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第28回:真面目にやるから面白い!フットボールアワー・後藤さんのマジ歌『ジェッタシー』
2012年02月24日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】『Chewing Over』がFacebookとTwitterを始めました。このコラムの感想などもFacebook、Twitter経由でいただけたらウレシイです。どうぞよろしく。
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以前、当ブログでフットボールアワー・後藤さんについて、「後藤さんはツッコミだけでなく、ギターの腕前も見事」と書いたことがありましたが、先日、その後藤さんの音楽的センスが注目される機会がありました。それが『ゴッドタン』(テレビ東京)の「芸人マジ歌選手権」と「ジェッタシーはダサぁない!ホンマはカッコええんやでー対決!」です。

「芸人マジ歌選手権」は『ゴッドタン』の名物企画のひとつ。芸人さんたちが、自ら作ったオリジナル曲「マジソング」を披露するこの企画はこれまでにも、なぜか女性キャラで乙女の恋心を歌うバナナマン・日村さん、どんな楽器でもすばらしいテクニックを披露するマネージャー・大竹さんとこれまたバカテクのドラマー、風間カメラマンを擁する東京03・角田さんのバンド、そして森三中・大島さんと黒沢さんの容姿は地味なのに、歌はドリカムばりに伸びやかな(でも最近、懐かしの「シノラー」に路線変更した)ユニット・「サービスブランド」など、さまざまな「マジソングライター」を輩出。そんな中、昨年9月に満を持して登場したのが、フットボールアワー・後藤さんでした。

後藤さんの「マジソング」は『ジェッタシー』。ブランキージェットシティーをほうふつとさせる曲調で、後藤さんのギターテクを見せつける場面もありましたが、共演の有吉弘行さんやバナナマン・設楽さんなどからは「ダサい」とこきおろされ、ゲスト出演していたダイヤモンド☆ユカイさんには「30年前の歌詞」と言われ、結局、ギター漫談扱いされる始末でした(笑)。しかし、今年1月に行われた『まさかのマジ歌フェスティバル2012』で、後藤さんは『ジェッタシー』のPVを披露。ご本人がいなかったこともあり、MCのおぎやはぎに再び「ダサい」と言われまくったのですが、聞き捨てならない後藤さんはもう一度『ジェッタシー』を引っさげて『ゴッドタン』に登場。そうして行われたのが、2月11日放送の「ジェッタシーはダサぁない!ホンマはカッコええんやでー対決!」でした。

番組ではこの日も結局、「ダサい」扱いになっていましたが、私はダサくないとは言いにくいけど(笑)、「芸人さんが真面目に取り組めば取り組むほど面白い」の象徴が『ジェッタシー』なのかも、と思っています。森三中の「サービスブランド」も歌はうまいし、曲もいいし、音楽的には笑いにつながる要素がないのに、「うますぎるがゆえの面白さ」がたまりませんでした。角田さんのバンドも同じで、大竹マネージャーや風間カメラマンがものすごいテクニックで演奏すればするほど面白い。『ジェッタシー』も同様で、後藤さんが歌い、ギターソロを弾くだけで笑いがこみ上げてきます。以前、後藤さんが「GO☆TO」名義で歌った『今は東へ』もニヤニヤが止まらない感じではありましたが、途中のコール&レスポンスに若干の笑いの要素が含まれていたので、今回ほどではありませんでした。やはり、笑いを排除してこその面白さが『ジェッタシー』には隠されているのでしょう。PVのほうでは最後にドヤ顔で笑いのエッセンスを加えていましたが、後藤さんには不本意でも、実は真面目な演奏こそが爆笑につながっている気がします。

同じように、芸人さんが歌を披露する『お笑い芸人歌がうまい王座決定戦スペシャル』(フジテレビ)という番組もありますが、あちらは「芸人」というより、「歌がうまいタレント」が集まっている印象が強く、面白さは歌ではなくトークからという感じです。いろいろ好みはあると思いますが、私は「マジ歌」の「うますぎるがゆえの面白さ」で笑いたい。そして、『ジェッタシー』はダサいけど、クセになるし面白い!と言っておきます。