【written by
きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】やっと少しずつおもしろいことが見つかってきました。先日は加藤浩次さん、おぎやはぎの矢作さん、六角精児さんなどが出演した舞台
『イルネス共和国』を見てきました。思わぬゲストも出て、すごく楽しかった。楽しいって素晴らしい...と思いながら、銀座でひとり呑みをして帰ってきました(笑)。
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なんやかんやと急にわさわさし始め、テレビもあまり見られず、ライブもほとんど行けず、しばらくの間、「またここに何か書ける日が来るかなー...」と、ぼんやり思っていました。
そんな私が昨年暮れから今年正月にかけて、久しぶりに「やっぱお笑いがすき!」と思えるようになったのです。そのきっかけになったのは、ピン芸人「馬と魚」くんでした。
去年から東京でも放送された『オールザッツ漫才』(TBS)で気になり、年末の『ぐるナイおもしろ荘 若手にチャンスと愛を誰か売れて頂戴SP!』(日本テレビ)ですっかりやられ、『新春大売出し!さんまのまんま』で「今年は馬と魚くんを全力で応援する!」と決めると同時に、あちこちの動画サイトで彼の姿を探してはネタの見事な構成に惚れ惚れしていたのでした。
ギターとハーモニカでさまざまな歌ネタを繰り広げる馬と魚くん。「もしあのミュージシャンがこんな歌を歌ったら...」というネタは、マキタスポーツさんなどもやっていますが、私が心を撃ちぬかれたのは、親しくもない先輩ともしめっちゃ仲が良かったらという妄想ソング「××さん、ありがとう」。
ネタが受けずに肩を落として道頓堀を歩いていると、不意に鳴る携帯電話。誰かと思って出てみると、それはやさしい兄さん。あるときはナイナイ岡村さん、またあるときは千原ジュニアさん。妄想だから誰でも出てきます。「なんや、ちょっとすべったぐらいで。...お前、日本酒飲めるか?」...落ち込む後輩を飲みに誘って、勇気づけてくれる。その言葉に応えるように、ナイスタイミングで馬と魚くんは切なく熱くハーモニカを吹くのです(笑)。
また、あるときには、うまくお客さんを笑わせられなかった彼にさんまさんが声をかけます。「ネタがすべったぐらいで落ち込んで。......でも、舞台袖、オオウケやったで」...もちろんここでも馬と魚くんの心の喜びと感動の涙を表すようなハーモニカが鳴り響きます。
最近は自ら信頼できる先輩に電話するパターンもあるようです。でも、いずれも曲調はどこかエリック・クラプトンの『Tears in heaven』風味。いえ、いいんです、そんなことは。妄想なのに、どれもしみてくる彼の言葉。そして何度も聞くうちに、私には彼が星野源に見えてきましたよ(末期)。
そんな馬と魚くんの勇姿を見ようと、昨日は『R-1ぐらんぷり』準決勝を見に行きたかったのですが、諸般の都合により叶わず...。
しかし!彼は決勝に残ってくれました。おめでとう!架空の姉ちゃんは、チケット5枚いや、10枚でも20枚でも、100枚でも握りしめて、応援してるで!
http://youtu.be/nRt7k_Ehe6M
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きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】今年もまた1つ年を取りました。だからといって何も変わらないのですが、その「変わらなさ」を受け入れられるようになっていることこそが、年を重ねて変化したことなのかもしれません。...なんだか禅問答のようですが(苦笑)。
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先日、雑誌『TV Bros.』に「『探偵!ナイトスクープ』が今も神回を出し続ける理由」という記事が掲載されました。ご存知の方も多いかもしれませんが、『ナイトスクープ』は1988年に関西ローカルでスタートしたバラエティ番組。視聴者から寄せられた疑問の数々を、レギュラー出演陣である"探偵"たちが調査するという内容で、現在は関西を飛び出し、関東をはじめとするほかの地域でも放送され、全国にファンを生み出している番組です。
『TV Bros.』で"神回"として紹介されたのは、「10年以上口をきいていない父と母」。物心ついてから両親が会話をする姿を見たことがないという投稿者の依頼を受けて、カンニング竹山さんが調査に向かったのですが、調べたところ、2人が話をしない生活は実は23年も続いていました。母が父に話しかけることはあるが、父はそれに一切答えないと言う投稿者。そこでお父さんに理由を聞くと、「子供が生まれ、自分がほったらかしにされていると感じてスネていた」という衝撃の事実が判明しました(笑)。2人が話す機会を作るべく、思い出の公園でのデートをセッティング。長く逡巡した後、ようやく意を決してお父さんが話し出します。その姿は、陰で見守っていた投稿者やその姉たち、竹山探偵、さらにはスタジオで見守っていた人たちや視聴者を涙させ、笑顔にもしたのでした。
この依頼のように、『ナイトスクープ』に寄せられる内容は個人的なものがほとんど。そして、思わず涙してしまうVTRでも、どこかに笑いを含んだ仕上がりになっています。番組の総合演出・ディレクターを務める石田ひろきさんは『TV Bros.』のインタビューで「どんな依頼でも15秒に1回爆笑を狙おうという姿勢を一貫して守り続けている」とコメント。そして、笑いと涙という「とても仲のいい2つの組み合わせを引っ張り出すことを目指している」と話しています。
そういえば、先日放送された、「90歳の母親の『クロールで25メートル泳ぎたい』という夢を応援してほしい(「90歳のスーパーおばあちゃんの水泳」)」という投稿は、ほかの番組なら感動的な打ち出し方をしそうなものですが、「潜水したら2,3日は上がってこないかも」という息子のブラックジョークをそのまま使い、さらには意外と派手な下着が好みとか、今日のためにムダ毛の処理をするよう娘に言われたというエピソードも交えて、この番組らしい見せ方をしていました。そして、何事にも好奇心旺盛なおばあちゃんは、クロールで25メートルという目標をあっさり達成。さらには次の目標だったはずの背泳ぎでも、見事25メートルを泳ぎきっていました。
また、見る人に涙や笑いに包んだ勇気や感動を与える依頼とともに、ほかの番組なら取り上げない内容にもしっかりお応えするのも『ナイトスクープ』の面白いところ。番組はいつも1回を3つの依頼で構成していますが、「90歳のスーパーおばあちゃんの水泳」の回では、どれだけいびきをかこうが、白目をむこうが「眠っていない」と言い張る父を謝らせてほしいという、他の番組なら「知らんがな!」と一蹴しそうな依頼「寝てないと言い張る父」も放送。お父さんのことで苦労した麒麟の田村さんが探偵として向かいましたが、投稿者の父親もかなりタフ。完全に目をつぶり、眠っている自分の映像を見ても頑として認めませんでしたが、その理由を聞くと、「プライドが許さないから」。...このお父さんといい、「10年以上口をきいていない父と母」のお父さんといい、父親というのはなかなか複雑な存在なのかもしれません。
笑いと涙に包み込みながら、世の中の森羅万象を追及する『探偵!ナイトスクープ』。これからも、リラクゼーション要素を感じながら見続けたいと思います。
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きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】先日、『ゴッドタン』(テレビ東京)の「マジ歌選手権」のライブに行ってきました。
フットボールアワー・後藤さんの生「ジェッタシー」は最高でした!てか、ただのブランキージェットシティでした(苦笑)。
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この春話題のドラマのひとつ『あまちゃん』(NHK)。登場人物たちの驚いた時の感嘆詞として使われる言葉「じぇ!」は今年の流行語大賞も狙えるのではないかと言う人もいるほどです。私も毎朝『あまちゃん』を楽しみにしている視聴者の1人。最近では録画して繰り返し見たり、時には再放送までチェックしたりしています。
そんな『あまちゃん』の魅力のひとつは、画面や登場人物のセリフのあちこちに散りばめられた小ネタの数々。中でも、主人公・アキ(能年玲奈)の母親の春子(小泉今日子)や彼女と同年代の登場人物たちが青春時代を過ごした80年代の話題には、懐かしさを感じる人も多いでしょう。私もこの会話に無理なく入れる世代。今は「ヤンキー」と呼ばれる不良ですが、当時の言い方は「ツッパリ」。聖子ちゃんカットに風邪でもないのに口元にはマスク、引きずるかと思うぐらいの長いスカートをはき、上履きのかかとをつぶして校内を闊歩する春子の姿は、まさに正統派のツッパリです(笑)。
そして、以前登場した、春子がテレビの音楽番組をラジカセで録音するシーンも、涙なしには見られないシーン。まだ一般家庭にビデオデッキがなかった当時、日本各地のティーンエイジャーたちは家族が大声を出さないことを祈りながら、テレビ番組をラジカセで録音するという、今では笑い話でしかない不毛な努力をしていました。iTunesで曲をダウンロードできるような手軽さはおろか、TSUTAYAのようなレンタルショップもないその頃は(特に地方では)、『ザ・ベストテン』を静かに録音し、文字通りテープが擦り切れ、時にはのびてしまうほど聞きまくっていたのでした。
そんな春子の青春時代を彩った歌謡曲に、最近やたら反応しているのがアキの友達・ユイ(橋本愛)。アイドルを目指し、高校卒業後は東京でデビューをもくろむ彼女ですが、春子が高校時代に使っていた部屋に通された瞬間、壁に貼ってあったチェッカーズや吉川晃司のシングルレコードに狂喜乱舞。一目でトリコになり、その夜は半ば無理矢理、春子の部屋に泊まります。そして昨日の『あまちゃん』では、斉藤由貴の『卒業』の出だしの歌詞「制服の胸のボタンを下級生たちに...」の後が思い出せない春子たちに、「『ねだられ』、じゃないですか?」とさりげなく教えたユイ。彼女のアイドルへの想いは、憧れというよりリスペクトの想いのほうが近いのかもしれません。
ちなみに、物語の舞台・北三陸市の元となった久慈市は、岩手県の海沿いの町。私は東北育ちで、今は実家が岩手県内にあるので余計『あまちゃん』に入れ込んでしまいます。ゴールデンウィークに帰省したところ、駅にはドラマのロケ地をアピールするのぼりが置かれ、おみやげ品にはどれも『あまちゃん』のシールが。連休中は毎日天気も悪く、寒かったのですが、遠方から久慈にたくさんの人が集まったそうです。そんな地元が盛り上がっている小ネタは、エキストラとして登場する人々。ロケ地周辺に住む人たちが協力しているため、誰が映った、どこが映ったと話題になっているんだそうです。また、天野家で使われている瀬戸物は小久慈焼という、久慈の焼き物。細かいところまで地元のことが盛り込まれ、抜かりがありません。
なお、「じぇ!」については、すでにあちこちで語られている通り、今は久慈でもあまり使われていないようです。岩手県民が驚いたときの感嘆詞は「じゃ!」。これも驚きの度合いによって、「じゃじゃじゃ」と数が増えます。これも若い世代はあまり使わないようですが、地元には『じゃじゃじゃTV』(IBC)というローカル情報番組があります。東京なら『王様のブランチ』(TBS)を放送している時間にやっていて、メインキャスターも地元で大人気のアナウンサー!見る人が「じゃじゃじゃ!」と驚く情報を届けているようです。
今後の『あまちゃん』の展開について、このドラマの訓覇圭チーフ・プロデューサーは、「物語の4年後に起こった東日本大震災について触れるかどうかは未定」とコメント。脚本を担当する宮藤官九郎さんは、著書『え、なんでまた?』(文藝春秋)の中で「見方によって喜劇にも悲劇にも受け取れる。そういうのが好きで自作にも盛り込みます」と書いています。どんなにつらく苦しい中にも必ず笑いはあるはず。更なる小ネタとともに注目していきたいと思います。
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きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】先日、初めて「東京コントメン」というイベントを見てきました。シティボーイズやムロツヨシさんなどが所属する事務所、アッシュ・アンド・ディの芸人さんたちを中心に行われるコントライブで、会場は新宿の小さな劇場。桟敷席に体育座りで見なければならなかったことを除けば(苦笑)、楽しいライブでした。
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皆さんは『ザ・狩人(ザ・ハンター)こちら地球情報局』(日本テレビ)をご存知でしょうか?深夜にひっそりと放送されているこの番組は、一言で言うなら奇想天外なバラエティ。藤井隆さん、椿鬼奴さん、バッファロー吾郎というレギュラー出演陣が、毎回、予想外の企画で「自分たちがやりたいこと」を極めています。
番組開始当初こそ、ミュージシャンの方を紹介するというコンセプトがありましたが、途中で4人が「地球外生命体」になるという、思い切ったキャラ変更が。そして宇宙人が街やお店を紹介する(!)という形を経て、今ではお客さんも入れずによみうりランドの野外音楽堂・オープンシアターEASTで即興ミュージカルを繰り広げたり、来るはずのないピーターさんと待ち合わせをしている体裁で4人がピーターさんについてのエピソードトークを繰り広げ、ご本人ではなく通販番組でピーターさんが紹介している商品ばかりが登場したり、さらには、10年近く前に発売された南野陽子さんの写真集『FLOWERS』の撮影地をご本人抜きで巡り、同じ場所で同じポーズの写真を撮ったり...と、深夜の放送とは言え、実験的な企画が過ぎますよ(笑)というような内容ばかり。洋楽を歌いたいだけのユニット「Like a record round! round! round! Japan」も率いる、藤井さんのテイストが見え隠れする番組です。
そんな『ザ・狩人』の今年最初の企画は、「モナカ家でお正月!」。モナカとは、西川きよしさんの長男で、現在は吉本新喜劇で活躍する西川忠志さんのこと。「関西のロイヤルファミリー」と称される西川家のご子息として純粋培養されたせいか、どこかお坊ちゃま独特の浮世離れしたところをお持ちの様子です。以前、この番組に出演した時にも、そんな天然ぶりと舞台仕込みの大きめなリアクションやセリフ回し、そしておそらくお父さんゆずりのちょっと過剰なサービス精神が相まって、大いにレギュラー陣のツボに入っていました。今回も西川"モナカ"忠志さんはそんな自身の魅力を余すことなく発揮。3週に渡ってフィーチャリングされました。
特に盛り上がったのが、2週目の「モナカの人生ゲーム」。人生ゲームの要領でまずはサイコロを振りますが、出た目に合わせて繰り広げられるのはモナカのエピソードトーク。お母さんのヘレンさんのおなかに宿り、生まれたときのことから、小学生・中学生・高校生のときに実際に起きた出来事を自ら話すのです。中学時代にたびたび空を飛ぶような感覚を経験したこと、高校生のときには、「昼ごはんを食べて帰ろう」と言うクラスメートとの友情と、「高校生同士で店に入ってはいけない」という担任の先生との約束のどちらを取るかで迷い、お父さんのきよしさんに涙ながらに電話で相談したことなど、さまざまなエピソードを連発。
出た目に関わらず、順にエピソードを話すことに何の不思議も感じず、急なタイミングミュージカルばりの即興の歌や踊りを披露し、周囲を困惑させるマイペースなところは、やはり庶民の家庭で育った者とは違う雰囲気があります(苦笑)。
そして最後には、モナカパパ・きよしさんから、「地球の皆さんへ」という手紙が披露されましたが、「皆さん、あけましておめでとうございます」で始まったその文面は、「昨年、モナカはよく頑張った。2013年にも期待している。父・西川きよしも小さなことからコツコツと頑張ります」...どこからどう見ても息子にあてた手紙だったのでした(笑)。モナカの天然ぶりが突然変異ではないことが実証された瞬間です。
毎回、思いがけない展開の『ザ・狩人』ですが、時には出演者にも予想以上の展開になることも。西川"モナカ"忠志さんには、3度目の登板を願うばかりです。
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きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】今年は本文中に書いた以外に、関ジャニ∞のデビュー8周年記念イベントに明け暮れた1年でもありました。大晦日の『紅白歌合戦』は号泣しながら見てるかもしれません(苦笑)。いよいよライブのチケットが取りにくくなっていることが心配ですが、今後の彼らの活躍が楽しみでもあります。
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今年もさまざまなテレビや舞台を見ましたが、その中で特に印象的だったのが『勇者ヨシヒコ』関連のあれこれと、10月から始まった『世界の料理ショー』の再放送。どちらも心の狂喜乱舞が止まらず、時間もお金もそれなりにかけてしまいました(笑)。
その1:『ヨシヒコ』が止まらない!
それは昨年放送された『勇者ヨシヒコと魔王の城』(テレビ東京)が始まりでした。「予算の少ない冒険活劇」を全面に打ち出したこのドラマは全国に中毒患者を増やし、私もその1人に。今年は『ヨシヒコ』絡みのさまざまなものが気になり、あちこちに出かけたり、テレビにかじりついたりしていました。
主だったところでいうと、1月には『ヨシヒコ』の監督・脚本を担当した福田雄一さんが手がけた舞台『スパマロット』を観劇。春には、こちらも福田さんの作品『ガラスの仮面』風ドラマで、HKT48の指原莉乃さん主演の『ミューズの鏡』(日本テレビ)と人気子役・鈴木福くん主演の『コドモ警察』(TBSテレビ)に毎週興奮していました。『コドモ警察』については、11月に行われたDVD発売記念イベントにも行き、生のコドモたちの小ささに改めて驚愕(笑)。そして夏には『ヨシヒコ』で魔法使い・メレブを演じたムロツヨシさんの舞台『muro式.6』へ。6年前から行われている『muro式』ですが、私は今回が2度目。ヨーロッパ企画の本多力さん、永野宗典さんとのお芝居とコントの中間のような舞台はこれまた中毒性があり、たぶん来年も行っちゃうでしょう。先月は、その本多さんと永野さんが出演したヨーロッパ企画のお芝居『月とスイートスポット』を見てきました。終演後のトークショーにはムロさんが登場し、『muro式』の3人で熱いお芝居の話を繰り広げていました。
テレビのほうでは今秋、『勇者ヨシヒコと魔王の城』に続く、『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』が放送され、さらには脚本が販売になり...と、もはや1年を通してフィーバー状態。そんな今、とても気になっているのは山田孝之さんのツイッターです。フォロワーの質問にトリッキーな返事をする山田さんのつぶやきは、1つも見逃したくないと思うほど(苦笑)。ツイッターの世界の「山ちゃん」は、もはや南海キャンディーズの山里さんではなく、山田孝之さんかも。時にメレブやムラサキとの絡みも見られますよ。
その2:『世界の料理ショー』との再会!
今から40年近く前にテレビ東京で放送された『世界の料理ショー』。この番組は、料理研究家のグラハム・カーがバターや牛乳をたっぷり使い、当時まだ日本では珍しい食材を交えながら、世界の料理を作って見せるというもの。日本語吹き替え版のグラハムの軽妙なおしゃべりと共に、見る人に「外国」を感じさせる番組でした。
私がこの番組を見たのは、東京での放送から数年後。東北の片田舎の小学生だった私は、毎週土曜日のお昼に1人留守番をしながら見ていました。純和風な昼ごはんを食べながら見る『世界の料理ショー』は、完全に別世界の話。番組終了後、ムダに牛乳を飲んだり、練乳をなめたりしていたのは、何とか現実のものとして捉えようとしていたからなのかもしれません(笑)。番組スタッフの「スティーブ」をネタにしたトークや、最後に観覧に来ていた人のうち1人を試食に招く様子など、大昔に見たわりには今もかなり鮮明に覚えています。
あれから年月を経て、久しぶりに見た『世界の料理ショー』では改めて気づくこともいろいろありました。まず、分量がやたら多い回があること。『ポークギドニー詰め フランス風』は15人前でご案内。豚肉4.5キロ、さらに豚の腎臓が3個って、放送当時の日本の家庭では絶対ムリでしょう。それから、日本語版のグラハムの吹き替えをしていたのは「~しちゃったりなんかして」といったアドリブ調やダジャレ交じりの吹き替えでおなじみの広川太一郎さんだと思い込んでいましたが、実際はゲーリー・クーパーの吹き替えで知られる黒沢良さんが担当。映像翻訳を学んだ今見ると、吹き替えとは言え完全なリップシンクになっていないところがあったり、顔の出ない材料の説明部分は自由度が異様に高かったりと、多少気になるところもあります。それでも、当時これだけの番組を訳して、声をのせるのはかなり大変な作業だったことでしょう。
何年か前のDVD-BOX発売の際、涙を呑んだ『世界の料理ショー』。自分へのお年玉ってことで買っちゃおうかな~(あ、また無駄遣い...)。
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【最近の私】
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毎年、番組改編の時期になると気になるのが、新番組のラインナップとそして『笑っていいとも!』の新レギュラー。たびたび番組打ち切りのうわさがまことしやかに流れるようになった今も、Yahoo!ニュースのトピックやTwitterのトレンドの話題に上がっていると、ついクリックしてしまいます。
今年も10月から番組には新しいレギュラーが加入。その顔ぶれには、若干チャレンジングなメンバーも含まれていました。それが月曜日に出演の武井壮さんと火曜日レギュラーの伊藤修子さんです。
2人は7月から3ヶ月間放送されていた深夜番組『うもれびと』(フジテレビ)に登場。有名人が「才能はあるのにまだ世に出ていない、"うもれている人"」を紹介するこの番組に、武井さんは森山直太郎さんの知り合いとして、伊藤さんは八嶋智人さんの後輩として出演しました。
武井さんは陸上十種競技の元チャンピオンで、しかもそれを競技開始から2年半で成し遂げたという輝かしい記録がありながら、一風変わったライフスタイルを送っています。定住する家を持たず、睡眠は仮眠程度。今も日々体を鍛えていますが、トレーニングは赤坂や六本木の坂をダッシュをしたり、山奥で大木を持ち上げて筋トレをしたりとかなり独特です。そんな武井さんが目指すのは「百獣の王」!頭の中でさまざまな動物と戦うシミュレーションを行い、これまで無敗。最近はさまざまな番組で、ライオンやゴリラといった猛獣と戦う様子を披露しています。以前、吉本の芸人さんで「インポッシブル」というコンビが巨大生物と戦うコントをやっていましたが、武井さんの登場に「もうダメです...」と白旗を揚げているようです。
伊藤さんのほうは、女優として『うぬぼれ刑事』や現在放送中の大河ドラマ『平清盛』などで印象に残る脇役を演じていますが、吉本所属ということもあり、これまでお笑いのイベントにも参加してきました。2年前に行われた大喜利イベント『ダイナマイト関西』では、非芸人枠での出場でありながらロバート・秋山さんなどを破り、決勝に進出。オードリー・若林さんとチャンピオンの座を争いました。残念ながら優勝は出来なかったものの、見る人に大きなインパクトを残しています。また、『うもれびと』では一発ギャグを披露したほか、「伊藤S子」名義で自作のポエムを朗読。MCの中居正広さんのプライベートな姿を妄想したその内容は非常に独特で、少し古めかしい言葉遣いと相まって、ご本人のキャラクター並みに気になるものとなっています。
そんな「うもれびと」だった2人が、お昼のメジャーな番組に進出したのは意外にも見えましたが、最近の『いいとも』の流れをチラチラ見ていると、実はそうでもなかったのかなと思います。 レギュラーではありませんが、今年6月までやっていたコーナー「お昼にいいの!?ちょっと怪しい課外授業」に、作家の岩井志麻子さん、西村賢太さんが出演したことがありました。岩井さんと言えば、『5時に夢中』(MXテレビ)のコメンテーターとして、主に下ネタ方面の発言をすることでお馴染みですし、西村さんも芥川賞作家ではありますが、アウトローな一面を持ち、岩井さんに勝るとも劣らない奔放なコメントをたびたびしており、およそ生放送では危険な香りがする存在。そんな2人が出演した『いいとも』は、怖いもの見たさで思わず釘付けになりました(笑)。
ちょうど栗原類さんの出演もその頃からだったのではないかと思います。そもそも栗原さんが最初に「ネガティブモデル」として出演したのが、同じフジテレビの深夜番組『アウト×デラックス』。こちらはマツコ・デラックスさんとナインティナインの矢部さんが、客観的に見て「ちょっとアウト」な人たちの話を聞く番組です。栗原さんはその自信がなさ過ぎる性格と見た目とのギャップで見事アウトと判定され、ここから注目されるようになりました。ですから、栗原さんも武井さんや伊藤さん同様、「うもれびと」だったわけです。
おネエタレントやおバカタレントなど、さまざまなキャラクターがお茶の間に受け入れられる今、武井さんや伊藤さんのようなニッチな感じのタレントさんも、もはや『いいとも』視聴者にとって違和感を抱かせる人ではないのかもしれません。今後の2人の活躍と合わせて、『いいとも』出演者のラインナップにも注目したいところです。
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きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】このところの帰省の楽しみは、地元・IBC岩手放送のラジオ番組を聞くこと。ポッドキャスト配信で全国的にも人気の『ワイドステーション』のコーナー
「イヤーマイッタマイッタ」は、アナウンサー2人の掛け合いが絶妙でオススメです。
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ロンドン・オリンピックが終わって10日以上が過ぎましたが、メダルラッシュの熱狂は冷めやらず、今も毎日、大会で活躍した選手たちの話題がテレビや新聞などで報じられています。日本だけでなく、さまざまな国の選手が自身や祖国のために努力する姿は、結果とは関係なく、胸を打つものがありました。
今回のオリンピックでは試合もさることながら、開会式・閉会式も見どころ満載。世界的に有名なイギリス出身のミュージシャンや俳優などが出演し、ファンには最初から最後まで目が離せない内容でした。コメディの世界からも、開会式にはMr.ビーンとして知られるローワン・アトキンソン、閉会式にはモンティ・パイソンのエリック・アイドルが登場。どちらも会場を沸かせ、世界中で見ていたテレビの前の人たちを大いに楽しませてくれました。
ただ、日本人にとってはちょっと気になるシーンがありました。それは、エリック・アイドルの「人間大砲」の場面。自らが弾丸の代わりに大砲の中に入り、飛んでいこうとするのですが、結局失敗に終わり、大砲の中からアイドルが滑り落ちてくるというシーンでした。しかし、日本では閉会式からさかのぼること2週間ほど前、『FNS27時間テレビ』の「さんま・中居の今夜も眠れない」で、ビートたけしさんがこれと同じようなコントを見せていたのです。たけしさんのほうは「爆破イリュージョニスト・火薬田ドン」として登場。ヘルメットにサングラス、口の周りはヒゲだらけ、そしてハッピとニッカボッカのズボンに地下足袋という出で立ちで大砲の中に入り、弾丸よろしく勢いよく飛び出してフジテレビの建物の球体の上に着地する(!)というイリュージョンを成し遂げようとしました。でも、当然こちらも結果は失敗。オリンピックのアイドル同様、大砲から滑り落ち、たけしさんのほうはプールの中に綺麗に入水していきました。
そんなわけで、私は思わず「火薬田ドンかと思ったら、エリック・アイドルだった」とツイートしてしまったのですが、調べてみると、モンティ・パイソン関連で「人間大砲」が登場するのは、1989年に公開された映画『バロン』でのことだったとか。同じくモンティ・パイソンのメンバーだったテリー・ギリアムが監督したこの作品にはアイドルも出演しており、主人公のバロンが砲弾にしがみついて移動するというシーンが出てきます。また、オリンピックでこのパフォーマンスの後に歌った『Always look on the bright side of life』はパイソンズの映画『ライフ・オブ・ブライアン』の挿入歌。つまり、このパートはイギリスが誇るコメディグループ、モンティ・パイソンのショーだったというわけでした。
そういえば、ローワン・アトキンソンも日本のコメディアンに影響を与えています。『Mr.ビーン』の海水浴場でのコントで、下着のパンツを全部脱がずにうまく海水パンツに着替える方法を披露していましたが、志村けんさんも何度かこれをテレビでやっていました。これも私は志村さんのほうで先に知っていたので、『Mr.ビーン』を見たときに驚いたのを覚えています。
どちらも「元ネタ」を意識していたかどうかは別として、面白さという点ではどれも変わりがありません。あえて言うなら、「人間大砲」は爆発した後、砲口から白い煙を出して、一瞬成功したかのように見せた分、たけしさんのほうが見事でした。
2020年のオリンピック開催には、東京も候補地としてまだ残っていますが、もし開催が決まった時には、是非、映画監督として広く知られる「世界のキタノ」に「コメディアン・ビートたけし」として開会式か閉会式に出演してほしいと強く思います!さらには、「お約束ギャグ」ものとしては、ダチョウ倶楽部や出川哲郎さんにとびっきりのリアクション芸を見せ付けてほしい!そして、これがきっかけで日本の笑いに傾倒する外国の人が増えることを願ってやみません...と、まだ候補地が決まらぬうちから妄想をめぐらしています(苦笑)。
【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】
前回、『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)について書きましたが、その後の2週間は安住アナのオープニングトークが今ひとつ弾まず、あんなコラムを書いた私として心配でもあり、ちょっとドキドキでもありました。しかし、先週・今週は再び何度も聞きたくなるトークを披露!まだ聞いたことのない方は、
ポッドキャストからぜひどうぞ。
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当ブログでは過去に2回、フットボールアワー・後藤さんの「音楽活動」について取り上げてきました(第20回:ツッコミだけじゃない!?
フットボールアワー・後藤さんを見たい理由(わけ)/第28回:真面目にやるから面白い!フットボールアワー・後藤さんのマジ歌『ジェッタシー』)。東海地方の人気ローカル番組『ノブナガ』(CBC)の企画として「GO☆TO」の名前で発表した『今は東へ』は、CDデビューを目指してオリジナル以外にもさまざまなバージョンを作るなどしてきましたが、目標達成はならず。そして、「ジェッタシー」を引っさげて登場した『ゴッドタン』では、出演者に「ダサい」と言われまくり、こちらもあの手この手のアピール作戦が功を奏することはありませんでした。
そんな後藤さんが7月18日、ついにCDデビューを果たしました!今回は『今は東へ』を発表したGO☆TO名義で、曲のタイトルは『COME ON BABY』。恋人を「ベイビー」と呼ぶ曲は数多(あまた)ありますが、この曲の「ベイビー」の意味は文字通り「赤ちゃん」。そう、『COME ON BABY!』は「究極の出産ソング」なのです。元々、後藤さんはラブソングを作るつもりでしたが、ちょうどその頃、『ノブナガ』の共演者・ゆうこりんこと小倉優子さんの妊娠が分かり、出産を応援する曲を作ることに。こうして『COME ON BABY』が生まれたのでした。
『今は東へ』は懐かしいテクノポップサウンドと泣きのギターソロが印象的でしたが、今回の『COME ON BABY!』もその流れを踏襲。さらに『BABY』つながりで、『BE MY BABY』っぽいメロディーに乗せた呼吸法「ヒーヒーフー」も聞きどころのひとつとなっています。80年代のハワード・ジョーンズやトンプソン・ツインズ、カイリー・ミノーグあたりの洋楽にハマっていた方や、今、大人気のテクノポップユニット、Perfumeなどが好きな方にもお勧めできる曲調です。
また、歌詞にも前作と共通するポイントが。それは「スイーツ」から始まるということ。『今は東へ』の出だしは「ホットケーキにシロップかけるような」でしたが『COME ON BABY!』は「甘いエクレア 2つ食べるの」。...後藤さんは「スイーツを入れることでポップな印象を与える」とお考えのようで、近くSEAMOさんに作ってもらう新曲についても、「歌詞にはスイーツを入れてほしい」とリクエストしていました。後藤さんが言うように、スイーツがポップ感を出すのかどうかは分かりませんが(笑)、いずれにしてもキャッチーで甘く、口当たりがいい曲なのは間違いないでしょう...スイーツだけにね(即座に土下座)。
この曲を作るきっかけになり、CDジャケットでも大々的にフィーチャリングされているゆうこりんの出産は、CD発売のタイミングとずれてしまいましたが、奇しくも『COME ON BABY!』が発売されたその日に倖田來未さんの出産のニュースが流れ、熊田曜子さんが妊娠していることも分かり、海の向こうからはユマ・サーマンが女の子を産んだというニュースが入り...と、まるで世界中がGO☆TOのCDデビューをお祝いしているかのよう。ただの偶然やこじつけと片付けることもできますが、ここはすべてご祝儀として、思いっきりポジティブにとらえたいところです。
というわけで、後藤さんの今後のミュージシャン活動を左右するかもしれない、今回のCDデビュー。「お笑い芸人のお遊び」と思わず、たくさんの人に聞いてもらいたいです。
【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】先日、
「しろくまカフェ in ナムコ・ナンジャタウン」に行ってきました。
マンガ『しろくまカフェ』にちなんだスイーツや、登場人物のパネルにキャーキャー言っていたのは、私たちチームだけではなくてちょっと安心(苦笑)。コースター2枚をゲットして帰ってきました。
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それは偶然の出会いでした。毎日、飽きもせずにテレビを見まくっていた私が今、とあるラジオ番組にハマり、テレビよりその番組の過去のポッドキャストを聞くことが何よりの楽しみとなっています。その番組とは、『安住紳一郎の日曜天国(略称:にち10...「にちてん」と読みます)』(TBSラジオ)です。
2005年から続く『にち10』はタイトルからも分かるとおり、メインMCがTBSの安住紳一郎アナウンサー。安住アナと言えば、「好きな男性アナウンサーランキング」では2006年から5年連続でトップとなり、殿堂入りも果たした人気者。言葉遣いや物腰が丁寧な一方、時に見せる涙や「腹黒い」と言われる様子が逆に親近感を抱かせ、年齢・性別を問わず、好感を持っている方も多いと思います。『にち10』はそんな安住アナが毎週日曜・午前10時から2時間、アシスタントの中澤有美子さんと共にさまざまな情報やリスナーからのメッセージを紹介したり、ゲストとトークを繰り広げたりする番組。日曜の朝にピッタリの落ち着いた番組なんだろうなあ...などと思ったアナタ!残念ながら、それは大きな間違いです!!
『にち10』での安住アナは番組冒頭こそ淡々としているものの、自身の興味やこだわりがあることを話し始め、興が乗ってくると一気にギアチェンジ!一人称が「私」から「俺」に変わり、声のトーンも一段上がり、マニアックな知識を交えながらよどむことなく話し出したら、それはトップギアのサイン。私がこの番組を知るきっかけとなった6月3日の放送では、果物の中で特に好きだというさくらんぼについて熱く濃く語っていました。
本当は佐藤錦を始めとする国産さくらんぼを腹いっぱい食べたいのに、「本命の彼女が登場するのを待ちきれず、手ごろな女性で手を打ってしまう工業高校の男子生徒(安住アナ談)」のごとく、まず国産より先にスーパーに出回るアメリカンチェリーで妥協し、つい食べてしまう...。そんな自身の複雑な心境とそれに苦しむつらさ(笑)、さらには近年、アメリカからやってきた新種のさくらんぼ・レーニアの絶妙のタイミングでの日本上陸について約30分語り続け、ツイッターではこの時間のトレンドワードに「アメリカンチェリー」がめでたくランクインしました。
そりゃあそうでしょう。国産さくらんぼへの思いがどれだけ特別かを語るために、日本でのアメリカンチェリーの歴史を引き合いに出し、自身を含む団塊ジュニア世代の人生と重なり合っているという自論を展開。さらに新種・レーニアの登場により、「ずっと国産が好きだったのに、突然レーニアに傾いたらどうしよう...」とマリッジブルーの女性のような心境になっている...と、常人には思いもよらない不安、しかも対象は「さくらんぼ」という話を30分もするわけですから、はっきり言って狂気の沙汰です(笑)。ツイートしたくもなります。でも裏を返せば、その「好きなもの」に対する思いの本物加減やデータマニアっぷり、さらに話の筋立てのうまさは狂気を凌駕するほどの魅力になり、結果として、多くの『にち10』ファンを生みだしているのです。
そしてこの番組はメッセージを投稿したり、プレゼントに応募したりするリスナーの皆さんもほかとは一味違う方が多いようです。歌手のマドンナの名前を歌舞伎のように世襲制だと勘違いしていた方や、設定が間違っていたおかげで本来より低い数値を出していた体脂肪計に対し、「今までいい夢を見させてくれてありがとうございました」と一礼したメタボなお母さんを持つ方など、そのエピソードも面白ければ、話のまとめ方もとても上手。
そんなリスナーの中でひときわ心に残るのが、2009年2月8日の放送に登場した、「口の堅いイシヅカさん」です。この日は番組でお醤油をプレゼントすることになっていたのですが、条件のひとつに「当選した人はもらったことを口外しない」というものがありました。何故こんな条件がついたかというと、このお醤油は利き醤油ができるほどのマニアである安住アナの話を聞き、九州の醤油メーカーの社長さんが安住アナ宛にわざわざ送ってくれたもの。このため、プレゼントにしたことが人づてやネットを通して社長さんの耳に届いては困る、というわけで、「口が堅いこと」が条件に加えられたのです。それを考慮して選ばれたのがイシヅカさんでした。
...が、実際に話してみないと本当に口が堅いかどうかは分からない。というわけで、安住アナは直接イシヅカさんに電話をしたのです。ところが、イシヅカさんの口の堅さを試すつもりが、安住アナが「たいしたもんだ」と舌を巻き、アシスタントの中澤さんも「ステキ!」と叫ぶ展開に!詳細は是非ポッドキャストでご確認ください!
というわけで、日曜日の朝を安住アナの毒と熱で彩る『安住紳一郎の日曜天国』。まずはポッドキャストで身体と耳と心を慣らし、是非、本放送も聞きなされ。
【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。
【最近の私】 前回、
当コラムに書いた『コドモ警察』(TBS)。いよいよデカ長こと鈴木福くんの苦み走り具合がサマになり、吉瀬美智子さんとの屋上でのやり取りに笑いが止まらない感じになってきました(笑)。でも、一番気になるのはナベさん。あの落ち着きっぷりにホレボレするばかりです。
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先日、『友近プレゼンツ 水谷千重子 演歌ひとすじ40周年記念リサイタルツアー』の東京公演に行ってきました。ご存知の方も多いかと思いますが、「水谷千重子」とは芸人の友近さんが演じる大物演歌歌手のこと。つまり、言ってしまえばこのリサイタルは最初から最後まですべてがコントなわけですが、友近さんは最後の最後まで「友近」としての顔を一切見せず、見る側もいるはずのない水谷千重子の存在や、ありもしないリサイタルをすべて受け入れ、このおかしなイベントを大いに楽しんだのでした。
リサイタルは3部構成で、1部は千重子さんの歌とゲストを交えたトーク、2部は千重子さんが主役のお芝居『ゲノゲの女房』、そして3部は1部とは別のゲストを呼んで再び歌とトークという内容。この構成自体、まさに演歌歌手のリサイタル風なのですが、これを単なるコントに見せず、状況をややこしくしているのが、ちょいちょい「本物」が出演していること。お芝居には、主役の友近さんのほか、森三中の大島さん、バッファロー吾郎・Aさん(この日は「千重子さんと同期の演歌歌手・八公太郎」というキャラでしたが)という芸人さんたちに加えて、舞台の経験が豊富な中村繁之さん、山田まりやさんが共演。それらしい雰囲気に仕上げてくれました。
歌のほうでも本当に長く芸能生活を重ねた歌手の方々がバックアップ。私が見に行った東京公演では、ブラザーコーンさんが登場!千重子さんの長きに渡る歌手活動を祝い、架空の思い出話をし、最後はもちろん千重子さんがカバーしている『Won't Be Long』を2人で歌ったのでした。テレビでもたびたび披露していた、演歌風『Won't Be Long』はこのステージでももちろん健在。本家コーンさんの前でも揺らぐことはありませんでした。ほかにも、冠二郎さん、伍代夏子さん、北原ミレイさん、鳥羽一郎さん、ピーターさん、さらには大阪公演にサプライズゲストとして登場した五木ひろしさんなど、全国各地の公演でさまざまなコント...もとい、思い出話やデュエットを繰り広げているようです。
そして、東京公演で本物っぽさに更なるダメ押しとなっていたのが、お祝いに駆けつけたNON STYLE石田さん。もともと坂本冬美さんやジェロさんなど、本当の演歌歌手の方々とプライベートで交流のある石田さんなので、架空のエピソードトークも自然な流れ。そんなバックグラウンドがある人をわざわざ呼ぶあたり、友近さんの微に入り、細に入りのこだわりが見えるゲストでした。
友近さんは、大阪で『THAT'S ENKA TAINMENT〜ちょっと唄っていいかしら?〜』(朝日放送)という演歌バラエティ番組の司会をしていますが、今回のリサイタルで演歌界のバックアップを受けることができたのも、番組内でのつながりがあったからなのでしょう。このリサイタルでは、歌のゲスト以外にもさまざまな歌手や芸能人の方々が千重子さんとしての友近さんに協力しています。まだツアーが続くので詳細は控えますが、T.M.Revolutionこと西川貴教さんがPVで風にあおられるようになったことには千重子さんの影響があった、といったエピソードも明かされるようです。
最後は手のひらに焼き豆腐をのせることや、リマールではなく羽賀研二さんの『ネバーエンディングストーリー』をBGMに使うことでもお馴染みの越後前舞踊を披露し、さらにアンコールにもこたえてお開きとなった『水谷千重子 演歌ひとすじ40周年記念リサイタルツアー』。これほどいろんな人を巻き込んでの大掛かりなコントは、この先、なかなかお目にかかれないでしょう。バカ言ってる千重子さんと、これを実現した友近さんに「ありがとうって伝えたくて」という気分です!(笑)