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「本陣房」:赤穂浪士も討ち入り前夜に食べた?
2010年12月10日

【written by 扇原 篤子(おぎはら・あつこ)】人が大好き。大勢人が集まる市場や食堂も大好き。人間臭い魅力に溢れる場所をこれからどんどん紹介していきたいと思っています。"人間ばんざい!"当ブログマガジン「Chewing Over」で「やさしいHAWAI'I」連載中。http://www.jvtacademy.com/blog/co/hawai/
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P1020527.JPG雪を踏みしめサク、サク、サク、サク、「先生!」「おお、蕎麦屋か!」

これは平成13年に亡くなった国民的歌手三波春夫の、歌謡浪曲「俵星玄蕃」の一節。赤穂浪士の討ち入りの夜、そば屋に身をやつした浪士の一人杉野十平次が、討ち入りを助太刀する俵星と雪の中で出会った場面を歌った一節だ。

赤穂浪士が討ち入り前夜、そば屋に集まり一同でそばを食した、という有名な「討ち入りそば」の話は、真偽のほどは定かではない。47人もの赤穂浪士全員が入れるような大きなそば屋は、江戸時代にはなかったとか。どうやら討ち入りの申し合わせの時間にまだ間があったため、お腹をすかした数人がそば屋に立ち寄りそばをすすった、というのが真相のようだ。

P1020526.JPG日銀通りにある「本陣房」は、本陣房グループの中で9月末にオープンしたばかりの新しいお店。店内に入ると真正面に赤穂浪士四十七士の絵が飾ってあるのは、討ち入り前夜にそばを食べた、という逸話になぞらえているらしい。メニューはと言えば、水戸納豆そば、鴨せいろ、京都聖護院にしんそば、江戸前穴子そばと、いかにもおいしそうな名が並んでいるが、京都九条ねぎおろしそばがお勧めだ。しいたけ、餅、大根おろしなどが入ったそばの上にてんこ盛りの九条ねぎ。温かいそばでも冷たいそばでも作ってもらえる。そばの香りと歯ごたえが実にいい。

そば以外にも、一品料理を数多くそろえ、各地の地酒も用意してある。試しに注文した小あじの唐揚げは、頭からしっぽまでサクサクといただけ、本当に美味しかった。場所は神田駅南口から日銀通りに入り2~3分。一度立ち寄ってみる価値はある。

★お店情報★
店名:日銀通り 本陣房
ジャンル:蕎麦、和食
電話番号:03-5200-1117
住所:中央区日本橋本石町4-5-12 友泉本石町ビル1階
交通手段:JR神田駅南口徒歩2分
営業時間:ランチ 11:30~14:30/ 17:00~22:00 (LO 21:30)
定休日:日曜・祝祭日