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「美味卵家」:ファーストフード+洋食=美味卵家
2010年11月26日

【written by 香村満理子(こうむら・まりこ)】「おうちごはん」が基本の出不精で、グルメでもメディア通でもないけれど、『神田グルメディア倶楽部』入部を機に食べ歩きに挑戦。美味しいものを食べて見聞を広めようと言う考えは、甘いか辛いか、しょっぱいか?
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JR神田駅東口の駅前。小さなお店が建ち並ぶガード下の一角に、細長い三角形のような形をした洋食屋がある。店内を縦に仕切り、半分が厨房、半分が8席のカウンター席となっている『美味卵家』は、その名の通り、おいしい卵が自慢のオムライス専門店だ。

遠い昔デパートのお好み食堂で、日の丸がはためくオムライスは「お子様」の定番メニューだった。そんなわけで、客はオンナコドモが主流かと思いきや、なんと店内はビジネスマン風の男性ばかり。オンナコドモの類は私ひとりで、いきなりアウェー感に襲われる。テーブルの隅に置かれたかわいいニワトリの置物に若干救われた気分で、厨房を眺めていると、ビジネスマンが多い理由が見えてきた。サービスがそこいらのファーストフード店や立ち食いそば店真っ青の速さなのだ。これなら「約束の時間まであと10分!」なんて場合にも栄養満点のオムライスがいただける。ハンバーガーよりヘルシーな気がするし、うどんや蕎麦より腹持ちがいい。サイドメニューを加えれば、かなりガッツリ食べた感があり、午後の部に向けてスタミナ補給をしておきたい若者のランチにもピッタリだろう。

イチ押しメニューはとろとろ半熟卵とデミグラスソースをたっぷりかけた700円のオムハヤシ。チーズやコロッケ、唐揚げなどのトッピングも追加できる。ケチャップがお好きなかたには千切りキャベツが添えられた昔ながらのオムライスもある。メニューには旬の食材も取り入れられ、季節ごとにバリエーションが楽しめるようだ。

ところでオムライスいえば、伊丹十三監督の映画『タンポポ』を思い出すかたも多いはず。半熟のプレーンオムレツをチキンライスの上に乗せてナイフを入れ、トロトロ&フワフワの卵があふれ出すあのシーンは感動ものだった。実はこのオムライスを作ったレストランは日本橋にあり、今も『タンポポオムライス 伊丹十三風』というメニューを用意している。しかしこちらは一人前2700円。庶民が気軽に食べに行かれる値段ではないのが残念である。

美味卵家では昼間のみテイクアウトも用意され、事前に電話で予約をしておけばアツアツのオムハヤシがアナタを待っていてくれる。美味くて速くて、お手頃価格。メディアにもたびたび取り上げられている美味卵家は間違いなく一見、いや一食の価値ありだ。

★お店情報★
店名:美味卵家(うまたまや)
ジャンル:洋食
電話番号:03-5294-1410
住所:千代田区鍛冶町2-13-24
交通手段:JR神田駅 徒歩0分
営業時間:平日11:00~15:00、 18:00~22:00、 土・祝11:00~15:30
定休日:日曜(月に1回、土日連休)