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【予告編コラム】 リメイクって、どうなんですか?新『ロボコップ』の予告編
2013年11月01日

【written by 鈴木純一(すずき・じゅんいち)】映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】もうすぐ『キャリー』リメイク版も公開されます。内容に不安はありますが、クロエ・グレース・モレッツのファンなので観に行ってきます。
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昨今のハリウッド映画では、リメイク映画が流行している。新しいアイディアがなければ、昔の映画もしくは海外の映画をリメイクしようというのが理由か。しかしオリジナル版が好きなファンから、比較されてしまうのがリメイクの宿命。今回は1987年に製作された『ロボコップ』のリメイク版の予告編を紹介したい。

予告編は、荒廃した近未来のアメリカから始まる。主人公は刑事マーフィ。一方、「技術革新が時代を変える」という考えが進み、科学者(ゲイリー・オールドマン)が開発したのは、人の形をしたマシン、つまりロボットだ。

ロボット開発を行う会社のCEO(マイケル・キートン)が「目玉商品が必要だ。人をマシンに入れるんだ」と発案。マシンの試作品が始まる。ここで登場する銀色のロボットは、オリジナル版のロボコップに近い形だ。

ある日、マーフィが自動車に乗ろうとしたところ、その車が爆発。マーフィは重度の火傷を負う。彼を助けるには、マーフィを機械化するしかない。そしてロボットとして生まれ変わったマーフィは叫ぶ。「俺に何をした!」

オリジナルでは、マーフィは強盗グループによって命を落とす。マーフィが手首をショットガンで吹き飛ばされ、無数の銃弾を浴び、最後に頭部を撃ち抜かれて息絶える場面は悲惨だ。だからこそロボコップとして生き返り、犯罪者を捕える彼に感情移入できたのだ。この場面を変えた点が、リメイクへの不安要素その1である。

CEOの「もっと戦闘向きにしろ。色はブラックで」のひと言で、新たなロボコップが生まれる。黒いスタイリッシュなデザインはスリムで、動きも素早くなった。しかしその姿は黒いアイアンマン、もしくは仮面ライダーだ。オリジナルの重厚で、ゆっくり動くロボットらしい無骨な姿は消えてしまった。このデザインの変更が、リメイクの不安要素その2だ。

さらにリメイク版の予告編では、マーフィが妻と息子と接するようだが、オリジナルでは、マーフィは殉死したことになっているので、妻子と会うことはなかった。だからリメイクでは、マーフィと家族の交流を描くファミリー向けになっている可能性が高い。ここが不安要素ポイントその3である。

予告編では「殺してでも連行する」のセリフや、二足歩行ロボED-209を再び登場させるなど、オリジナルへの目配せを感じさせる。しかし、『ロボコップ』はロボットになってしまったマーフィが、自身のアイディンティティを取り戻す物語を、過激なバイオレンスと社会風刺を盛り込んで描いた。その結果、ロボット刑事という、聞くだけでは子ども向けのような映画が、大人の鑑賞に堪える物語になった。

リメイクの予告編を見る限り、オリジナルの再現度が薄くなっている感じがして不安になる。オリジナルのファンに「俺のロボコップに何をした!」と叫ばれないような作品になってほしいです!

今回注目した予告編


★『ロボコップ』
監督 ジョゼ・パヂーリャ
出演:ジョエル・キナマン、ゲイリー・オールドマン、マイケル・キートン、サミュエル・L・ジャクソン
2014年新春公開
公式サイト:http://www.robocop-movie.jp/