【予告編コラム】 ジャッキー・チェン最後のアクション超大作!
『ライジング・ドラゴン』の予告編
2013年04月12日
【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。【最近の私】4月から、弁当を持って出勤するようになりました。今まで映画雑誌ばかり読んでいたのに、最近は弁当の特集記事が載っている雑誌にも関心があります。
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最近のハリウッドのアクション映画では、ベテラン俳優勢の活躍が目立っている。例えば『ダイ・ハード/ラスト・デイ』のブルース・ウィリス、『エクスペンダブルズ』のシルヴェスター・スタローン。さらにアーノルド・シュワルツェネッガーも『ラストスタンド』で政界から俳優にカムバックを果たした。
一方、アジアのアクション映画で活躍している俳優といえば、ジャッキー・チェンを思い浮かべる人も多いだろう。昔、ジャッキーは「35歳になったらアクション映画には出ない」と言っていたが、その彼も現在58歳。予定より20年以上も長く出続けてきた。しかし、そのジャッキーがついに自らの体を張るアクションから引退するという。今回は、そんな彼の最後のアクション超大作『ライジング・ドラゴン』の予告編を紹介したい。
本作は『サンダーアーム/龍兄虎弟』『プロジェクト・イーグル』に次ぐ、アジアの鷹シリーズ第3弾。予告編は「伝説の男が帰ってくる!全世界でメガヒットを記録。ジャッキー・チェン最後のアクション超大作、ついに日本上陸」というテロップから始まる。今回ジャッキーが演じるのは、トレジャーハンターで"アジアの鷹"と呼ばれる男、JCだ(JCってジャッキー・チェンのイニシャルか?)。
JCに与えられた任務は、世界に散らばる十二支の秘宝を手に入れること。彼が率いるチームの一員に扮しているのが、韓国の俳優クォン・サンウだ。そういえばクォンは『青春漫画 ~僕らの恋愛シナリオ~』でジャッキー・チェンに憧れる大学生を演じていた。ジャッキーつながりとして順当なキャスティングだろう。
さて、JCと仲間たちはアジア、ヨーロッパ、南太平洋を舞台に活躍。海賊も登場するのだが、あまり危険な感じがしない。JCチームのメンバーは誰も死なないと思わせるような、健全な空気が漂っているのだ。例えるなら、『グーニーズ』みたいな感じである。
しかし後半は、JCがローラーブレード・スーツを着て危険度の高いチェイスを展開!ジャッキーは『バトル・クリーク・ブロー』『五福星』でローラースケートを履いてアクションを披露し、『スパルタンX』ではスケートボードを乗りこなしていた。よほどローラー付きの道具が好きなのかと思ってしまう。続くシーンでも、傘やソファなど、身の回りにある物を使ってアクションを繰り広げ、健在ぶりをアピール。そしてさらには、『サンダーアーム』の崖からジャンプするラストシーンを連想させるような、火山へのスカイダイビングも!予告編だけを見ていると、『ライジング・ドラゴン』は今までのジャッキー映画の面白いところを集めた、集大成のようである。
予告編の最後には、ジャッキーの吹き替えといえばこの人、石丸博也が「吹き替え版もあるよ!俺、ジャッキーの声を劇場で聞いてくれよな!」と声の出演。テレビで放送された吹き替えのジャッキー映画を観て育った者には、うれしいサプライズだ。字幕と吹き替えのどちらで観るか迷うところだが、そんな時、石丸ジャッキーならこう言うだろう。「両方とも観てくれよな!」。
今回注目した予告編
★『ライジング・ドラゴン』
監督・製作・脚本・主演 ジャッキー・チェン
出演:クォン・サンウ、ジャン・ランシン、ヤオ・シントン
4月13日より公開
公式サイト:http://www.rd12.jp/pc/