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「マンダリンバー」:自分自身と雰囲気に酔いしれるバー
2011年06月24日

【written by きただてかずこ】 子供の頃からお笑いが好きで、オトナになった今もバラエティ番組を見なければ夜も日も明けぬ毎日。ライブにもしばしば足を運び、笑える喜びにどっぷり浸りまくっている。当ブログマガジン「Chewing Over」で「ミクスチャー食堂2」連載中。
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2011051621590000.jpg昨年7月から放送されたドラマ『うぬぼれ刑事』(TBS)。脚本は宮藤官九郎、TOKIOの長瀬智也が主演したコメディタッチの刑事ドラマで、今年5月には宮藤官九郎が向田邦子賞を受賞した作品だ。長瀬演じる「うぬぼれ」は捜査に支障をきたすほど惚れっぽいうえに、容疑者の女性が「自分のことが好きなんじゃないか」とうぬぼれてしまう刑事。そんな彼を取り巻く人々も個性的で、細かいところまで見逃せないドラマだった。

2011051621580000.jpgこの作品には、毎回バーでのシーンが登場する。「I am I」というこのバーは、うぬぼれと彼の4人の仲間、通称「うぬぼれ5」のたまり場。ルックスばかりでおバカな若手俳優や、7ヶ国語で「愛してる」と言えることが自慢のイケメンパティシエ、恋をすると相手に影響されてしまうグラビアカメラマン、生徒にモテていると思い込んでいる大学教授。「I am I」はそんな彼らがうぬぼれと共に、毎夜、不毛な恋愛談義や妄想トークで盛り上がる、言わば癒しの場所である。「バー」という言葉から想像するようなムーディな雰囲気はなく、むしろ毒舌なママがいるせいで時に緊張感さえ抱かせる店だが、それでもうぬぼれ5のメンバーには居心地のいい場所だったのだろう。

2011051621590001.jpg神田近辺にもアットホームさが売りのバーがいくつもあるが、時にはしっとり落ち着いた雰囲気の中で飲んでみたいもの。そんなときにおススメなのが、マンダリン オリエンタル 東京の「マンダリンバー」だ。37階にあるこのバーにはカウンターとテーブル席、そしてスタンディングバーがある。窓からは眼下に広がる美しい夜景を楽しむことができ、月曜日から土曜日まではジャズトリオの生演奏もある。また、スタッフは全員女性で、バー初心者でも安心してお酒を楽しむことができる。メニューはビールやワインなどもあるが、カクテルの種類も豊富。私はアイリッシュコーヒーを頼んでみた。メニューには冷たい物しか出ていなかったが、暖かいものも用意してくれるとのことだったので、ホットで注文。一緒に出されたピクルスやアーモンドと一緒に飲む一杯は、店の雰囲気と相まって、とても味わい深かった。これからの時期なら、ラムベースのモヒートもお勧め。ミントの葉がたっぷり入り、さっぱりとした味は、外の蒸し暑さを忘れさせてくれるだろう。

バー、しかもマンダリンともなると、敷居が高いように思いがちだが、あの落ち着いた雰囲気は一度行くとクセになる。最初は誰かと、次はひとりで行って、うぬぼれ刑事さながらに、「オリエンタルバーでグラスを傾ける自分」に酔いしれてみてはいかがだろう。

★お店情報★
店名:マンダリンバー
ジャンル:バー
電話番号:0120-806-823
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1
交通手段:地下鉄三越前駅すぐ、神田駅より徒歩7分
営業時間:11:30~24:00
定休日:なし