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第16回:日本のバラエティ番組は世界を目指す
2011年03月03日

皆さんは、日本のバラエティ番組が海外でも放送されているのをご存知でしょうか?80年代に人気を博した『風雲!たけし城!』(TBS)はアメリカやイタリアなど、海外に多くのファンがいるそうです。また、『料理の鉄人』(フジテレビ)は翻訳した日本版だけでなく、同じフォーマットで『Iron Chef America』というアメリカ版も制作されました。同様に、日本のフォーマットで現地版が作られたものとしては、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ)の人気コーナーだった「脳カベ」(壁の穴の形に体を合わせて通り抜けるゲーム)があります。これは『Hole In The Wall』というタイトルで、世界38か国で放送されているということです。

このごろは、最初から世界的な展開を目的とする番組が作られており、先日放送された『カメレオン(Chameleon- Fake it to make it)』(フジテレビ)もそのひとつ。これはフジテレビが、『アメリカン・アイドル』や『プロジェクト・ランウェイ』などの制作を手がけるフリーマントルメディアと共同企画・制作したものでした。

内容は、芸能人が一般の人のさまざまなグループに密かに入り込み、部外者だとバレなければ賞金を獲得できるというもの。ただし、潜入した芸能人たちは、グループの人たちと何らかのコンタクトを取る「ミッション」をこなさなければなりません。例えば、サッカーの試合に入った人はパスを受けたり、ゴールを決めたり、チームメイトに指示を送ったりというミッションを行い、同窓会に紛れ込んだ時には集合写真に映り込んだり、当時のマドンナに告白したりといったことを実行します。そしてミッションが成功すると、内容に応じて賞金に加算されるという仕組みです。挑戦したのは大島麻衣さん、俳優の坂本真さん、芸人さんからはかまいたち・山内さん、モンスターエンジン・西森さん、キングオブコメディ・高橋さん。正体を隠しながらも大胆な行動を取る出演者の姿はヒヤヒヤものでしたが、それが見どころとなり、とても面白かったです。

番組の最後には、別室でこれを見ていた日本に住む外国人8人が感想を述べていました。芸能人の様子もさることながら部外者がいると気づいた時の一般の人たちの姿も面白い、自分も挑戦してみたいなど、おおむね好評。全員が自国でも放送できると感じたようです。

最近の日本文化で海外に知られるものとしてはアニメがありますが、このごろはAKB48やジャニーズのタレントさんなど、アイドルに興味を持つ外国人が増えていると聞きます。バラエティ番組については、3年ほど前、イギリスでの「脳カベ」が放送されると決まった時、地元の新聞『タイムズ』に批判的な記事が掲載されました。
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/media/article4163053.ece)読んでみると「今もカスタードパイや大量のうじ虫は番組で欠かせない小道具」など、誤解も含まれています。結局、「脳カベ」はイギリスでも人気となり、BBCで2シーズンに渡って放送されましたが、こういう記事が出たのは、日本のバラエティ番組がよく知られていなかったことの表れなのでしょう。しかし今後、世界展開が進んでいけばさらに多くの人が日本の番組の面白さを知ることになり、アニメやアイドルと並んで「クール・ジャパン」の仲間入りを果たせる日も来るかもしれません。

ちなみに、当校の日英コースの講師には1人、日本のお笑いにとても詳しい方がいます。好きな芸人さんはFUJIWARAだそうで、先日もかつてFUJIWARAが出演した大人気番組『吉本超合金』について熱く語り合いました(笑)。日本のバラエティが世界に広まるのと同時に、お笑いを語れる外国の方がさらに増えることも期待したいものです。

※3月4日(金)深夜にもフジテレビとフリーマントルメディアが制作した番組が放送されます。
■『ザ・トラブルシューター~笑う裁判所~』
個人的には「ガリガリガリクソンVSエハラマサヒロ」が気になります...(笑)。
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【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】先日、関ジャニ∞の村上信五さんの舞台を見てきました。内容は「もしも~だったら...」というテーマのコントとVTRという、芸人さんの単独ライブと同じ構成。舞台の笑いをよく知る作りで、ディテールにも凝り...という、ジャニーズらしからぬ(苦笑)内容でした。なかなか侮れませんぜ。