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「ボンクール」:舌と心で味わいたいパン
2010年10月22日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。当ブログマガジン「Chewing Over」で「ミクスチャー食堂2」連載中。
http://www.jvtacademy.com/blog/co/mixture/
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映画やドラマでフランスパンを食べているシーンというと、きちんとナイフでスライスして味わうより、手でちぎってほおばったり、頭からガブリと食いついたりしていることのほうが多いように思う。昨年、アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した『おくりびと』にも、フランスパンを食べる場面が出てくる。本木雅弘が演じる主人公・大悟が妻のいない家で1人、夕食を取るのだが、そこで彼はなんとフランスパンに刺身をのせて食べていた。だいぶ前に、イタリア人の男性は妻が長く留守をしている時、冷凍したトマトソースを解凍せずにそのままパスタにかけてしまう(のせてしまう?)という話を聞いたことがあったが、大悟も妻がいない間は空腹さえ満たされればいいという気持ちだったに違いない。

bon5.jpgしかし、JR新日本橋駅に近いベーカリー「ボンクール」のフランスパンは、そんな食べ方をきっと許してくれないだろう。女性を意識し、味にも見た目にもこだわった食事パンや季節のフルーツを使った菓子パンを多く扱うこの店では、フランスパンも丁寧に焼き上げられており、「バゲット」という名で親しまれている。近所の飲食店のスタッフらしき人が買っていく姿を目にすることも多く、過去にはこのパンを使ったサンドウィッチがコンテストで入賞した実績もあるほど。『おくりびと』の大悟のように刺身をのせて食べるなんてもってのほかだ。外はサクサク、中はしっとりとしたフランスパンは、ナイフで厚めにスライスしてじっくり味わいたい。トーストをしてバターを塗っただけでもおいしいし、キュウリやハム、コンビーフなど、好みの食材をのせるのも楽しい。

また、ここではフランスパンを買うと保存袋をつけてくれる。袋には冷凍保存と解凍の方法が書いてあるので、翌日以降も変わらぬサクサク感としっとり感を楽しむことができる。

なお、ボンクールは日本橋の地域ブランド事業展開「日本橋美人
bon3.jpgプロジェクト」にも参加している。「身体の中から健康で美しく、伝統を身近に感じることにより培われる教養や品格を持ち、心優しく感性が豊かで真に粋(クール)な"心も身体も美しい" 女性を総称する日本橋の地域ブランド」に合わせて、同じ日本橋にある老舗和菓子店・榮太樓總本舗の餡(あん)を使ったパンや、最近、ヘルシーさで注目されている米粉を使ったパンも販売している。

地元に根ざし、味や見た目だけでなく、健康にも気を配っているボンクール。フランスパンであれ何であれ、雑にかぶりつくのは、やっぱりもったいない。お店の人たちのアイデアやまごころも一緒に、しっかり味わって食べたいものだ。

★お店情報★
店名:ボンクール
ジャンル:ベーカリー
住所:〒103-0022 中央区日本橋室町4-3-12
電話番号:03-5201-3811
交通手段:JR新日本橋駅 徒歩3分
営業時間:平日 7:30AM~8:00PM 土 8:00AM~6:00PM
定休日:日曜・祭日