「ハロッズティーサロン」:ミルクたっぷりの紅茶は英国仕立てで
2012年01月27日
【written by 本多綾子(ほんだ・あやこ)】ミーハーのDNAを持ったサッカーファン。2010年には28試合を観戦した。心のチームは鹿島アントラーズ。最近はスタジアム・グルメにもはまっている。-----------------------------------------------------------------------------------------
スポーツ生観戦の醍醐味は緊張感や高揚した気分を肌身で感じられることだ。さらに、その場ならではの食べ物や飲み物があると生観戦がより思い出深いものになる。大相撲好きなら、升席で相撲を見ながら焼き鳥を食べてみたいと思っているだろう。メジャーリーグのファンならば、2日間は後味を楽しめるホットドックを食べたいはずだ。そして、私を含む鹿島アントラーズのサポーターなら、カシマサッカースタジアムの名物「ハム焼き」か「もつ煮」だ。
映画『シーズンチケット』では、冒頭で主人公のジェリーが友人のスーエルに夢を語る場面が出てくる。「いつか競技場で試合を見よう。雰囲気を味わうために早々に行ってさ。まず紅茶を飲む。砂糖は2つ、ミルクたっぷりでね。選手が登場したら立ち上がってクレイジーな声援を送るんだ。試合が始まったらリラックスしてさ。席に座って、ゆっくり紅茶を飲みながら観戦する。なんて最高なんだ」
『シーズンチケット』は、いまもイギリス映画を愛する人たちやサッカーファンの間で語り継がれている名作だ。舞台はイギリス北部の町、ニューカッスル。落ちこぼれの少年、ジェリーとスーエルがイングランド・プレミアリーグのチーム、ニューカッスル・ユナイテッドのシーズンチケットを手に入れようと悪戦苦闘をする姿が描かれている。「シーズンチケット」とは、1シーズンを通してサッカー観戦ができる高額なチケットのことである。
2人の家庭は生活保護を受けるほど貧しい。スタジアムでのサッカー観戦など夢物語だ。そんな彼らがあこがれるのは、スタジアムで飲む「紅茶」。紅茶などいつでも飲めるものだが、ジェリーの「紅茶」には特別な思いが込められていたのだった。それは...と書きたいが映画を見てのお楽しみということにしたい。
紅茶は銀のポットで運ばれてくる。ミルクティーに向いているというアッサムに、砂糖2つとミルクをたっぷり入れて飲んでみた。ストレートティーの美しい色合いを楽しみながら飲むのもいいが、ミルク色に染まった紅茶は見た目も味も優しく、温かな気持ちになれる。一緒に注文したスコーンにはクロテッドクリームといちごのジャムが添えられており、程よい固さで紅茶との相性もぴったりだった。
『シーズンチケット』のふたりが思い描く紅茶とは少し違ったが、冬の午後、落ち着いたティーサロンで飲む紅茶もいいものだ。次回は友人を誘って、大好きなサッカーについて語り合いながら、ミルクたっぷりの紅茶を頂こう。もちろん、砂糖は2つだ。
★お店情報★
店名:ハロッズティーサロン
ジャンル:カフェ
電話番号:03-3273-1840
住所:103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1
交通手段:銀座線・半蔵門線「三越前」駅より徒歩1分 東西線「日本橋」駅より徒歩5分 浅草線「日本橋」駅より徒歩5分 JR「新日本橋」駅より徒歩7分
営業時間:10:00-19:00
定休日: 日本橋三越の定休日に準じる