第26回:『THE MANZAI 2011』で「マンザイ、楽しい~っ!」を知る
2011年12月22日
【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。【最近の私】今年も毎年恒例、関ジャニ∞のコンサートに参戦!今までより演出が派手になり、彼らを取り巻く状況の変化を感じたりもしました。ただ、ご本人達はこれまでどおり、オモロかっこいい兄ちゃん達でありつづけているのでしょう。楽しくて、ちょっと感動的な3時間でした。
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先日行われた『THE MANZAI 2011』(フジテレビ)。パンクブーブーが『M-1グランプリ』での優勝に続いて2冠を達成するという結果になりましたが、この大会は審査や戦い方のシステムだけでなく、さまざまな点で『M-1』とはまた違った楽しさがあったように思います。
一番大きな違いだったのは、『M-1』のようなヒリヒリした緊張感がなかったこと。私はこの大会も予選から見ていたのですが、『M-1』では芸人さんはそれぞれ漫才をするだけだったのに対し、『THE MANZAI』は決勝進出者を決める本戦サーキットから、全組のネタが終わった後に当日出演したすべての芸人さんが登場。その日のMCを中心にトークをするわけですが、2700のツネさんとダイノジ・大地さんが「右ひじ・左ひじ」のバトルをするノリが生まれたり、「漫才の大会なのにコントをしていた」と小道具を使うネタを披露したグランジがいじられたり、流れ星のちゅうえいさんが突然、一発ギャグをやったり、といった感じで、毎回、終始なごやかでした。
決勝でもその雰囲気は継承され、オープニングでは大会最高顧問のビートたけしさんがちょんまげ姿の病人で登場し、最高顧問不在中は、爆笑問題のお2人を(しかも、ネズミの格好で「爆チュー問題」になっていた2人を)別のスタジオから強制的に連れてくるなど、漫才以外のところにも楽しさが盛り込まれていたように思います。先日の『おかっちMC』(フジテレビ)で千鳥のノブさんが「登場のとき、東京ではあまり知られていない自分たちの漫才さえも盛り上げようとするスタッフさんに救われた」と言っていましたが、この大会は、「楽しさの中の真剣勝負」を目指していたのかもしれません。
それから、視聴者が審査に参加できるという「国民ワラテン」ですが、始まる前は正直、あまり期待していませんでした。でも、実際やってみたらこれが意外と楽しい。面白かったところでワラテンボタンをクリックしながら見ることで、より漫才に入り込めるような気がしたし、おかげで結果に一喜一憂することができ、それがまた「今後もこの芸人さんを応援しよう」という気持ちにつながって行きそうな気がします。
ちなみに、私の中のワラテン最高得点をたたき出したのは、たぶんテンダラーではなかったかと。必殺仕事人の役をやってみたいという漫才でしたが、刀を忘れたり、別の仕事人が出てきたりと、いろんなパターンのボケが繰り出され、本戦サーキットでも見ていたネタなのに涙が出るほど笑ってしまいました。途中からは、ボケの浜本さんが「♪タカター」と仕事人登場の曲を歌いだすだけで笑えてしまい、もはやパブロフの犬状態(笑)。久しぶりに、ハマーダンスも見られて大満足でした。
そんなこんなで、一時は開催さえ危ぶまれた『THE MANZAI』でしたが、きっと来年も行われることを願っています。そしてまた、何度も挫折したり、やめようと思ったりした芸人さんたちにスポットライトが当たるきっかけになってほしいと思います。