑)、サドンデスになるという波乱がありました。大阪で見たこの試合、コバヤシさんがイスから崩れ落ちる姿は今でも忘れられません。さらにコバヤシさんはプレーヤーとしてだけでなく、解説席でも活躍。バッファロー吾郎・竹若さんを毎回、「若竹さん」と呼び、「問題チェンジ」の声がかかると「モンチェン」と言うのはもはやお約束であり、見に行く人たちの楽しみのひとつでもあります。

バッファロー吾郎・木村さんは、『ダイナマイト関西』をいつか大晦日にテレビで放送される大会にしたいと話していました。『IPPONグランプリ』のようにグループごとではなく1対1の戦いのため、2人の回答を待つ間には会場が静けさに包まれる場面もあり、初めて見る人は少し戸惑うかもしれません。でも、息を呑む戦いの中で笑いの技が繰り出され、張り詰めた空気の会場に一気に爆笑と拍手が起きるその様子はまさに格闘技。実現すれば、日本中の茶の間が笑いの戦いに注目し、ツイッターは『ダイナマイト関西』祭りになるでしょう。

『ダイナマイト関西』の過去の大会は、現在、DVDでも見ることができます。『IPPONグランプリ』とはまた違う、大喜利の面白さを是非ご覧ください!