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第34回:東京でのオリンピックにも「火薬田ドン」を!!
2012年08月24日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】このところの帰省の楽しみは、地元・IBC岩手放送のラジオ番組を聞くこと。ポッドキャスト配信で全国的にも人気の『ワイドステーション』のコーナー「イヤーマイッタマイッタ」は、アナウンサー2人の掛け合いが絶妙でオススメです。
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ロンドン・オリンピックが終わって10日以上が過ぎましたが、メダルラッシュの熱狂は冷めやらず、今も毎日、大会で活躍した選手たちの話題がテレビや新聞などで報じられています。日本だけでなく、さまざまな国の選手が自身や祖国のために努力する姿は、結果とは関係なく、胸を打つものがありました。

今回のオリンピックでは試合もさることながら、開会式・閉会式も見どころ満載。世界的に有名なイギリス出身のミュージシャンや俳優などが出演し、ファンには最初から最後まで目が離せない内容でした。コメディの世界からも、開会式にはMr.ビーンとして知られるローワン・アトキンソン、閉会式にはモンティ・パイソンのエリック・アイドルが登場。どちらも会場を沸かせ、世界中で見ていたテレビの前の人たちを大いに楽しませてくれました。

ただ、日本人にとってはちょっと気になるシーンがありました。それは、エリック・アイドルの「人間大砲」の場面。自らが弾丸の代わりに大砲の中に入り、飛んでいこうとするのですが、結局失敗に終わり、大砲の中からアイドルが滑り落ちてくるというシーンでした。しかし、日本では閉会式からさかのぼること2週間ほど前、『FNS27時間テレビ』の「さんま・中居の今夜も眠れない」で、ビートたけしさんがこれと同じようなコントを見せていたのです。たけしさんのほうは「爆破イリュージョニスト・火薬田ドン」として登場。ヘルメットにサングラス、口の周りはヒゲだらけ、そしてハッピとニッカボッカのズボンに地下足袋という出で立ちで大砲の中に入り、弾丸よろしく勢いよく飛び出してフジテレビの建物の球体の上に着地する(!)というイリュージョンを成し遂げようとしました。でも、当然こちらも結果は失敗。オリンピックのアイドル同様、大砲から滑り落ち、たけしさんのほうはプールの中に綺麗に入水していきました。

そんなわけで、私は思わず「火薬田ドンかと思ったら、エリック・アイドルだった」とツイートしてしまったのですが、調べてみると、モンティ・パイソン関連で「人間大砲」が登場するのは、1989年に公開された映画『バロン』でのことだったとか。同じくモンティ・パイソンのメンバーだったテリー・ギリアムが監督したこの作品にはアイドルも出演しており、主人公のバロンが砲弾にしがみついて移動するというシーンが出てきます。また、オリンピックでこのパフォーマンスの後に歌った『Always look on the bright side of life』はパイソンズの映画『ライフ・オブ・ブライアン』の挿入歌。つまり、このパートはイギリスが誇るコメディグループ、モンティ・パイソンのショーだったというわけでした。

そういえば、ローワン・アトキンソンも日本のコメディアンに影響を与えています。『Mr.ビーン』の海水浴場でのコントで、下着のパンツを全部脱がずにうまく海水パンツに着替える方法を披露していましたが、志村けんさんも何度かこれをテレビでやっていました。これも私は志村さんのほうで先に知っていたので、『Mr.ビーン』を見たときに驚いたのを覚えています。

どちらも「元ネタ」を意識していたかどうかは別として、面白さという点ではどれも変わりがありません。あえて言うなら、「人間大砲」は爆発した後、砲口から白い煙を出して、一瞬成功したかのように見せた分、たけしさんのほうが見事でした。

2020年のオリンピック開催には、東京も候補地としてまだ残っていますが、もし開催が決まった時には、是非、映画監督として広く知られる「世界のキタノ」に「コメディアン・ビートたけし」として開会式か閉会式に出演してほしいと強く思います!さらには、「お約束ギャグ」ものとしては、ダチョウ倶楽部や出川哲郎さんにとびっきりのリアクション芸を見せ付けてほしい!そして、これがきっかけで日本の笑いに傾倒する外国の人が増えることを願ってやみません...と、まだ候補地が決まらぬうちから妄想をめぐらしています(苦笑)。