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第29回:『めちゃ×2イケてるッ!東北とつながってるね!生放送でプレゼントSP!』で思ったこと
2012年03月23日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】先日の『R-1ぐらんぷり』。COWCOW・多田さんの優勝は、今度こそコンビとしてのブレイクにもつながってほしいです!ただ、2位のすぎちゃんにもかなりの追い風が...。またもや準優勝がチャンピオンを脅かすのでしょうか。今後に注目です。
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東日本大震災から1年です。
まだ1年前のことだからなのか、あまりにも強烈な出来事だったせいなのか、あの日のことは今でもよく覚えています。私は実家が東北で、父の仕事の都合で東北のほかのいくつかの県に住んだこともあったので、あの日夜通しテレビから流れてくる映像や情報のすべてに目や耳を疑い、とても衝撃を覚えたものです。

被害の甚大さには、東北に縁がある人のみならず、全国、そして世界中の人たちが衝撃を受けました。そして、あちこちからさまざまな形で支援の輪が広がり、少しでも被災した方々の力になれればと多くの人たちが考えた1年だったと思います。

その震災から丸1年を迎える前日、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)では、「東北とつながってるね!生放送でプレゼントSP!」と題して、東北で被災した方々に出演者の私物をプレゼントするという企画が放送されました。これには賛否両論あったそうですが、私はとてもよい番組だったと思っています。被災した方々のメッセージが読まれたことで、「仮設住宅で使っているボックスは透明で、下着が入れられない」というような、一見些細なことではあるけれど、住んでいる人にしか分からない悩みがあることや、原発で働く人たちを心配しながら支える家族がいること、津波で大きな被害にあった気仙沼で震災から3日後に救出された後、すぐ町の人のために働かなければならなかった方がいたことを、『めちゃイケ』を通して改めて知ることができました。

東北の人は我慢強く、つらくてもそれを口にできない人が多いです。「もっと大変な思いをした人がいる」と思えばなおのこと、自分なりの苦しい思いを誰かに言うことはできません。岡村さんの愛車が当たった方のメッセージに「もっともっともっと大変な経験をした人に比べれば、私たち家族は幸運です。つらかった。」という言葉がありましたが、この1年は幸せであることが逆につらく苦しかったという方も多いと思います。実は海沿いの街ほどではないけれど、内陸でも震災後数日にわたってライフラインが寸断され、外は雪が降るほどの寒い時期に暖房もなく、お湯も出ない生活をしていた人たちが多くいました。でも、津波で家を流され、身近な人を亡くした人のことを思うと、弱音を吐くわけにはいかなかったのです。今回の企画は、そういう「それぞれにとって未だかつてない経験をした方々」が誰に遠慮することもなく、自分や家族の本当の思いを伝えられる機会にもなったのではないかと思います。

今回の企画では、出された私物をオークションにかけて募金するほうがいいと思う人もいたようです。でも、私はこういう形でプレゼントをしたからこそ、番組関係者だけでなく、視聴者も被災した人々の本当の思いを知り、改めて震災を思い出すことができたのだと思っています。今後は出演者の皆さんの私物が縁になり、東北の人たちと本当の意味で「つながり」を持ち、今年の3月11日だけでなく、今年の残りの日々や来年、再来年、その先もずっと、震災のことを心のどこかにとどめておくきっかけになればといいなと思います。

※追記※
1年前には、当ブログでこんなことを書いていました。