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「VINOSITY(ヴィノシティ)」:ワイン好きが集まる、気取らないフレンチ
2012年02月03日

【written by 伊藤志穂(いとう・しほ)】お気に入りのリフレッシュ方法は、ジャズダンスでひと汗かくことと、お菓子作り。出来あがりはさておき、オーブンからただよう甘い香りを楽しむのが至福の時である。
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時代や国境を越えて愛される画家のなかには、日本でも高い人気を保ち続ける人物がいる。19世紀末のパリで活躍した、トゥールーズ=ロートレックもその1人である。毎年のように展覧会が催され、期を合わせてカフェの特別メニューやオペラ公演が企画されることもある。フレンチ・カンカンで有名な「ムーラン・ルージュ」のポスターは、彼の作品の中でも特になじみ深い。映画『葡萄酒色の人生 ロートレック』では、南仏の貴族出身であった彼が、身体的な逆境に負けず画家・版画家として活躍し、36才で世を去るまでが描かれている。さらに彼は、芸術の世界と同様に、料理やワインをこよなく愛した美食家でもあった。

VINO_picture1.jpg神田駅から歩いて数分のところに「ワイン好き」、という意味のラテン語を店名にしているお店がある。『VINOSITY(ヴィノシティ)』というそのワイン居酒屋は、スタッフが皆ワイン好きで、ソムリエやシェフは高級フレンチ店で経験を積んできたという本格派だ。そうはいっても堅苦しさはなく、店内は明るくカジュアルな雰囲気に包まれ、食事を楽しむ人々で賑わう。満足度の高い料理に対して、意外にも価格がリーズナブルなところが嬉しい。

VINO_picture2.JPGまず注文したいのは、その名もユニークな「こぼれスパークリングワイン」だ。グラスの縁ぎりぎりまで注がれるワインには、思わず「おおっ」と声をあげてしまう。一口含むと、甘い香りと微かな苦味が、口の中に広がっていく。また、食事のほうで言えば、まるで花瓶に生けられたような「バーニャカウダ」は、野菜の鮮やかな色や、大胆なカッティングを楽しみながら食べられる。メインに最適なのは「ぶ厚く切ったノルウェーサーモンの瞬間スモ-ク」。名前のとおり、肉厚で食べごたえがある。サワークリームと甘酸っぱいソースが添えられており、スモークサーモンそのものの塩味と合っている。

VINO_picture3.JPGなお、訪れる際には、ぜひ予約をお勧めする。そしてもし満席だったとしても、すぐにあきらめないでいただきたい。徒歩数分のところに、昨年の秋にオープンした系列店『VINOSITY magis』がある。開店から1年も経たずに2店舗目ができるところからも、人気の度合いが伺える。美味しい料理と楽しい時間を堪能できる、何度も通いたくなるお店だ。

★お店情報★
店名:VINOSITY(ヴィノシティ)
ジャンル:フレンチ、ワインバー
電話番号:03-6206-9922
住所:東京都千代田区鍛治町2-4-1 佐伯ビル1階、地下1階
交通手段:JR/東京メトロ銀座線 神田駅 徒歩3分、JR新日本橋駅 徒歩4分、東京メトロ 銀座線 三越前 徒歩5分
営業時間:月~金 ドリンク 15:00~翌4:00(L.O.03:30)、フード 17:00~翌3:00(L.O.)
土 ドリンク 15:00~23:00(L.O.22:30)、フード 17:00~22:00(L.O.) 定休日:日・祝日