観たり 聴いたり 食べ歩いたり

Chewing over TOP » 観たり 聴いたり 食べ歩いたり » 「ゑ~もん」:手作りのおでんを食べる

「ゑ~もん」:手作りのおでんを食べる
2010年11月05日

【written by 落合佑介(おちあい・ゆうすけ)】食べることは生きること」がモットー。『神田グルメディア倶楽部』に入部して、食べ歩きを何時間でも続けられる自分を発見した。食への探求心は尽きず、どこかに面白そうな店はないか、と考え日々生きている。
-----------------------------------------------------------------------------------------

今年の夏は本当に暑かった。10月になっても20℃を超える日が少なくなかったほどだ。にもかかわらず、コンビニでは9月上旬からおでんが売れていたそうだ。インターネットで調べると、気温が高くても、体感温度が下がればおでんを食べたいと思う人が多くなるらしい。確かに最近、おでんが無償に欲しくなるときがある。

CIMG2351.JPGおでんが出てくる映画は数多くあるが、個人的に一番好きなシーンがあるのは邦画「黄泉がえり」だ。九州阿蘇地方のある地域で突然、大勢の死者が蘇った。それも死んだ当時の姿のままで、何事もなかったかのように人々のもとへ帰ってきた。最愛の夫、兄弟、恋人、自殺してしまった同級生。人々は蘇った死者に生前伝えられなかった想いを告げ、共に時間を過ごすが、やがて死者と別れの時がやってくる。大切な人への儚く切ない想いを描いた映画だ。印象的に残ったのは主人公の平太が幼なじみの葵とおでんを食べるシーンだ。二人は「あいつさ、変な奴だったよな」と、居酒屋でおでんをつつきながら、亡くなった親友の思い出を語り合う。演技ではなく、素のようなやり取りが心に残った。心が温まる場面とおでんがマッチして記憶に残ったのだろう。

コンビニのおでんもいいが、どうせならおいしいのを食べたい。そう考えて店を探すと、おでんがメインの居酒屋「ゑ~もん」をみつけた。手作りのおでんが食べられるらしい。「おでん?ちょっとオッサン臭いよね」と入りづらいイメージがあるかもしれないが、今回行った「ゑ~もん」はお洒落な内装で、とても綺麗。個室もあって女性だけの宴会にも使えそうだ。

CIMG2361.JPGしかし、何と言ってもこの店の売りはで手作りの練りもの。「ゑ~もん」では注文してから店内で丁寧に焼いてくれるのだ。すり身は水産練り製品が全国一の生産量を誇る塩竈にある工場から運ばれてくる。実際食べてみると、普通のちくわよりもプリプリした食感だ。他にも、いわしのつみれ262円、大根262円、たまご210円、レタス294円を頼んでみた。レタスにはバターがのっている。出汁の味は濃厚すぎないので、いくらでもおでんが食べられそう。面白かったのは仙台麩294円、のりと麩の味が絶妙だった。フワフワした麩なのに意外とボリュームがある。一緒に食べたごはんセット300円のご飯が、おでんの出汁を使って炊いてあるのも嬉しい。チェーン店らしからぬ上品な味で芯から温まった。

★お店情報★
店名:ゑ~もん
ジャンル:おでん
電話番号:03-5298-8166
住所:〒101-0037 千代田区神田西福田町4 神田K-1ビル1F
交通手段:JR神田駅より徒歩4分 JR新日本橋駅より徒歩3分
営業時間:ランチ月~金...11:00~15:00 土...11:30~14:30
ディナー月~木...16:30~23:00 金・祝日前...16:30~翌2:00 土...17:00~23:00
定休日:日曜・祝日