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「ソル・アミーゴ」:色々な楽しみ方ができるメキシコ料理
2011年03月18日

【written by 松澤友子(まつざわ・ともこ)】旅行と食べることが好きで、色々な国で現地の料理を食べてきました。危険を顧みずに様々な料理に挑戦し、痛い 目に遭ったことも数知れず...。それでも、未知なる味を求めて、食への探求心が尽きることはありません。
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「自由気ままな極楽兄弟」を描いた映画『ルドandクルシ』。メキシコの片田舎で暮らす兄弟が、ある日偶然サッカー・スカウトの目にとまり、あっという間にプロのサッカー選手になる。メキシコの一部リーグで活躍するようになる2人だが、兄のルドはギャンブルにハマり、弟のクルシはスランプに陥り、選手生命すら危うくなってしまう...。

何だか切ないストーリーなのですが、そこはさすがラテン系ムービー。2人がどんな窮地に陥っても「どうにかなるだろう」と思わせてくれます。また、映画の冒頭では、家族で食事をとるシーンが映し出されますが、それがいかにもメキシコの大家族の食事風景。屋外にテーブルを置き、大家族で食卓を囲み、親子の口論が絶えず、円満な食卓というよりは、賑やかな活気あふれる食卓といったイメージです。冒頭のイメージ通り、物語の展開はスピーディでエネルギッシュ。映画を観た後には、その活気を感じてみたくなり、メキシコ料理のお店に行ってきました。

チョリソ.jpg今回ご紹介するのは神田駅北口から徒歩1分の「ソル・アミーゴ」。タコスやブリトーなど、定番のメキシコ料理が楽しめるお店です。基本的にお料理はマイルドな味付けですが、ハバネロスープやチョリソーなどの激辛料理にも挑戦可能。今回はチョリソーを試しましたが、あまりの辛さ(というよりは痛さ!?)に、小さなかけらを食べるのに、かなり時間がかかりました。もちろん、そこまで辛いお料理はわずかですので、ご安心を。ワカモレ(アボカドのディップ)はとても新鮮で、タコボール(とろけるチーズが入ったライスをコロッケのように揚げたもの)は、具のチーズが濃厚です。

メキシコならではのテキーラの種類も豊富。なかでも、グサノ・テキーラ.jpgロホ・メスカルという名前のついたテキーラは、何とイモムシ入りです。ショットで頼む時には最後の1滴にならないと、イモムシは出てこないとのこと。そのため、イモムシを食べられた人は幸せになれると言われているそうです。もちろん私も挑戦し、見事最後の一滴をゲットしました。「今年は良いことがあるかな?」と楽しみにしています。

お料理の味もさることながら、激辛料理に挑戦したり、イモムシ入りテキーラに挑戦したりと、色々な楽しみ方が出来る「ソル・アミーゴ」。お店の雰囲気もカジュアルで、お得なコースメニューも多数揃っています。大勢で楽しみたいときにお勧めのお店です。

★お店情報★
店名:ソル・アミーゴ
ジャンル:居酒屋、バー
電話番号:03-3256-2366
住所:東京都千代田区内神田3-21-3
交通手段:JR神田駅 北口 徒歩1分/ 地下鉄銀座線神田駅 北口 徒歩1分
営業時間:ディナーのみ 17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:日曜日

「主水 日本橋店」:心に残る島根の味
2011年03月04日

【written by 樋口孝一(ひぐち・こういち)】最後の晩餐に食べたいモノが、年を取るごとに変わっていきます。昔はグリーンカレー、最近はエノキ炒め。次は何になることやら。
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主水4.jpg古事記にその創建が記され、近年はパワースポットとしても人気の「出雲大社」、夕景が多くの人を魅了する「宍道湖」、日本最古の歴史を持つ名湯「玉造温泉」、鉱山遺跡としてはアジアで初の世界遺産に登録された「石見銀山遺跡」...。知れば知るほど奥深い島根県。その島根の味を堪能しようと訪れたのが「主水(もんど)日本橋店」だ。

お昼の名物は「がいな丼」。「焼きサバがいな丼」や
がいな丼.jpg
「穴子白焼きがいな丼」など迷った結果、さまざまな味が楽しめる「海鮮がいな丼」に決定。「がいな」とは島根の言葉で「大きい」という意味。その名の通り大ぶりな丼が登場。お店オススメの食べ方に従い、まずは「がいな丼のタレ」にわさびを溶いて丼にかける。甘じょっぱいタレが色とりどりの海鮮に風味を与える。具材は、イクラ・サーモン・ヒラメ・マグロ・アジ・サバ、そして島根ではダルマダイとよばれるメダイ。続いて丼の中身を椀に盛り、だし汁をかける。だし汁のカニの風味が、8種類の海鮮と相まって口いっぱいに広がり、海鮮のふるさとである日本海が思い浮かんだ。そのイメージと重なるように、島根を舞台にした映画『RAILWAYS』のシーンがよみがえってきた。

一流企業のエリートサラリーマン筒井肇は、50歳を目前に取締役への打診を受ける。一方で、親友の川平が工場長を務める工場を閉鎖する役を任される。そんな折、故郷の島根で1人暮らしをしていた母が入院。追い打ちをかけるように、筒井のために工場閉鎖の業務に奔走する川平が交通事故で亡くなる。母を見舞うために帰省した島根で、少年時代の夢を思い出した肇は、人生を大きく変える決断をする...。

島根の青い海と抜けるような空。家の畑の前をゴトゴトと走り抜ける一畑(いちばた)電車、愛称バタデン。現代の物語でありながら、郷愁をそそるシーンが満載だ。物語の後半、祖母が余命わずかであることを知った肇の娘・倖(さち)が、畑で泣き崩れる。肇は娘に「ばあちゃんのだ」と畑のキュウリを半分に折って差し出す。祖母のことが大好きな倖にとって、生涯忘れられない味になるのだろう。

赤天.jpg忘れられない味といえば、「赤天(あかてん)」がある。島根の知人に郷土料理を尋ねたとき、ぜひにと薦められた。唐辛子を混ぜた魚のすり身を揚げたもので、食感はもっちり、やがてピリッとした辛さが口に広がる。もちろん、今回ご紹介した「主水」でもメニューに赤天が用意されている。島根のソウルフードはマヨネーズをつけるのが定番のようだが、「主水」で食べるなら「甘露しょうゆ」もオススメだ。

★お店情報★
店名:主水 日本橋店
ジャンル:島根の味・日本海の幸
電話番号:03-3231-2213
住所:中央区日本橋室町1-5-3
交通手段:三越前駅より徒歩1分
定休日:年末年始
営業時間:【昼】平日11:00~15:00(L.O.14:30)、土日祝11:00~16:00(L.O.15:30)
【夜】17:00~23:00(L.O.22:30)