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「やいま」:沖縄料理とインド料理のコラボはあった
2010年11月20日

【written by 樋口孝一(ひぐち・こういち)】最後の晩餐に食べたいモノが、年を取るごとに変わっていきます。昔はグリーンカレー、最近はエノキ炒め。次は何になることやら。
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IMGP8257.JPG沖縄へ旅して以来、無性に沖縄料理を食べたくなることがある。久々にその衝動に駆られ、足を運んだのが「やいま」だ。「沖縄料理とインド料理」という謎の組み合わせが気になる...。

ビルの地下に降りる。入口のシーサーや海の写真に気持ちは高ぶる。店に入るとインド人の店員に案内された。早速「沖縄とインド」だ。本格インドカレーも気になるが、まずは泡盛を(笑)、とメニューに目をやると、恐らくここにしかないであろう「泡盛ラッシー」を発見。ヨーグルトの爽やかな酸味が泡盛の風味と調和している。次に、店名の由来となった「八重山」諸島ならではの「八重山かまぼこ」。ムッチリとした歯ごたえで、ピリッとした辛さがあとを引く。さらに「島らっきょう」「スヌイアンダーギー(もずくの天ぷら)」などを堪能し、締めには「ニンニク醤油そば」。八重山風の丸くてフワッとした中太の麺に、ツナと刻みネギ、そしてニンニクの醤油漬けがのった汁なし麺だ。醤油に漬かったニンニクの香ばしさが、ふとある映画を思い出させた。「ニライカナイからの手紙」である。

竹富島の風季(ふうき)は6歳。母が東京へ行くことに
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なり、祖父(おじい)との暮らしを始める。高校卒業後、おじいの反対を押し切り、カメラマンを目指し東京へ行く決心をする。出発の日、顔を合わせようとしないおじいとの別れの挨拶代わりに、いつも食べていた「ニンニク醤油漬け」の作り方をメモして置いていく。仕事がうまくいかずに落ち込んでいた時、おじいから小包が届く。入っていたのは「ニンニク醤油漬け」だけ。無口で不器用なおじいからの「頑張れよ」というメッセージを感じた風季は、心機一転して仕事に取り組む。やがて母について知らなかった事実を知り、失意のなか竹富島へ戻った風季が、おじいと食卓を囲んでふたりでついばむのも「ニンニク醤油漬け」であった。節目節目に登場する「ニンニク醤油漬け」は、大切な人との絆を象徴している。「やいま」の「ニンニク醤油そば」を食べながら、大切な人のことを思ってみてはいかがだろう。

帰りに「サンキューね」と片言の日本語で挨拶された。「沖縄とインド」の組み合わせは謎のまま。次回はカレーも食べて、謎を解明しよう。

★お店情報★
店名:やいま
ジャンル:沖縄料理とインド料理
電話番号:03-3253-3833
住所:東京都千代田区神田紺屋町14千代田寿ビルB1
交通手段:JR神田駅より徒歩5分
営業時間:ランチタイム 11:30-14:00、夜 17:00-23:00
定休日:不定休