第21回:洋楽を歌いたいだけの芸人ユニット
「Like a record round! round! round! Japan」を見に行く
2011年07月29日
【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。【最近の私】先日の『27時間テレビ』はすべてが面白かった!『アカン警察』の中居くんの友達、仙台放送のガキさん、やべっちのマラソンの中での小ネタ集...いろいろ長く語り継がれるエピソード満載でした。
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先日、「Like a record round! round! round! Japan」というユニットのライブに行ってきました。実はこれ、藤井隆さんとレイザーラモン・RGさん、椿鬼奴さんが、80年代・90年代の洋楽を歌うだけのユニット。あえて笑いの要素を組み込むわけでもなく、懐かしの洋楽をカラオケで歌っている様子をただ見ているだけなのですが、これが本当に楽しくて、クセになりそうなライブでした。
会場は新大久保にある、ネイキッドロフト。50人あまりでいっぱいになる会場は、チケット争奪戦を勝ち抜いた、昔の洋楽に反応できるぐらいのオトナたちで満員でした。まずはユニット名に歌詞が盛り込まれているDead or Aliveの『You Spin Me Round (Like a Record)』を歌いながら3人が登場。『王様のブランチ』(TBS)のコーナー「買い物の達人」でゲットしたおそろいのハデ目で大ぶりのジャケットに身を包み、同じく『ブランチ』で購入した、ポリシックスを思わせるサングラスをかけたその姿は紛れもなく80's。「みんな立って!」の藤井さんの声に応えて客席も全員総立ち、と最初からオトナの悪ふざけ炸裂です。単に歌を歌うだけでなく、しっかり当時の空気を漂わせ、ミュージシャンになりきる3人に客席もすっかりノセられまくり。中にはペンライトを持っている人がいたり、Like a record round! round! round! JapanのTシャツを着ている人がいたり、と、アイドルのコンサートのような状況を3人も(特に藤井さんは)楽しんでいたようでした。
その後はトークを交えつつ、それぞれが好きな洋楽をカラオケで歌い、中盤にはお客さんからリクエストを募るコーナーも。Duran Duranの『Reflex』やTake Thatもカバーした『Relight My Fire』、Gloria Estefan & The Miami Sound Machineの『1,2,3』、Daryl Hall & John Oatesの『Private Eyes』など、私にとってはアーティストの名前や曲名を言うだけでグッとくる曲のオンパレード。その一方で、日本の歌でも『恋におちて』のように2番が英語の歌詞の曲は洋楽扱いにすることが急遽決まる一幕もありました。さすが、松田聖子さんが「Seiko」名義で出したイギリスデビュー曲、『Dancing Shoes』を堂々と「洋楽」と言い切るだけあります。
そんなこんなで楽しい時間はあっという間に終わりを迎え...と思いきや、7時に始まったライブは11時を過ぎた頃に終了。ボリュームがある上に濃い内容ではありましたが、それでも最初から最後まで本当に楽しいライブでした。
以前、別のライブで鬼奴さんは「歌を歌うだけのライブがやりたい」とおっしゃっていました。そのときはみんな苦笑いという感じでしたが、それからいくらも経たないうちにこうして現実のものになり、あろうことか3人それぞれが歌った楽曲がネット配信されるまでになっています。でも、このライブに関しては、お客さんも笑いを期待してくるというより、懐かしい時代を藤井さんたちと共有するためにやってくるという感じ。自分と同じく洋楽好きで、しかも本気で歌ってくれる3人が一緒なら楽しくないわけがありません。私もその1人で、『Private Eyes』のサビの拍手が何の打ち合わせもなく全員でピッタリ合わせられる状況には、思わずトリハダが立ちました。
ちなみに、吉本の美容番長・シルクさんは、パンク全盛期のロンドンに行ったことがあるのだとか(さすが、「ウワサ年齢50歳!」)。藤井さんは「いつかゲストに出てほしい」とおっしゃっていましたが、いつもはセクシーに『テキーラ』で踊るシルクさんが、Johnny Rottenばりに『Anarchy in the U.K.』を歌う姿も見てみたいものです。