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第37回:藤井隆テイストの「やりたいこと」を極める番組『ザ・狩人』
2013年01月25日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】先日、初めて「東京コントメン」というイベントを見てきました。シティボーイズやムロツヨシさんなどが所属する事務所、アッシュ・アンド・ディの芸人さんたちを中心に行われるコントライブで、会場は新宿の小さな劇場。桟敷席に体育座りで見なければならなかったことを除けば(苦笑)、楽しいライブでした。
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皆さんは『ザ・狩人(ザ・ハンター)こちら地球情報局』(日本テレビ)をご存知でしょうか?深夜にひっそりと放送されているこの番組は、一言で言うなら奇想天外なバラエティ。藤井隆さん、椿鬼奴さん、バッファロー吾郎というレギュラー出演陣が、毎回、予想外の企画で「自分たちがやりたいこと」を極めています。

番組開始当初こそ、ミュージシャンの方を紹介するというコンセプトがありましたが、途中で4人が「地球外生命体」になるという、思い切ったキャラ変更が。そして宇宙人が街やお店を紹介する(!)という形を経て、今ではお客さんも入れずによみうりランドの野外音楽堂・オープンシアターEASTで即興ミュージカルを繰り広げたり、来るはずのないピーターさんと待ち合わせをしている体裁で4人がピーターさんについてのエピソードトークを繰り広げ、ご本人ではなく通販番組でピーターさんが紹介している商品ばかりが登場したり、さらには、10年近く前に発売された南野陽子さんの写真集『FLOWERS』の撮影地をご本人抜きで巡り、同じ場所で同じポーズの写真を撮ったり...と、深夜の放送とは言え、実験的な企画が過ぎますよ(笑)というような内容ばかり。洋楽を歌いたいだけのユニット「Like a record round! round! round! Japan」も率いる、藤井さんのテイストが見え隠れする番組です。

そんな『ザ・狩人』の今年最初の企画は、「モナカ家でお正月!」。モナカとは、西川きよしさんの長男で、現在は吉本新喜劇で活躍する西川忠志さんのこと。「関西のロイヤルファミリー」と称される西川家のご子息として純粋培養されたせいか、どこかお坊ちゃま独特の浮世離れしたところをお持ちの様子です。以前、この番組に出演した時にも、そんな天然ぶりと舞台仕込みの大きめなリアクションやセリフ回し、そしておそらくお父さんゆずりのちょっと過剰なサービス精神が相まって、大いにレギュラー陣のツボに入っていました。今回も西川"モナカ"忠志さんはそんな自身の魅力を余すことなく発揮。3週に渡ってフィーチャリングされました。

特に盛り上がったのが、2週目の「モナカの人生ゲーム」。人生ゲームの要領でまずはサイコロを振りますが、出た目に合わせて繰り広げられるのはモナカのエピソードトーク。お母さんのヘレンさんのおなかに宿り、生まれたときのことから、小学生・中学生・高校生のときに実際に起きた出来事を自ら話すのです。中学時代にたびたび空を飛ぶような感覚を経験したこと、高校生のときには、「昼ごはんを食べて帰ろう」と言うクラスメートとの友情と、「高校生同士で店に入ってはいけない」という担任の先生との約束のどちらを取るかで迷い、お父さんのきよしさんに涙ながらに電話で相談したことなど、さまざまなエピソードを連発。
出た目に関わらず、順にエピソードを話すことに何の不思議も感じず、急なタイミングミュージカルばりの即興の歌や踊りを披露し、周囲を困惑させるマイペースなところは、やはり庶民の家庭で育った者とは違う雰囲気があります(苦笑)。

そして最後には、モナカパパ・きよしさんから、「地球の皆さんへ」という手紙が披露されましたが、「皆さん、あけましておめでとうございます」で始まったその文面は、「昨年、モナカはよく頑張った。2013年にも期待している。父・西川きよしも小さなことからコツコツと頑張ります」...どこからどう見ても息子にあてた手紙だったのでした(笑)。モナカの天然ぶりが突然変異ではないことが実証された瞬間です。

毎回、思いがけない展開の『ザ・狩人』ですが、時には出演者にも予想以上の展開になることも。西川"モナカ"忠志さんには、3度目の登板を願うばかりです。