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「ショコラ・バー パスカルカフェ」:女の心をとかすチョコレート
2011年11月11日

【written by 好中由起恵(よしなか・ゆきえ)】スイーツがだいすきで、食後にあま~いものは欠かせない。時間がなくて食べられないときでも、持ち歩けるチョコやグミなどを口にほうり込む。スイーツにあわせてブラックコーヒーを飲むのが至福のとき。
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恋愛小説のマエストロである江國香織は、自身が結婚する際に夫に約束してもらったことがあると、エッセイ集「いくつもの週末」に綴っている。それは、「何があったとしてもよその女にはチョコレートをプレゼントしない」というものだ。
―私はなぜか昔から、チョコレートは男が女に贈るものだと思っている。......甘くて贅沢な、快楽を伴って口のなかでとけるチョコレートは、男が女の心をとかすためのものだとしか思えないから。(「いくつもの週末」より)

この文章を読んでからというもの、もしもだいすきな男のひとがチョコレートを食べに連れて行ってくれたら、なんて甘美なことだろう...!と思わずにはいられなかった。しかし、誰かと一緒に行く前に、まずは一人でチョコレートを堪能したい。そこで今回は、いつか来る「その日」の下見として「ショコラ・バー パスカルカフェ」を訪れてみた。

photo 2.JPG「ショコラ・バー パスカルカフェ」の創業者でフランス出身のパスカル・カフェは1989年当時史上最年少でMOF(フランス最優秀職人)を獲得したショコラティエだ。彼はチョコレートには産地を厳選したカカオ豆を使い、素材そのものの持ち味を生かし、砂糖を出来る限り使わないというこだわりを持っている。
 私が注文したのはボンボンショコラセット。お店で一番のオススメであるシャンパンとチョコレートの組み合わせを楽しむことにした。チョコレートは好きなものを選べて、店員さんのチョイスを聞くこともできる。私が選んだのはキャラメルガナッシュ、フランボワーズ、ナッツを飾ったスペシャリテの3つ。なかでもシャンパンと味わうフランボワーズは絶品だった。

photo 3.JPGちなみにチョコレートの世界には「マリアージュ」という言葉がある。本来は「結婚」を意味するが、チョコレートの場合は「相性の良い組み合わせ」や「幸せな出会い」ということ。例えばチョコレートにナッツを加える。例えばシャンパンと一緒に味わう。そういう「幸せな出会い」によって、チョコレートだけでは味わうことのできない風味や余韻が広がっていくというのだ。今回は、この「マリアージュ」を身をもって理解し、チョコレートがより一層、甘美で深みのあるものに感じた。

チョコレートと恋は似ている。こっくりと甘いもの、渋くほろ苦いもの。味わうまでは分からない。しかし、それが双方の放つ魅力だ。

★お店情報★
店名:ショコラ・バー パスカルカフェ
ジャンル:カフェ、チョコレート
電話番号:03-3231-3475
住所:〒103-8265 東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋 3F
交通手段:JR「東京駅」八重洲北口から徒歩5分 東京メトロ 銀座線・東西線「日本橋駅」B1出口 都営地下鉄 浅草線「日本橋駅」から徒歩4分
営業時間:10:00~20:00 定休日:不定休(高島屋に準ずる)