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「メゾンカイザー COREDO日本橋店」: 見た目は違えど、大満足の味
2011年10月28日

【written by 樋口孝一(ひぐち・こういち)】最後の晩餐に食べたいモノが、年を取るごとに変わっていきます。昔はグリーンカレー、最近はエノキ炒め。次は何になることやら。
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『ミリオンダラー・ベイビー』は、ひと言でいうと「生きる」とはどういうことかを考えさせられる映画だ。ボクシングに人生最後の望みを託した31歳の女性、マギーが、ロサンゼルスのダウンタウンにある小さなボクシングジムで老トレーナー、フランキーの指導を受け、タイトル戦を戦うまでに成長する姿が描かれている。マギーの熱い戦いは言うまでもなくすばらしいのだが、もう一つ心に残るシーンがある。お互いに打ち解けてきたフランキーとマギーが、ロードサイドの店でレモンパイを食べる場面だ。フランキーがつぶやく。「このまま死んでもいい」。そんなにおいしいのか。無性にレモンパイが食べたくなってきた。

IMGP8741.JPGスイーツ好きの友人に尋ねると、「メゾンカイザー」のレモンパイを勧められ、早速足を運んだ。タルトの上にプリンがのった「フラン」などが並ぶショーケースを探すが、見つからない。売り切れたかと諦めて、ベーカリーコーナーでパンを物色すると、パイ生地に包まれた「レモンパイ」を発見。映画に出てきた、白いボリュームのあるメレンゲがふんわりとのっている「レモンメレンゲパイ」とは違ったが、こちらもうまい。サクサクとしたパイ生地の底の部分には飴状の甘いカラメル。中に広がるレモンクリームのほんのりとした酸味との相性が抜群だ。男の片手よりも大きかったが、ぺろっと食べてしまった。絶妙なコンビネーションのおいしさを味わうと同時に、映画を見終わったときのやるせない気持ちを改めて噛み締める。

IMGP8748.JPGせっかく来たので、ほかのパンも食べてみた。「クロワッサン・オ・ザマンド」は、しっとりした食感と、ほのかなリキュールの香りが相まって、もう一つ食べたくなる。また、コレド日本橋店限定の「ゴルゴンゾーラとクルミのパン」は、チーズとクルミのハーモニーがたまらない。そして絶対にはずせない「クロワッサン」は、パリの新聞「フィガロ」がパリでナンバーワンと評価した逸品だ。かみしめるほどに、バターの風味が口中に広がる。

IMGP8791.JPG次回は併設のカフェコーナーで、パンの盛り合わせ(おかわり自由)がついてくるランチを狙ってみよう。とても人気があり席数も限られているので混雑必至だが、「このまま死んでもいい」と思うまで堪能してみたいものだ。


★お店情報★ 店名:メゾンカイザー COREDO日本橋店
ジャンル:ベーカリーカフェ
電話番号:03-3516-0030
住所:中央区日本橋1-4-1 COREDO日本橋B1F
交通手段:(東京メトロ銀座線・東西線・都営地下鉄浅草線「日本橋駅」直結)
営業時間:平日7:00~22:00(ベーカリー20:00)、日祝日10:00~21:00(ベーカリー20:00)
定休日:無休(COREDO日本橋に準ずる)