ホラー&パニック映画の予告編、2本!『The 4th Kind フォース・カインド』&『ビッグ・バグズ・パニック』by Junichi Suzuki
2011年01月26日
ホラー&パニック映画の予告編、2本!
『The 4th Kind フォース・カインド』&『ビッグ・バグズ・パニック』
ひとひねりも、ふたひねりもある怖さとパニック
まずは12月18日公開予定の『The 4th Kind フォース・カインド』の予告編から。
「この映画は、ある記録映像と再現映像で構成されています」とテロップが出る。そして、ミラ・ジョヴォヴィッチがこちらに向って「私はミラ・ジョヴォヴィッチ。この映画で女性心理学者を演じます」と語りかけてきた。ミラは『バイオハザード』シリーズや『ウルトラ・ヴァイオレット』など、過激なホラーやサスペンス、アクション映画に数多く出演していることで知られる女優だ。
ミラのナレーションが続く。「映画は2000年10月の出来事と、その再現映像で構成されています。その映像は、かなり衝撃的です」。「観たものを信じるかどうかは、あなた次第」とも。実際の出来事を撮った映像というと、最近流行りのフェイク・ドキュメンタリー(実際に起こったように撮られた)映画なのだろうか。
フェイク・ドキュメンタリーの代表作といえば『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や、最近では『クローバー・フィールド/HAKAISHA』、『REC/レック』など。ドキュメンタリー的な撮り方はホラーやサスペンスといったジャンルと相性がいい。手持ちカメラの映像がブレたりする緊迫感が、恐怖を表現する方法として合っているからだ。
「アラスカ州ノーム 不眠者数 300人以上」とテロップが出る。2002年公開の『インソムニア』は、アル・パチーノ扮する刑事がアラスカで不眠症に悩まされる怪作を思い出した。
アラスカは、人を眠れなくする土地なのか。
実録映像と再現映像が2分割して映る。催眠療法で住民を調べるミラは問いかける。「眠れてる?眠れない原因に心当たりは?」。それに対して住民は「毎晩、真夜中に目が覚める」、「白いフクロウが見てるから」、「毎晩見てる」・・・・・・。
催眠療法の映像はさらに続く。「1まで数えたら、昨夜のあなたに戻ります」。
すると...あっ! いきなり男が叫び出してイスの上で暴れ出した!
「ノーム 行方不明者数 アラスカ州最多」。この街で何が起こっているのだろうか。
「1st kind、目撃。2nd Kind、痕跡。3rd Kind、接触」とテロップ。「接触」とくればあの映画を思い出す。スピルバーグ監督作品『未知との遭遇』だ。原題は「Close Encounter of The Third Kind(第三種接近遭遇)」で、宇宙人と人間の接近遭遇を描いていた。
ということは、宇宙人と接触した人間に異変が起こる映画なのか? 住民を見張るフクロウは宇宙人なのか・・・・・・。
あっ! 女の人の体が空中に浮かんだ! 今、確かに浮かびましたよね?!
『エクソシスト』や『ポルターガイスト』のようだ。ならば、宇宙人じゃなくて心霊現象?
予告編はショックに満ちているが、宇宙人ものか心霊現象ものかさえ判断できない作りだ。
犯人がわからないどころの騒ぎではない。詳しくは本編を観て確かめるしかない。私は必ず映画館で"接触"してきます。
2本目に紹介するのは11月28日から公開中の『ビッグ・バグズ・パニック』。
『フォース・カインド』と違って、こちらはタイトルそのままで分かりやすい。
つまり、巨大昆虫が人間を襲う映画の予告編である。
「彼の名前はクーパー。何をやってもダメな、世界一冴えない男」というナレーションで予告編劇場が幕を開けた。すると、携帯で話しながら歩いているクーパーが車にぶつかる。冴えない男というより、前方不注意な男である。
クーパーは職場の上司らしき女性に告げられる。「あなたはクビよ」。「そして、それを上回る、もっともっとビッグなトラブルが...」。クビ以上にビッグなトラブルって何だ?
あっ!クーパー!天井に大きな虫がいるゾ!
巨大昆虫がクーパーに飛びかかり、クーパーは必死で抗戦する。クーパーのその恐怖を周囲に訴えるが相手にされない。よしよし、「主人公が本当のことを必死で訴えても、誰にも信じてもらえない」のは、ホラー・パニック映画の"お約束"だ。
人々はそれが真実だと知るが、時すでに遅し。巨大昆虫の襲撃が始まった。
ちょっと気になったのが、トラックに轢かれて潰れた昆虫の体からプチュツと出る白い体液が、シェービングクリームみたいでキレイすぎることだ。『スターシップ・トゥルーパーズ』の巨大昆虫から飛び出すそれのように、緑色のグロテスクな体液の方が、個人的にはリアルで好きなのだが。
「派手に暴れてやるぜ」と果敢に宣戦布告するのは、『ツイン・ピークス』でローラ・パーマーの父親を演じたレイ・ワイズだ。今回はクーパーの父親役である。虫の弱点は視力がないことだという。(目の見えない虫が空を飛んだら、障害物にぶつかって危ないと思うのですが・笑)。1990年に公開された『トレマーズ』に登場した眼のない地底モンスターは、「地面に伝わる振動を察知して動く」という理屈があったのだが。
巨大昆虫に刺された人間も犬も、虫に変化してしまう。「地球の運命をかけて、誰も見たことのない壮絶バトルが、いま始まる。勝つのはどっちだ?」。そんなテンションの高いテロップが流れるのだが、あまり緊迫感がない空気は、『2012』を監督したローランド・エメリッヒが製作総指揮を務めた2002年の作品、『スパイダー・パニック』に近いと思った。
戦闘の最中、父親が昆虫の例の体液をクーパーになすりつける。親子コントである。
「この戦い、ムシできない!」
ダジャレ落ちは予告編ならではの楽しみだ。もちろん私はムシせずに、昆虫VS人間のバトルの結末を確認しに行くとしよう。
⇒今回注目した予告編
『The 4th Kind フォース・カインド』『ビッグ・バグズ・パニック』
★『The 4th Kind フォース・カインド』
監督:オラントゥンデ・オスミサンミ
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ウィル・パットン
製作国:アメリカ
日本公開:2009年12月18日より公開
『The 4th Kind フォース・カインド』公式サイト:
http://wwws.warnerbros.co.jp/the4thkind/
★『ビッグ・バグズ・パニック』
監督:カイル・ランキン
出演:クリス・マークエット、ブルック・ネヴィン
製作国:アメリカ
日本公開:2009年11月28日より公開中
『ビッグ・バグズ・パニック』公式サイト:http://www.mushi-panic.jp/index2.html