【written by イシハラアヤ】焼き肉、もんじゃ焼等だいたいの店に一人で入れる「ひとりメシスト」。酒のツマミで一番好きなのは荒塩とスルメという根っからのしょっぱ党でもあります。
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北野武監督の『TAKESHI'S』は何度でも繰り返して観たい作品だ。主人公・北野は芸能界のスター・ビートたけしと瓜二つ。しかし北野の方は売れない中年役者で、コンビニのアルバイトで生計を立てる日々を送っている。ある日、偶然ビートたけしに出会った北野は「自分がビートたけしだったら」という妄想に取りつかれる。もし、たけしの映画に出演したらどうなるだろう、あるいは同じアパートの美人と恋人関係になったら、さらには大挙して押し寄せる警官にたった1人で立ち向かったとしたら...そんな妄想が彼の日常を徐々に浸食し始め、ついには現実と妄想の区別がつかなくなり、思いもよらない状況に...。毎回、観るたびにどこが現実でどこがそうでないのかを見いだそうとするのだが、私が至る結論はいつもさまざま。しかし、これが物語の面白さとは別の楽しみになり、結果として何度も繰り返して観ることになってしまうのだ。
何度も繰り返して観たくなる『TAKESHI'S』のように、神田には何度も行きたくなる店がある。そのひとつ、神田駅からほど近い『ビーバー』は創業52年の洋食店。当時から入口に敷かれているレンガはたくさんの人々を迎え入れてきたせいか、角が丸くなっている。ここでは、チキンソテーやハンバーグなどのメイン料理とライス、スープがセットになっている日替わりランチの他、カツカレー、ナポリタン、オムライスなどが食べられる。私が選んだのはナポリタン。銀色のアルミ皿に乗ったナポリタンは太麺で、たまねぎとピーマンとハムが入っている。味付けはケチャップとバターのみ。「ソースなんかは作らずに無添加のケチャップとバターで、できるだけシンプルにね」というのはこの店のおかみさんの言。とてもまろやかな味わいだ。
店内はほの暗く、創業当時から変わらぬレンガ作りの壁をおかみさん手製のランプやドライフラワーが飾る。ここは外よりも時間の進み方がゆっくりしているようだ。そんな雰囲気につられてぼんやり考え事をしているうちに、つい長居をしてしまった。
ゆったりとした時間を過ごして外に出ると、店の前の通りをサラリーマンが早足で通り過ぎていった。どんなときにも「ビーバー」に行けば、ゆったりとした時間とおいしい食事が味わえる。早足で歩む日常を少しの間だけでも忘れたいと思ったら、訪れてみるといいだろう。
★お店情報★
店名:ビーバー
ジャンル:洋食
電話番号:03-3254-1746
住所:東京都千代田区神田紺屋町46
交通手段:JR神田駅東口・銀座線神田駅徒歩3分 都営新宿岩本町より5分
営業時間:(月~金)11:00-19:00(土)11:00-13:00 ランチ営業
定休日:日曜、祝日
【written by 本多綾子(ほんだ・あやこ)】ミーハーのDNAを持ったサッカーファン。2010年には28試合を観戦した。心のチームは鹿島アントラーズ。最近はスタジアム・グルメにもはまっている。
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『ヘルプ~心をつなぐストーリー~』は、メジャー映画の大作が多いハリウッドでは珍しく、口コミで人気が広がった映画である。舞台は1960年代のアメリカ。"ヘルプ"と呼ばれる黒人メイドを軸に、彼女たちの人生を本に書く若い白人女性、黒人に対する扱いを差別とすら感じていない雇い主の女主人、結婚こそが女性の幸せだと考えている母と反発する娘、さまざまな立場の女性が織りなすドラマだ。大ヒットの一番大きな理由は、今年のアカデミー賞助演女優賞を獲得したオクタヴィア・スペンサーやヴィオラ・デイヴィスといった個性的な女優の演技力や脚本の素晴らしさにあったのだろうが、1963年当時のアメリカ南部の人々を生き生きと蘇らせた衣装や料理の存在も忘れてはならない。
女性たちの服装はニューヨークのような大都会で流行っていたものではなく、保守的な南部の町らしく、あえて"流行遅れ"のデザインを採用したという。また、黒人メイドが腕をふるって作る南部料理は豪華で、「アメリカの料理=美味しくない」という先入観が崩されていく。そして、作品の中で大切な役割を果たしているのが、黒人メイドのミニーが料理下手のシーリアに教える"フライドチキン"。2人の友情の証として登場するのだが、映画を見ていると、なんとしても見事に揚がった骨付きのチキンを食べてみたいという欲望に駆られた。というわけで、友達3人を誘い、日本橋三越前の洋食レストラン「室町東洋」へと行ってみた。
昭和初期の米店が前身という「室町東洋」はプロ野球選手のユニフォームがあちらこちらに飾ってあり、店の雰囲気はいたってカジュアル。店内にあるテレビでは野球中継が流れていて、昭和の匂いがするスポーツバーといった感じだ。メニューを見て驚いたのは、日本橋のど真ん中にある店なのに、ほとんどの料理の値段が3ケタに収まること。調子に乗ってフライドチキンを始め、あれもこれもと頼んでみた。
お通しに出た「筍の土佐煮」や前菜の「5種類のソーセージ」は、さすがレストランといった味。安い居酒屋と違い、味をスパイスや調味料で誤魔化していない。筍は新鮮で歯ごたえがよく、ソーセージは肉のうま味が十分に出ている。私は味に満足しながら、なぜフライドチキンが食べたかったのかと友達に熱弁を奮っていた。
そして、ついに待ちわびていた、フライドチキンがやってきた!ところが、お皿を見てびっくり。それは私が思い描いていた骨付きのチキンではなく、見事に"鶏の唐揚げ"だったのだ。見かけは"鶏の唐揚げ"でも、味付けは違うのではないかという望みは友人の一言、「唐揚げですね」で泡と消えた。かなり残念だったけれど、"唐揚げ"のようなフライドチキンは、醤油、ニンニク、しょうがの味が肉に染み込んでいて、とても美味しかった。
しかし、フライドチキンが生まれた背景を考えると、この店のフライドチキンが実は鶏の唐揚げだったというのも不思議はないのかもしれない。スコットランド移民の鶏料理だったものに、アメリカ南部の奴隷がスパイスを加えて作ったのが現在のフライドチキンだ。「人種のるつぼ」と言われるアメリカらしい料理である。そのフライドチキンが「各国料理のるつぼ」とも言える日本にやってきて、この店では洋風の名前だけを残し、姿も味も日本独特の "鶏の唐揚げ"に変化した。西洋料理を日本人好みにして「洋食」という食文化を築いた国ならではのことである。
気がつけば、オムレツや手羽餃子など、4人で20品近くを平らげていた。オムレツは柔らかめの卵にデミグラスソースがたっぷりとかかっており、4人でも十分な量。また、手羽餃子は手羽先とひき肉の量のバランスもよく、皮もパリっと揚がっていて香ばしい。お酒の種類も多い店なので、ちょっとした集まりに最適の場所だ。「室町東洋」には、ほかにも鉄板焼き専門のフロアがある。次回はそちらで、徳島から直送の黒毛和牛を使った「和牛ステーキ」も味わってみたい。
★お店情報★
店名:室町東洋
ジャンル:レストラン
電話番号:03-3241-0003
住所:〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目5−2
交通手段:銀座線・半蔵門線「三越前」駅より徒歩1分 JR「新日本橋」駅より徒歩7分
営業時間:平日/11:00-16:00(昼)16:00-23:00(夜)
土曜・日曜/11:00-16:00(昼)
祝日/11:00-16:00(昼)16:00-21:30(夜)
定休日: なし
【written by オガサワラヒトシ】 アメリカンコメディとゴルフをこよなく愛する。一日の始まりは家族の朝食作りからという料理好き。オリジナルパンケーキ作りと創作TKG(卵かけごはん)の研究に余念がない。
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日本でもすっかり定着したシネコン(英語では"Multiplex")。最近は郊外にショッピングモールがオープンすると、ほぼ間違いなくセットで併設されている。もちろん、六本木や新宿といった都心の繁華街にもあり、1つの映画館の中でさまざまな作品をハシゴすることもできる。しかし、個人的にはまだ「満足」とは言いがたい。なぜなら、日本のシネコンでは、大好きなアメリカンコメディにほとんどお目にかかれないのだ!!ロサンゼルスに住んでいた頃は、シネコンでコメディ作品を見て、同じショッピングモールの中にあるレストランで食事をするのが、私の喜びのひとつだった。
JVTAロサンゼルス校のすぐ隣の敷地にある、全米屈指の巨大ショッピングモール「デルアモ・ファッションセンター」。その北東端、学校から徒歩3分の至近距離に、スクリーン数18を誇るシネコン「AMC デルアモ18」がある。そこに隣接し、一際目立っているレストランが「Johnny Rockets(ジョニーロケッツ)」だ。ステンレスのバーカウンターに真っ赤なビニールのスツール、ジュークボックスから流れるロックンロール、ハンバーガーにホットドッグ、山盛りのフレンチフライ、冷え冷えのグラスに注がれたミルクシェイクの上にはホイップクリーム。1950年代の旧き良きアメリカを再現したダイナーレストランである。
ここで一番食べたいのはやはりハンバーガー。1/3ポンド(約150g)のパテは100%ビーフで冷凍肉を一切使っていないのが特徴だ。超定番のメニューはその名の通りの「The Original」。レタス、トマト、きざみ玉ねぎ、レリッシュ、ピクルスにマスタードとマヨネーズで味付けされた、シンプルイズベストな一品。他にも、チェダーチーズ入りでホワイトオニオンとオリジナルの"Red Red Sauce"で味わう「#12」やスイスチーズとグリルマッシュルームが味わい深い「Route 66」などがある。
ただ、カロリーの高さは普通の日本人にとっては驚異的。バーガー類はともかく、シェイクはすべて1杯1000kcalを超えているので要注意。本当においしいのだが...。
「ジョニーロケッツを堪能したい、けどカロリーが...」という人は、全部食べなければいい。「残すなんて許せない!」というのであれば、お持ち帰りもOK。「それでも結局、全部食べてしまうことになるよなあ...」とご心配の方は、キッズメニューもしくは小さいハンバーガーが3個セットになった「Sliders」や同じく小さいホットドッグ3個セットの「Mini Chili Cheese Dogs」を友人とシェアしてはいかが?
仕事の帰りにジョニーロケッツで腹ごしらえして、隣の映画館で日本では劇場公開どころか、DVDでのリリースもあやしいアメリカローカルのコメディ映画を観る。私にとっては、これ以上ない至福の時だった。映画もハンバーガーも地元だからこその楽しみ方がある。どうせ海外で暮らすなら、その土地の文化にどっぷり浸かったほうが面白いのだ!
ただし、ジョニーロケッツとアメリカンコメディという夢の組み合わせには、唯一にして最大の悩みがある。「食べてから観るべきか、観てから食べるべきか」。それが問題だ...。
★お店情報★
店名:Johnny Rockets - Del Amo Mall (ジョニーロケッツ デルアモモール店)
ジャンル:ファストフードレストラン
電話番号:310-214-40-51
住所:3525 Carson Street, Suite 75, Torrance, CA 90503
交通手段:Del Amo Fashion Center内(Del Amo Cir. N 沿い)(JVTAロサンゼルス校から徒歩3分)
営業時間:【金曜~土曜】午前10時30分~午前1時【日曜~木曜】午前10時30分~午後11時
定休日:なし
※JVTA東京校では、9月11日(日)に「LA校<無料>1日留学セミナー」を開催!詳しくはコチラへ⇒http://jvtacademy.com/news/index.php?id=457
【written by 塩田明日香(しおた・あすか)】大の白米好き。子供の頃、「お母さんが作る料理で何が一番好き?」と聞かれ、「白いご飯!」と元気良く答えた親不孝者。でもそれくらい白米が大好き。白米さえあれば、どこでも生きていけます。
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洋食屋が舞台で2002年に放送されたドラマ『ランチの女王』(フジテレビ)。ランチが大好きな主人公のなつみ(竹内結子)が、江口洋介、妻夫木聡、山下智久演じる3兄弟の営む洋食屋「キッチンマカロニ」で、恋や友情、家族愛を育んでいくというストーリーだ。店を切り盛りするのがイケメン揃いというだけでも興味を惹かれるが、「マカロニ」の魅力はそれだけではない。料理はどれもおいしそうだし、何より店の雰囲気には家庭的で優しい温もりが感じられる。そんな「マカロニ」を見るたびに、いつかこういうお店でランチが食べてみたいと思っていた。
そんな私の念願をかなえてくれたのが神田駅西口の近くにある「ビストロ・ボンヌ・マール」。色とりどりの美しい花に囲まれた、可愛らしい外観のお店だ。店内はカウンターが8席とテーブル席が6つ。ヨーロッパの家庭を感じさせるお洒落な調度品は、見ているだけで心が弾む。訪れた時間が早かったのか、私が来店した時は誰もいなかったが、12時を過ぎるとあっという間に満席になった。
さっそく店員さんが勧めてくれた、ハンバーグステーキパプリカ煮込みのランチセットを注文した。セットにはサラダ、ライスかパン、スープ、飲み物が含まれている。飲み物はコーヒーと紅茶(それぞれホットとアイス)をお好みで選ぶことが可能。注文して8分程で、メインディッシュがやってきた。ハンバーグは一口食べると、ほんのり甘いデミグラスソースが口の中に広がり思わず笑顔に。また良く煮込んであるので、とても柔らかく食べやすい。半分くらい食べ終わった頃に、ハンバーグの下からなんとパスタが顔を出してきたではないか。それまでまったく気づかなかったので、何だか得をした気分だ。見た目以上にボリュームたっぷりで、食べ終わるころにはお腹いっぱい。お腹をさすっていると、ウエイターさんがすかさず「食後のコーヒーをお持ちしましょうか。」と聞いてくれたので、すぐに美味しいコーヒーを飲むことができた。これで値段は1,000円なのだから、大満足のランチタイムになること間違いなしだ。
★お店情報★
店名:ビストロ・ボンヌ・マール
ジャンル:フレンチ、洋食
電話番号:03-5256-6680
住所:千代田区内神田3-4-4 寿々木ビル1F
交通手段:JR神田駅西口徒歩3分、東京メトロ銀座線神田駅徒歩6分
営業時間:11:30~14:30、17:30~(L.O.23:00)/土11:30~14:30、17:30~(L.O.21:30)
定休日:日曜・祝日
【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。当ブログマガジン「Chewing Over」で「ミクスチャー食堂2」連載中。
http://www.jvtacademy.com/blog/co/mixture/-----------------------------------------------------------------------------------------
クリスマスをテーマにした曲はたくさんあるけれど、個人的に心に残っているのはダウンタウンの松本人志が作詞、相方の浜田雅功と、作曲も手がけた槇原敬之が歌った『チキンライス』だ。2004年に発売されたこの曲は、テレビでの2組の共演がきっかけで生まれたもの。歌詞は松本の子供の頃のエピソードをモチーフにしていたが、切なくも暖かい内容が共感を呼び、当時のオリコンランキングで最高2位を獲得した。
この曲には、決して裕福とは言えなかった幼い頃、たまの家族の外食ではチキンライスぐらいしか頼めなかったという歌詞が出てくる。せっかくの機会だから本当はご馳走が食べたかったはずなのに、子供心に親に気を遣い、また連れてきてもらえる程度の値段のものしか注文できなかった。その気持ちは不憫というより、むしろけなげで、今、もし身近にそういう子供がいたら、両親に代わって好きなものを食べに連れて行ってあげたくなるかもしれない。それがクリスマスならなおのことだ。
そんな店の候補のひとつになりそうなのが、「東レ社員クラブ」というレストラン。名前から想像すると、大手化学メーカー、東レの社員向けという感じがするかもしれないが、どうぞご安心を。誰でも利用することができ、手ごろな値段で洋食を楽しめる。ランチはハンバーグやビーフステーキ、魚のムニエルなど、日替わりメニューで数種類が用意されており、すべてサラダバイキングとコーヒー、デザートにプリンがついて1000円(税込)。何を注文しようか迷ってしまうほど見た目もきれいで味もよく、神田近辺で働く人たちの目と舌を満足させ、人気を集めている。
そして、子供だったら思わず前のめりになりそうなのがプリンだ。バニラやココナツ、パンプキン、抹茶などさまざまな味の中から毎日2種類が出され、サラダ同様、バイキング形式で好きなだけ食べることができる。メイン同様、こちらも日替わりなので、プリン目当てで来る人も多いようだ。
落ち着いた店構えとシックな内装は、親の懐具合を気遣う子供には少し緊張感のある雰囲気かもしれないが、クリスマスならすべて込みでいい思い出になるはず。まさに、特別な日にピッタリのレストランだ。
なお、東レ社員クラブは夜も利用でき、メニューはコースとアラカルト。ランチで味をしめたら、ディナータイムも是非行ってみたい。
★お店情報★
店名:東レ社員クラブ
ジャンル:洋食
電話番号:03-3245-5948
住所:中央区日本橋本石町3-3-16 日本橋室町ビル1F
交通手段:地下鉄銀座線三越前から徒歩4分
営業時間:ランチ 11:45~13:10/ ディナー 17:45~21:45
定休日:なし
【written by 香村満理子(こうむら・まりこ)】「おうちごはん」が基本の出不精で、グルメでもメディア通でもないけれど、『神田グルメディア倶楽部』入部を機に食べ歩きに挑戦。美味しいものを食べて見聞を広めようと言う考えは、甘いか辛いか、しょっぱいか?
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JR神田駅東口の駅前。小さなお店が建ち並ぶガード下の一角に、細長い三角形のような形をした洋食屋がある。店内を縦に仕切り、半分が厨房、半分が8席のカウンター席となっている『美味卵家』は、その名の通り、おいしい卵が自慢のオムライス専門店だ。
遠い昔デパートのお好み食堂で、日の丸がはためくオムライスは「お子様」の定番メニューだった。そんなわけで、客はオンナコドモが主流かと思いきや、なんと店内はビジネスマン風の男性ばかり。オンナコドモの類は私ひとりで、いきなりアウェー感に襲われる。テーブルの隅に置かれたかわいいニワトリの置物に若干救われた気分で、厨房を眺めていると、ビジネスマンが多い理由が見えてきた。サービスがそこいらのファーストフード店や立ち食いそば店真っ青の速さなのだ。これなら「約束の時間まであと10分!」なんて場合にも栄養満点のオムライスがいただける。ハンバーガーよりヘルシーな気がするし、うどんや蕎麦より腹持ちがいい。サイドメニューを加えれば、かなりガッツリ食べた感があり、午後の部に向けてスタミナ補給をしておきたい若者のランチにもピッタリだろう。
イチ押しメニューはとろとろ半熟卵とデミグラスソースをたっぷりかけた700円のオムハヤシ。チーズやコロッケ、唐揚げなどのトッピングも追加できる。ケチャップがお好きなかたには千切りキャベツが添えられた昔ながらのオムライスもある。メニューには旬の食材も取り入れられ、季節ごとにバリエーションが楽しめるようだ。
ところでオムライスいえば、伊丹十三監督の映画『タンポポ』を思い出すかたも多いはず。半熟のプレーンオムレツをチキンライスの上に乗せてナイフを入れ、トロトロ&フワフワの卵があふれ出すあのシーンは感動ものだった。実はこのオムライスを作ったレストランは日本橋にあり、今も『タンポポオムライス 伊丹十三風』というメニューを用意している。しかしこちらは一人前2700円。庶民が気軽に食べに行かれる値段ではないのが残念である。
美味卵家では昼間のみテイクアウトも用意され、事前に電話で予約をしておけばアツアツのオムハヤシがアナタを待っていてくれる。美味くて速くて、お手頃価格。メディアにもたびたび取り上げられている美味卵家は間違いなく一見、いや一食の価値ありだ。
★お店情報★
店名:美味卵家(うまたまや)
ジャンル:洋食
電話番号:03-5294-1410
住所:千代田区鍛冶町2-13-24
交通手段:JR神田駅 徒歩0分
営業時間:平日11:00~15:00、 18:00~22:00、 土・祝11:00~15:30
定休日:日曜(月に1回、土日連休)