【written by 山崎恵(やまざき・めぐみ)】クラシックバレエ、絵画鑑賞が昔から大好き。自らも少々たしなむ。午前にバレエのレッスンを受け、午後に絵を描くという、理想的な日を1年のうちに何日間は作りたいと思っている。
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昨年2月に上映された映画『恋とニュースの作り方』。テレビ局をクビになった主人公のベッキーは、晴れてニューヨークにあるテレビ局のプロデューサーに採用されるものの、任されたのは低視聴率の朝の番組。番組存続をかけ、仕事とそして恋に奮闘するが...というストーリーの作品だ。ベッキーを演じるのは、『きみに読む物語』のレイチェル・マクアダムス。一方、ベッキーがあこがれている伝説のニュースキャスター・マイクを演じるのは、ハリソン・フォードだ。そのマイクが、映画の中盤と終盤に「フリッタータ」という卵料理を作るシーンがある。卵に野菜を混ぜて、オーブンで焼くのだが、完成品が映らないので、どんなものか気になっていた。
そこで、「フリッタータ」がメニューにある「オッキアーリ パスタ フレスカ」に行ってみた。目の前に出されたフリッタータは、野菜がたっぷり入った厚みのあるオムレツ風のものが出てきた。その厚みは、まるでキッシュのよう。食感は極めて柔らかく、上下にほんのり付いた焦げ目が香ばしい。また、具の味がしっかりと卵にしみていて、素材の味が楽しめる。しかし、残念ながら、フリッタータは毎日食べられるわけではないと言う。素材にこだわるこの店では、新鮮な地鶏の卵が入手できた時だけ、これをメニューに載せているのだ。店のメニューに関する情報は、毎日、ホームページで確認できるので、出かける前に確認すると良いだろう。
また、「オッキアーリ パスタ フレスカ」では、「生パスタ」も自慢の一品だ。注文時に、スパゲティ、リングイネ、タリアッテレ、ショートパスタから自分の好きなものを選べるが、今回は「越後かんずりのアラビアータ」を平たい麺のタリアッテレで頼んでみた。かんずりは、唐辛子をじっくりと発酵・熟成させた和の香辛料。まろやかな辛みのソースが、もっちりとしたパスタにからまり、おいしかった。他にも、サバを使ったパスタ、サラダでもカブやウニを使ったものなど、和の食材をたくさん使っている。
女性オーナーシェフが切り盛りするお店はカウンター席のみだが、落ち着いた雰囲気なので、男女問わず1人で気軽にワイン片手に料理が楽しみたいときには、もってこいの場所だ。
★お店情報★
店名:オッキアーリ パスタ フレスカ
ジャンル:イタリアン
電話番号:03-5207-3535
住所:千代田区鍛冶町1-6-17 日東合同ビル1F
交通手段:JR神田駅南口 徒歩2分
営業時間:ランチ 11:30~14:00/ディナー 17:30~21:00
定休日:土・日曜日 (但し、土曜日は予約営業)
【written by 本多綾子(ほんだ・あやこ)】ミーハーのDNAを持ったサッカーファン。2010年には28試合を観戦した。心のチームは鹿島アントラーズ。最近はスタジアム・グルメにもはまっている。
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「名前を呼ばれたとき、『なぜまた彼女なの』と聞こえたような気がした。でも、いいの。そんなことは」とは、第84回アカデミー賞で2度目の主演女優賞を獲得したメリル・ストリープの言葉。誰もが認める大女優になった彼女が最初のアカデミー賞を受賞したのは1979年公開の『クレイマー、クレイマー』だった。ダスティン・ホフマン相手に見事な演技を見せて、助演女優賞を獲得した。
映画の舞台となった1970年代は、1960年代と同様に価値観が劇的に変わった時代だった。映画はメリル・ストリープが演じるジョアンナが、夫テディと5歳の息子ビリーを置いて家を出ていくシーンから始まる。仕事で夜遅く帰ってきたテディにジョアンナは告げる。「私、出ていくわ」と。ジョアンナは「理想の妻であり母親」を演じる自分に不安を感じて死にたいと思うほど追いつめられていたのだ。残されて茫然とするテディだが、子供の面倒を見なければならない。最初に作った食事が「フレンチトースト」。普段、キッチンに立ったことのないテディはパニックだ。牛乳は入れ忘れる。食パンを二つ折りにする。挙句にフライパンをひっくり返して火傷を負う。こうして、テディとビリーのほろ苦い父子生活が始まっていく。
それにしても、食事のシーンが多い映画だ。冒頭のフレンチトーストに始まり、TVディナー、シリアル、グラスに入ったワイン...。しかも、そのどれもが美味しそうには見えない。登場人物の気持ちを代弁するかのように、投げやりで乾ききった感じがする。しかし、テディがビリーと食べる最後の朝食だけは違う。「フレンチトースト」を二人で仲良く作っていく。スクリーンから美味しそうなバターの香りが漂ってくるようだ。この映画を初めて見た1980年、私は、無性にフレンチトーストを食べたくなったことを覚えている。
時は流れて2012年。パリの高級ティーサロン「ラデュレ・サロン・ド・テ」でフレンチトーストが食べられるというので行ってみた。
「ラデュレ」1号店は銀座三越の2階にあるが、私は今回、三越日本橋本店内のカフェを訪れた。内装が凝っていると聞いていたが、確かにデパートの中とは思えない贅沢な雰囲気だ。二つのサロンに分かれており、まず目に飛び込んでくるのが、オールドローズと淡いグリーンのインテリアを使ったルイ・フィリップ様式の「サロン・デ・キャトル・セゾン」。その奥にプロシアブルーのインテリアで統一したナポレオン三世様式の「サロン・ブルー」がある。
ビリーをこんなステキな店に連れてきたら、「パパ、クールだよ。ママも連れてくるべきだよ」と言うかもしれない。そんなおしゃれなカフェで食べたフレンチトーストは、思わず「わぁ~」と声を出してしまうほど美味しかった。外側がカリっと焼けているのに中はしっとり。ありふれた素材のパン、卵、牛乳、バターでこんなに美味しい食べものが出来上がるとはまるで魔法だ。一緒に頂いた紅茶も、フレーバーが紅茶本来の味をまったく損なっておらず、今までフレーバーティーを避け続けていた私の好みをあっさりと変えてしまうほどだった。「ラデュレ」というとマカランやケーキといったスイーツのイメージが強いが、フランチトースト以外にもクラブ・サンドイッチやオムレツもある。私は欲張ってサーモンのサンドイッチを食べてみた。サーモン、ゆで卵、きゅうり、レタスを薄いトーストで挟んでいる。マヨネーズのさじ加減が絶妙。アメリカ風のクラブ・サンドとはひと味もふた味も違っていた。
夜8時まで営業をしているので、会社帰りに「ラデュレ」に寄ってみるのもいい。フレンチトーストやサンドイッチ、オムレツの後には、もちろん美味しいスイーツが控えている。味も雰囲気も主演女優賞クラスと言えるだろう。
★お店情報★
店名:ラデュレ・サロン・ド・テ
ジャンル:カフェ
電話番号:03-3274-0355
住所:103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店
交通手段:銀座線・半蔵門線「三越前」駅より徒歩1分 JR「新日本橋」駅より徒歩7分
営業時間:10:00-20:00
定休日: 日本橋三越の定休日に準じる
【written by 塩田明日香(しおた・あすか)】大の白米好き。子供の頃、「お母さんが作る料理で何が一番好き?」と聞かれ、「白いご飯!」と元気良く答えた親不孝者。でもそれくらい白米が大好き。白米さえあれば、どこでも生きていけます。
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スペイン映画「BIUTIFULビューティフル」は、余命わずかと宣告された男の物語だ。バルセロナで暮らすウスバル(ハビエル・バルデム)は、2人の子供とドラッグ中毒の妻を養うため、さまざまな仕事に手を染めてきた。ある日、ウスバルは末期がんを宣告される。残された時間を、愛する人達の未来を守るために奔走する彼。自らの死が迫る中、幼い子供たちだけは何とか生けていけるようにと懸命に生きるウスバルの姿に、強い父性愛を感じて胸が熱くなった。人が生きる意味とは何かを、深く考えさせられる作品だ。
映画を観て涙を流した後は、美味しいスペイン料理で一息ついてはいかがだろうか。神田近辺なら、地中海・スペイン料理のお店、「CARIBBEAN PIRATES」がお勧めだ。ドアを開けると、ガイコツの人形が出迎えてくれる。店内は赤と白を基調とした明るい雰囲気で、フラメンコを踊る女性の絵がたくさん飾ってあるのが印象的だ。
ランチタイムのメニューは、パエリアセットの他に、ラザニア、パスタ、カレーなど、スペイン料理だけではなく、様々な国の料理から選ぶことができる。私は本日のランチスペシャル、「チキンフライとポテトとピーマンのセット」を注文した。ドリンクとサラダ、デザートもついて1,000円というお得な値段の上に、注文から5分程で料理が出てくるのも嬉しい。ライスの横にある緑色のカレーは、ライスと一緒に食べるとほどよい辛さで美味しい。またポテトとカリカリチキンの相性は抜群で、これもまたカレーと一緒に食べると更に美味しくなった。この日のデザートはクリームムースで、甘すぎずすっきりとした食感は、男女問わず好まれそうだ。
ディナータイムは3種類のコースから選べる。夜は職場の仲間や友人たちと一緒に、ワイワイと食事を楽しむにはもってこいのお店だ。
★お店情報★
店名:CARIBBEAN PIRATES 日本橋
ジャンル:各国料理(ヨーロッパ)
電話番号:050-5798-2273
住所:東京都中央区日本橋1-2-10 東洋ビルB1
交通手段:地下鉄半蔵門線三越前駅 B5番出口徒歩4分
営業時間:ランチ月~金:11:30~14:00
ディナー月~土・祝:17:00~23:30(L.O.22:30)
定休日:日曜日